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7年たっても7万人が熱狂 絶対遊んでおきたい無料FPS 『Team Fortress 2』:Steam

2014年01月24日 20時30分更新

 PCゲームのダウンロード販売サイト『Steam』のゲームレビュー連載、第3回目はSteamを運営するValve Software社が発売しているFPS、『Team Fortress 2』を紹介する。FPSといえば『バトルフィールド 4』や『コール オブ デューティ ゴースト』、『Alliance of Valiant Arms』といった“ガチ系FPS”を思い浮かべるかもしれないが、Team Fortress 2は言うなれば“ワイワイ系”。ガチ系に疲れたFPSゲーマーにも遊んで欲しいカジュアルなタイトルだ。しかもなんとこのゲーム、無料でしかも日本語で遊べちまうんだ!

『Team Fortress 2』
●Valve
Steam販売ページ(関連サイト)

『Team Fortress 2』:Steam
『Team Fortress 2』:Steam

 Team Fortress 2は、カートゥーン調のコミカルなグラフィックで“ドンパチ”するFPSだ。リリースは2007年10月10日と約7年の歴史があるが、いまだに根強い人気を誇っている。アップデートが続けられているのも、その理由のひとつになるだろう。つまり、リリースされたのはたしかに古いかもしれないが中身は最新作というワケ。そして、何よりも遊んでいる人が大勢いる。これがデカい。「ちょっと遊びたいなー」と思ってサーバーを覗けば、そこには同じように暇した遊び相手がいっぱいいるのだ。

 Steamの“Game and Player Statistics”(関連ページ)によると、記事執筆時点でもピーク時には7万人前後がプレイしている。いつでも対人プレイが楽しめるFPSには、いつでも多くの人が集まってくるものである。

それぞれ違う9種類のクラス(兵科)
 ゲームサーバーに入ると、まずはクラスを選択することになる。普通のFPSだと狙撃兵、突撃兵、衛生兵、そして工兵といったところだが、Team Fortress 2にはなんと9種類ものクラスが存在する。しかも、それぞれ大きな特徴があるのだ。

『Team Fortress 2』:Steam

 HPは低いが足が超速いスカウト、高い攻撃力を持つソルジャー、相手を燃やすパイロ、なんでも爆弾で吹っ飛ばすデモマン、足は遅いが移動砲台になれるヘビー、セントリーガンなどを設置できるエンジニア、味方を回復できるメディック、遠くから狙撃できるスナイパー、敵に変身できるスパイの9種類だ。

 とはいえ、こんなにいっぺんに紹介されても分からないだろう。ボクも分からない。というより自分で紹介しておきながらいまだに使ったことがないクラスがある。とりあえず最初はソルジャーで始めるのがオススメだ。

『Team Fortress 2』:Steam

 ソルジャーはロケットランチャーをメイン武器に持つ突撃兵だ。何も考えず相手に突っ込んでただ死ねばいい。それでいい。そうやってゲームを覚えていけばいいのだ。とりあえず前線に突っ込んで、ただロケランをぶっ放していれば楽しい。Team Fortress 2はそういうゲームなのである。

カジュアルゲーマーよっといで!

 Team Fortress 2は、最近のFPSと違ってかなーりカジュアルだ。まずそれぞれのクラスがそれなりに高いHPを持っており、HPの低いクラスを使っていたり、スナイパーに頭を撃ち抜かれないかぎり一撃では死なない。「ヘルメットを被っていたけど即死だった」ということは起きないのだ。

『Team Fortress 2』:Steam

 死ななければ、そのぶんゲームを長くプレイできる。遊べる時間が多くなれば楽しいし、何よりゲームの流れを覚えることができる。プレイしているだけでゲームの知識が身につき、どんどん上達できるのだ。

 そしてもうひとつ、AIM力(敵に照準を合わせる力)がいらないのも大きい。もちろんあるにこしたことはないが、大まかに狙えればそれで十分だ。とくにソルジャーはロケランの爆風で敵を倒せてしまうので、初心者にうってつけだ。

 一撃で死ににくいし、撃っていれば敵も倒せる。Team Fortress 2はカジュアルゲーマー万歳のゲームなのだ。

ゲームモードも8つあるが、オススメはペイロード!

