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電王戦対決中!! 序盤は米長永世棋聖が有利か? 戦いの行方はニコ生を見よ!!

2012年01月14日 16時41分更新

 米長永世棋聖vs.ボンクラーズの将棋対局『電王戦』は、ボンクラーズの先手▲7六歩から始まった。特別対局室には、椅子とテーブルが持ち込まれ、米長永世棋聖と中村太地五段が実際に対局しているかのように向かい合い、記録係がボンクラーズが指す手を発表して、中村五段が実際に指すかたちをとられている。
 これに対し、米長永世棋聖はプレ対戦と同じ手△6二玉できた。インタビューでも、プレ対戦後のお話でも指さないとおっしゃっていたのだが、かなり練られた作戦なのだろう。解説の渡辺竜王も「理論的な攻めですね」とおっしゃっていたが、その後は前回の失敗を教訓にしたのか、手堅い指し手で昼食前の段階ではまだ勝負の行方はわからない。
 

電王戦決戦
米長永世棋聖の向かいには中村太地五段が座った。
電王戦決戦
ボンクラーズの開発者伊藤氏も特別対局室の中からボンクラーズへ指示を出す。
電王戦決戦
新橋SL前広場でも大盤解説が行われている。
電王戦決戦
ニコニコ本社では、渡辺竜王による大盤解説が。

 昼食休憩の段階で、渡辺竜王にお話を伺った。聞き手は山崎バニラさん。

電王戦決戦

山崎 序盤をご覧になっていかがですか?
渡辺 そうですね、米長先生の予定通りの進行なんですが、予定よりもうまくいっているなという感じなので。
山崎 何かアドバイスされたのですか?
渡辺 いや、何もしていないです。米長先生はかなり周到に作戦を練られていたようですので。
山崎 そうなんですか。いちばんコンピューターっぽい指し手というのは?
渡辺 今のところは、コンピューターの真骨頂という手はまだでていないのですが、午後にかけてそのような手が出るのか、それとも出ずに終わるのか。前半はかなりコンピューターのほうが苦戦しているのではないかと思います。
山崎 どちらかといえば米長先生のほうが有利という感じですか?
渡辺 うーん、まぁ簡単ではないですけどね。これから正しい手をずっと続けていかなければならないですから。
山崎 でもやはり持ちたいのは米長先生のほうですか?
渡辺 そうですね。ただ、棋譜の違いがあるので、私の場合はあのような将棋は指しませんので。
山崎 やはり△6二玉は指さないと。
渡辺 いや、あのような抑え込みの将棋は苦手なので、あの手は米長先生だからさせているというところもあります。指しこなすには非常に難しい指し方をされていると思います。
山崎 そうするとすでに泥沼流が出ていると。
渡辺 そうですね、同じプロでもなかなか真似のできないと思います。
山崎 それは米長先生は喜びますね(笑)。
渡辺 時代の違いで、将棋そのものの違いもあるのですが、その中でも米長先生は独特な差し回しをされる方なので。
山崎 初手はどう思われましたか?
渡辺 事前にそれを聞いたときはびっくりしました。もう一度やるのかと。プレ対戦のときその手を指したのは、余興的にやっていらっしゃるのかと思っていましたが、実際には用意されてた作戦だったので、いまのところ、その作戦通りに進んでますね。
山崎 もし今度、コンピューターと対戦することになったらどうされますか?
渡辺 順番として私の番になったらしょうがないです。ただ、人とやるのとではぜんぜん違うので、準備が求められるのでふだんのタイトル戦と並行してやるのは厳しいですね。1ヵ月ぐらいは人との対局を休んで準備しなければならないでしょう。第2回の船江四段もそういうことになると思いますが、並行してやるのは難しいと思います。
山崎 さっき控え室で伺ったらぜんぜん大丈夫だとおっしゃってましたが。
渡辺 だめだめだめ(笑)、知らないんだと思います。コンピューター将棋の強さを。作戦が違いますから。

電王戦決戦

 午後に入り、一時千日手の心配をしたが、その心配もなくなり人間どうしだったら、後手有利だといわれているが、ボンクラーズの評価的には自身が有利に傾きつつあるようだ。勝敗の行方は夕方以降の予定だ。

■関連サイト
日本将棋連盟
将棋倶楽部24
『米長邦雄永世棋聖 vs ボンクラーズ』 将棋電王戦公式サイト
1月14日の生中継サイト

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