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将棋好きの山崎バニラさんが第2回電王戦について熱く語る!

2012年12月17日 13時30分更新

文● 山崎バニラ 編集●いーじま 撮影●篠原孝志(パシャ)

PVでは伊藤さんがヒール役に磨きがかかり
どこまでも好青年な船江五段でした

会場に訪れた将棋好きの山崎バニラさん
第2回電王戦発表会

 将棋とパソコンが同じくらい好きな山崎バニラです。昨年の両対局者インタビューや当日のレポートに続き、今年は記者発表から潜入しました。

 詳しい内容はこちらの記事を参照していただくことにして、質疑応答の際に私が質問した内容は、「対戦するコンピュータは、プロ棋士それぞれのご自宅に事前に運び込まれ、対策を練ることができるのか」というものでした。昨年対局した米長永世棋聖のお宅には最終調整前の段階ではあったもののコンピュータ将棋・ボンクラーズが設置されていたからです。すでに決まっていることかと思いきや、なんとその場でプロ棋士、開発者双方に希望を聞く形式となりました。プロ棋士の先生に公の場で「できることなら事前に貸出をしてほしい」と言わせてしまった後ろめたさとともに、やはりコンピュータ用の対策はしたいものなのだなと改めて思った次第です。

 これに対し、ponanza開発者・山本さんと、Puella α開発者・伊藤さんは「貸出はしたくない」というお返事でした。山本さんはスマホゲーム「将棋ウォーズ」開発チームの一員でもあり、私は『週刊アスキー』テストレポートのコーナーで同ゲームについてインタビューをしたばかりです。当然、電王戦の話題にもなりましたが、「26歳ぐらい」と言ってコメント欄を沸かせた若者からは、もはや人間には負ける気がしていない雰囲気が漂っていました。個人的な希望としては特にponanzaは対局相手である佐藤慎一四段に貸しておいていただきたいです。と言いますのもサトシン先生こと佐藤慎一四段は将棋界きっての文豪であり、そのブログは素晴らしいの一言です。ニコニコ動画にもギター片手に将棋解説者として登場したばかりのアーティスト肌。昨年は米長永世棋聖のインターネット日記のお蔭で、本番前から大いに楽しむことができました。サトシン先生もponanzaについて研究する様子を文学的につづってくださるはずなので、山本さんには是非貸出をご検討いただきたいというのが一ファンの心境です。記者発表後の更新内容もサトシン先生の秘められた熱い想いにあふれていますので是非ご一読ください(サトシンの将棋と私生活50-50日記(2012年12月15日更新分)・関連サイト)。

 伊藤さんは昨年、米長永世棋聖にコンピュータを事前に貸した張本人ですが、今年は貸出まではしたくないそうです。PVを見てお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、第一回電王戦を制し、伊藤さんはヒール役に磨きがかかってきましたね。私は伊藤さんも米長永世棋聖に負けず劣らずのエンターテイナーだとふんでいます。対局会場である将棋会館は、コンピュータ将棋にとって使用できる電力量との戦いも見どころです。第1回電王戦開催前に遠隔操作でもいいというお話が持ち上がったそうですが、伊藤さんは結局、マシンを将棋会館に持ち込みました。そのお蔭で我々取材陣はマシンを直に見学、撮影することができ、控室では常にコンピュータ側の形成判断が表示され大いに盛り上がりました。

 今回、GPS将棋は600台以上(!)のコンピュータを使うということでどうしても遠隔操作とのことですが、このあたりは規定を定められないものでしょうか。最終戦だけコンピュータが会場にないというのはやはり寂しいですし、電力量や機材の大きさに制限がないというのはアンフェアすぎる気がします。だからこそ順位戦A級の三浦弘行八段の出番なのでしょうけれど、この点、今後のルール作りの課題でもあるかと……生意気言ってごめんなさい!

 記者発表後、船江恒平五段にお話をうかがうことができました。「今年は現役のプロ棋士がコンピュータと対局ということで、通常の対局スケジュールに配慮はあるのか」という、これまたナーバスな質問をしてしまいました。すると、「通常の対局もたくさんあった方がコンディションを整えやすいので大丈夫です」というとても前向きなお返事。実際は将棋連盟に何かお考えがあるのかもしれませんが、記者発表同様、どこまでも好青年な船江五段でありました。第2回電王戦、今からとても楽しみです!

第2回電王戦発表会

■山崎バニラさんの告知
『山崎バニラの活弁大絵巻~お茶目な国策映画特集!~』
●2013年2月3日(日)14:00開演
●主催・会場:全労済ホール/スペース・ゼロ(新宿駅から徒歩5分)
●全席指定 前売・当日とも2800円
チケット発売中

■第2回 将棋電王戦 概要
●日時:2013年3月23日・30日、4月6日・13日・20日
     各土曜日の午前10時より対局開始
●会場:対局場・東京将棋会館(一般観覧不可)
     大盤解説会場:ニコニコ本社
     (一般観覧可/東京都渋谷区神宮前1-15-2)
     ※大盤解説棋士および一般観覧方法については
     下記の生放送番組ページに随時掲載
●番組URL:第1局(2013年3月23日)
      第2局(2013年3月30日)
      第3局(2013年4月6日)
      第4局(2013年4月13日)
      第5局(2013年4月20日)
●ルール:持ち時間・・・各4時間(1分未満切り捨て)
     先手番・・・第1局 阿部光瑠四段
    (2局目以降は先手番・後手番が交替)
     対局場での使用電力・・・2800Wまで
    (対局場以外の外部との接続によるネットワーク使用は可)
     千日手や持将棋になった場合は時間によって、引き分けとなる。

■関連サイト
公益社団法人 日本将棋連盟
将棋電王戦の公式ホームページ

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