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PC MODカルチャー復活の兆しを感じる一作

Steamおすすめゲーム「Dota Auto Chess」運と思考の果てにある自身への勝利のストラテジー

2019年06月28日 18時00分更新

 MOBAというジャンルはかなりの後付けで付けられた名前である。フルネームで言えばMultiplayer Online Battle Arena(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)といい、こちらの名前で呼ばれるよりもゲーム名で言われることの方が多いだろう。ゲームの起こりを説明すると非常に長いのでざっと省略してしまうが、元々はユーザー作成のMODから生まれたゲームジャンルである。Dota2以外ならLeague of Legends、スマホならVaingloryなどもあるが、現在でも人が多いのはLoLとDota2くらいなものだろう。

 第99回はDota2ではなく、そこから生まれた別のゲームで、現在ストリーマーが取り上げたことで認知が高まった「Dota Auto Chess」を紹介しよう。

 「Dota Auto Chess」はDota2のゲーム内メニュー、もしくはワークショップからインストールすることでプレイ可能だ。そのため、Dota 2をインストールすることが必須となる。

ゲーム内からインストールする場合は上部アーケードからライブラリへ進み「Dota Auto Chess」を選びインストールをクリックするだけだ。

 本MODは日本語もサポートされており日本語で不自由なくプレイ可能だ。操作はキーボードとマウスのみとなるが、Dota 2と違い状況に応じて操作をせわしなく使い分けるは必要はないためMOBAが苦手なプレイヤーでも大丈夫だ。

DotaでありDotaではない戦略バトル

 Dotaは3つのレーンで構成されたマップで、5v5で分かれたキャラクター同士で決着を付けるゲームである。非常にざっくりと簡潔に書くとそんな感じだが、1ゲームで平均30分以上を余裕で食い潰すため、ハマってしまうと睡眠時間が恐ろしい勢いでなくなるゲームでもある。ゲームの特性上どうしても人を選んでしまうのがDotaであり、MOBAである。余談だが、元々Dotaが誕生したのも同じ人を選ぶRTSである「War Craft 3」がキッカケである。

 そんな経緯もあってか知らずか「Auto Chess」も例に漏れず最大8人での対決あることは変わりはないが、ベースとなったDotaと大きく違うのは完全に自分との戦いで完結する点にある。誰かに迷惑をかけるとかそういったこととは無縁なのも本MODの魅力といっても良い。

 インストールした後は右下の"PLAY DOTA AUTO CHESS”を押すことでオートマッチングで始めることが可能だが、まずはカスタムロビーを作成し、自分一人だけである程度流れを覚えると良いだろう。ゲームを開始をクリックすることで一人でもCPU戦を行える。

 一応チュートリアルもあるにはあるのだが、一先ず遊べる程度のチュートリアルであり細かい内容は一切書かれていない。上記画像が基本操作であり、下記で順を追って紹介しよう。

 ゲームを開始すると必ず駒を買うところから始まる。コマがなければ何もできないし、逆にコマをおけば、最初は絶対に負けない。買うために必要なお金は一戦毎に補充され、所持金や連勝に応じて若干可変がある。また、コマを買うことでデッキに入り、最大8体のコマをプールできる。

同じコマを盤面かデッキで三体そろえることでコマを強化でき、攻撃力やスキルの性能が大幅に上昇する。

 ゲームは準備フェーズと戦闘フェーズに分かれており、準備フェーズで駒の設置や購入、戦闘フェーズにて実際に戦闘となるが、あとは自動で決着まで進むためただ眺めるだけである。このやりとりを何度も繰り返し最終的に残ったプレイヤーが勝利となる。

ユニットを全て失った場合は相手の残ったコマ数に応じたダメージを受ける。HPが0になればゲームオーバーだ。

 上記までの流れの後、最初の数ラウンドはクリープと呼ばれる雑魚CPUとの勝負になる。クリープはランダムでアイテムを落とすことがあり、アイテムをコマに持たせることでコマを強化することが可能だ。アイテムはプレイヤーコマであるクーリエで拾うことでインベントリに最大9個まで貯蓄でき、インベントリからコマにドラッグすることでアイテムを渡すことが可能だ。だが、一度渡してしまうとアイテムを渡し直せないので注意だ。

 また、各種コマには”ゴブリン”や”トロル”といった種族特性、"ウォリアー”や”メイジ”といったクラス特性があり、それらを組み合わせることで効果が発揮される。序盤は"ゴブリン”や"メカ"が組みやすくわかりやすい強さなのでオススメだ。今現在組み合わさっている数は画像の囲った部分で常に確認できるため、自身の戦略にあった組み合わせを模索しよう。

 だが、各種コマは個数の上限があり、8人で個数も共有される。わかりやすい効果はその分強化するための上限に限りがあるため、後半では頭打ちになる可能性もある。

プレイから終わりまで、一貫して遊びやすく

 賞金付きの大会も行われるほど本記事の執筆段階では盛り上がっており、世界中に数多くのプレイヤーが存在し、マッチングも非常に早く成立する。独特なルールや仕様こそ多い物の、そこはゲームを数多く遊ぶことで自然と覚えていくだろう。その点においては実際のDota 2や他のMOBAとも同一の部分でもある。

ゲームが終われば左上のメニューから戻ることでゲームの退出も自由に行える。

 現在はモバイル版も公開されており、iPhone/Android共にプレイ可能となっている。むしろ、それどころかDota2公式大会のチケットを購入したユーザーであれば「Dota Underload」というValve公式のオートチェスも先行でプレイ可能になっている。ただし、Valve公式版は本家オートチェスとはアイテム仕様などが違うので別物となっている。そのためというわけではないが、Dota2のプレイ特典に興味が無いのであればオートチェスのためだけに公式大会チケットでもある「Battlepass」を買うのは非常に勿体ないので正式公開を待った方がいいだろう。

 Dota2でも眠れない日々を過ごしたユーザーにとってはAuto Chessでも眠れない日々が訪れるかもしれない。是非体調に気をつけてプレイしていただきたいところである。

「Dota Auto Chess」の推奨動作環境は?

 ユーザーMODのため、Dota 2本体の動作に必要な最低動作環境の要件を見ると、2.8GHz以上のデュアルコア以上のCPUと、Ge force 8800GT以上とかなり旧世代のスペックになっている、 ある程度Windowsが安定して動く環境があれば問題はないと思われるがCPU内蔵型のグラフィックでは若干厳しいだろう。近年のミドルクラスGPUを搭載していれば余裕だ。

 ただし、画像にもあるようにMODでは64bit環境化でのプレイを推奨している。

「Dota 2」
Steam ワークショップ「Dota Auto Chess」
●Valve
●Cutey Pucky Nat Mouse Toto
●無料(2019年1月4日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows MacOS Linux
ジャンル 無料プレイ、MOBA、マルチプレイヤー、eスポーツ、ストラテジー

■著者:rate-dat
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: ratedat
・Twitter:@rate_dat

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