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筆者的Bitsummit注目作

Steamおすすめゲーム「Bloodstained: Ritual of the Night」最高峰レベルのメトロイドヴァニアへのIGAVANIAという回答

2019年08月30日 18時00分更新

 Metoroidvania(メトロイドヴァニア)というジャンルは元々造語で、任天堂のメトロイドのような探索要素に、Castlevaniaという悪魔城ドラキュアの海外版のタイトルを組み合わせた物である。造語の元になった「悪魔城ドラキュラ 月下の夜想曲」は既に数十年前の作品ではあるが未だにファンも多い名作の一つである。その作品のプロデューサーでもある五十嵐孝司氏(IGA氏)は以降のシリーズほぼ全てに関わっており氏の作品はIGAVANIAと呼ばれ差別化されて呼ばれる場合もある。また、関わった作品は現在でもプレミア価格のタイトルばかりである。

 102回目はそんな氏の独立一作目「Bloodstained: Ritual of the Night」を紹介する。

 本作品は日本語に対応している。細かい操作などは後述するが、アクションゲームであるため細かい操作が可能なコントローラーを推奨する。

悪魔の力を使い騒動を終わらせろ。

 17世紀後半、錬金術師たちは富裕層を巡る教会との利権争いの結果、悪魔召喚の生け贄となる悪魔の力と同調できる”シャードリンカー”とよばれる特殊な結晶を埋め込まれた人間を作り出した。その結果イギリスの一部の都市で悪魔が出現し、人々は混乱に陥る。教会により騒動は収まるが、その10年後再び悪魔が現出する。前回の騒動で唯一生き残ったシャードリンカーの一人でもある主人公”ミリアム”はかつての友"ジーベル”がその原因だと知り、彼を止めるため現地へ赴く、というのが簡単なストーリーとなっている。

ゲームは現地へと向かう船上から開始する。チュートリアルを兼ねた最初のステージでもあるので、まずはここで操作に慣れよう。

 左アナログスティック、もしくは十字キーで移動となる。オブジェクト(宝箱や人物)に対しては上キーを入力することで、それぞれの対応動作を行う。また、Aボタンでジャンプ・Xボタンで通常攻撃となっている。また、画面上に点在する照明はほぼ全て壊すことができるオブジェクトとなっており、壊すことでお金やMP回復アイテムのマナローズをドロップする。

装備している武器により、攻撃方法は変化する。素手・剣・鞭・銃など幅広い種類がある。敵の弱点に合わせたり、使いやすい武器を探ってみよう。

 悪魔を倒すことで情報は自動で記録され、常にメニューから情報を見ることも可能だ。また、敵からは低確率で出現するシャードと呼ばれる悪魔の力を取り込むことで自身の力にすることができる。シャードの色により効果は違うが、ストーリーを進める上で必須のシャードもあるため目的のシャードを探す必要もある。

シャードを取り込んだ際は専用の演出が発生する。初めて取り込んだシャードは説明も出るので安心だ。

 シャードには5種類あり、Yキーで放つトリガーシャード、右アナログスティックで方向を指定してからRトリガーで放つディレクショナルシャード、自身に対して発動するタイプのRボタンのエフェクティブシャードに分かれている。残り二つは常に発動し、探索のプラスになる効果となる。どういった物があるかはゲーム中で実際に確かめてみて欲しい。

スタートボタンを押すことでアーカイブも確認できる。敵のドロップなども逆引きできるため頻繁に確認することになるだろう。

 そしてゲームを進めることでクラフトとショップが使用可能になる。クラフトではアイテムの他に料理やシャードも強化することができ、ゲームクリアのためにはほぼ必須といえる要素になっている。素材は簡単に手に入る物からレア素材まで幅広くあり、城内を駆け回ることになる。一切クラフトせずにクリアできないわけではないが難易度はかなり上がってしまうだろう。

道中にはボスとの戦闘など、避けて通れない場所もある。倒すための試行錯誤もまた面白さの一つだ。

 というのも、本作品は死んだ場合にはセーブデータからのスタートとなってしまうためだ。セーブポイントではHP、シャードを使用するためのMPも完全回復が可能で何度でも使用できる。その反面、道中で死んでしまった場合はそこまでの成果は何も保存されない。そのためセーブはしっかりしておこう。

全ての拠点となるアーヴァント村ではクエストを請け負える。条件を達成することでアイテムが手に入る。

IGAVANIAという答え

 要素が非常に多く、文字数の関係上紹介ができていない部分も非常に多い。装備を変更することでミリアムの見た目も変えることができるし、オブジェクトによってはゲームに影響しない特殊な行動を行えたりと遊べる要素が満載である。メトロイドヴァニアと呼ばれる所以となった元作品のセルフオマージュともいえる本作品は正当な精神的後継作といっても過言ではない。

BGMにも山根ミチル氏を始め氏の作品に関わった人物も数多くおり、音楽も作品と見事に調和している。

 練られたバランス感覚に夢中になるドロップ確率など、全てが最高水準でまとまっている。氏が関わった最後の本流作品から長い期間音沙汰がなく、同ジャンルの作品は沢山発売されてはいたが、ジャンル名の元となったIGA氏の答えが本作品であり、IGAVANIAそのものの模範解答といえるだろう。

 また、Kickstarterのストレッチゴールでもある「Bloodstained: Curse of the Moon」も発売されており、こちらは本編の前日譚となっている。プレイしなくても問題はないが興味があるなら、こちらもアクションゲームとして非常にオススメだ。

 Kickstarterのゴールから4年、その年月を待った甲斐はあった。メトロイドヴァニアーーいやIGAVANIAと呼ぶべき最高の模範回答をプレイするべきだろう。

「Bloodstained: Ritual of the Night」の推奨動作環境は?

 最低動作環境のグラフィックの要件がGeForce GTX760以上となっており、CPU内蔵GPUでは厳しい。快適にプレイするなら、少なくともミドルクラス程度の余裕は欲しいところだ。

 また、説明がないためここで補足するがバッカーIDを入力する際はFangamerから届いているメールに付属している”#”から始まる英数字を#を含めて入力しよう。

「Bloodstained: Ritual of the Night」
●505 Games/ArtPlay
●5480円(2019年6月18日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows
ジャンル メトロイドヴァニア、RPG、女性主人公、2.5D、横スクロール

Developed by Artplay, Inc. Published by 505 Games S.p.A. "505 Games" and the 505 Games logo are all trademarks and/or registered trademarks of 505 Games S.p.A. All rights reserved. "ArtPlay, Inc." and the ArtPlay logo are all trademarks of ArtPlay, Inc. All rights reserved.

■著者:rate-dat
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: ratedat
・Twitter:@rate_dat

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