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キャッシュレス決済はなぜ「ビジネスチャンス」なのか

2019年02月25日 07時00分更新

 3月22日、オールジャンルのXTech展示カンファレンス「JAPAN INNOVATION DAY 2019 by ASCII STARTUP」が開催される。IoT・ハードウェア、AIやフィンテックやヘルステック、スポーツテック、働き方に関連するビジネスSaaSなど幅広い展示を用意。中でも注目は、キャッシュレスをテーマにした経産省によるセッションだ。

 これに関して、ジャーナリストの西田宗千佳氏によるキャッシュレスについての特別寄稿をお届けする。変わりゆく国内キャッシュレスの現在がどうなっているのか、そして国はそれをどのように見ているのか、本記事をヒントに3月22日開催のセッションにぜひ臨んでもらいたい。

 国内ではキャッシュレス決済を巡る動きが激しい。12月には、ソフトバンクグループの「PayPay」が100億円分還元をうたう大規模キャンペーンを展開、不正利用のニュースもふくめ、大きな話題となった。銀行業への参入を発表したLINEも「LINE Pay」で利用促進キャンペーンを行なっている。既存銀行の参入も続々と続き、当面話題はつきそうにない。

2月12日からは、「PayPay」の大規模キャンペーン第2弾が始まっている

 一方、これだけキャッシュレス決済、特にバーコードを使った決済が増える理由は、今ひとつ見えづらい状況にある。先行する海外勢を追いかけて……という見方もあるが、国内市場中心の決済で、海外を必要以上に意識する必要はない。

 現在キャッシュレス決済が注目されているのは、日本における「決済とそれに付随するビジネス」に変化をもたらす可能性が高いからである。日常的なものだけに、それが影響する事業者も多い。

個人商店に根強く残る「現金主義」

 そもそも日本は、個人消費における現金決済の比率が高い国のひとつである。個人レベルで「現金決済で困っているのか」といえばそうではないだろう。だが、今後もそれでいいのか、というとそうではない。

 日本は現金支払いの国ではあるが、ことコンビニや大手家電店、飲食チェーンなどの大規模店舗に関していえば、特に現金偏重というわけはない。クレジットカードやSuicaに代表される交通系ICカードの導入も進んでいるし、バーコード決済も順調に採用が進んでいる。これらの企業の場合、キャッシュレス導入に対するハードルは主に「機器導入のタイミング」であり、コストではない。数年に一度やってくる機器更新に合わせて導入することで、若干のタイムラグはあっても、新しい決済手段を導入するのは難しくない。

 一方、問題が多いのは小規模店舗や飲食店を中心とした個人経営の店舗だ。こうした業種では、運営資金に余裕を持たせるのがなかなか難しい。よほどのメリットがないと、機材の入れ替え費用は出せない。

 そもそも、クレジットカードに代表されるキャッシュレス決済では、売り上げが店舗に入金されるまで時間がかかることが多かった。それでいて、売り上げの数%が決済手数料として取られる。現金商売であれば売り上げをすぐ手にできて、決済手数料も発生しない。小規模な店舗では、決済手段が限られることで顧客が逃げることより、「現金で着実な商売」であることの方が重要だったのだ。

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