 さて、ではTeam Fortress 2でどんなドンパチをすれば良いかだが、このゲームには8つのゲームモードが存在する。「またか、多すぎるよ……」のため息は飲み込んでもらうとして、ここではオススメのゲームモードであるペイロードだけを紹介したい。日本のサーバーもだいたいペイロードが多い。

『Team Fortress 2』:Steam

 ペイロードは、攻撃側と防御側に分かれて戦うゲームモードだ。攻撃側は爆弾が搭載されたカートを敵陣まで運べば勝ち、防御側はそれを防げば勝ちだ。たまにどっちも攻撃側になっていて、どちらがカートを運ぶのが早いかを競うペイロードレースになることもあるが、ようはカートを押せばいいわけだ。

 カートを押す方法は、ただカートのそばにいるだけ。これだけで勝手にカートが進む。相手はカートを押されたくないから、必然的にカートのまわりはミサイルや爆弾が飛び交う激戦場になる。もちろん死にまくるぞ。

『Team Fortress 2』:Steam

 でも、死んでしまっていいのだ。何しろペイロードでは攻撃側が超有利。死んでもすぐに復活でき、自分を倒したにっくき相手に復讐してやることだってできる。ご丁寧にキルカメラシステムも搭載されているので、さっき自分を殺(ヤ)った相手が誰なのかも分かってしまう。

 ただまあ、あんまり敵を倒すのに夢中になるのは困りもの。Team Fortress 2のスコアーシステムはキルデス(倒した数と死んだ数)ではなくポイント制のため、チームに貢献した方がより多くのポイントが稼げ、それだけ勝利に貢献したことになる。

『Team Fortress 2』:Steam

 だから戦闘に夢中になるよりも、チームの勝利に力をそそごう。たとえ戦闘が弱くても、カートを押す、味方をアシストするといったサポートでポイントを稼げ、1位になることだって夢じゃない。デス数が増えていくと気になる人もいるだろうが、Team Fortress 2ならいくら死のうが関係ないのである。

なぜ無料で遊べるのか?

 最後に、気になる「なぜ無料で遊べるのか?」の質問に答えておこう。Team Fortress 2はもともと29.99ドルで販売されていたゲームパック『Orange Box』(※)に入っていた“有料のゲーム”で、その後単品で19.99ドルで販売された。

(※)Valve社が発売しているゲームをいくつか詰め合わせたゲームパッケージ。リリースされたゲームが詰め込まれていくので、基本的にあとで買えば買うほどお得。

 しかし、2011年6月24日のアップデートで基本プレイが無料化された。と言ってもよくある基本プレイ料金が無料でアイテム課金制のゲームのように、強くなるためにお金は必要ではない。“Pay to Win”商法とは違い、お金でそんなに差はつかない。買えるものは時間とアバターと鍵の3つしかない。

 時間の説明はちょっとややこしいが、Team Fortress 2ではゲームを遊んでいると武器が貰える仕組みになっている。もちろん無料だ。その武器を買うのだ。貰えるまで待てない人は買うのである。日本円で100円とか200円を払って。これがひとつ目だ。

 ふたつ目はアバター、いわゆる見た目だ。レアな帽子や服を買ってほかのプレイヤーに見せびらかすのだ。それだけ。強さは全く変化しない。

 最後の鍵もアバターとほぼ変わらない。Team Fortress 2では武器や帽子の入った物資箱というアイテムが手に入るが、これを開けるために鍵が必要になる。

『Team Fortress 2』:Steam

 物資箱のなかの武器や帽子はレアではあるものの、無料で手に入る武器と強さは変わらない。ただ、倒した相手の画面に「俺こんなレア武器使ってるんだぜ!」と表示させたり、攻撃エフェクトが違ったりするだけだ。帽子も見た目が変わるだけである。ちなみに鍵は1個2.49ドルだ。ようするに物資箱からレア装備を手に入れるために250円(1ドル=100円換算)必要なわけだ。

『Team Fortress 2』:Steam

 ただ、さきほど書いた通り物資箱以外からも武器が手に入るので、そちらを使うのであれば課金は必要ない。また、無料で手に入れたが必要のない装備品やアイテムをほかのユーザーに売ることもできる。もちろんリアルマネーで。それらを売ったお金で鍵を買う、という手もアリだろう。

 ちなみに、このユーザー同士の売買には手数料が発生し、Valveはそこから15%の手数料を取っている。と言っても箱は1つ30円だったりするので手数料自体は2円。販売者の懐には28円が入る。しかしチリも積もればなんとやらであり、Valveはここからも利益をあげている。もちろん、ほかのゲームを販売することで得ている利益もある。

 以上が、無料でプレイできる理由だ。ちなみにボクはいまだにTeam Fortress 2でお金を使ったことがない。使わないようにしているわけではなく、デフォルトの武器で十分に戦え、さらに物資箱以外から手に入る武器で満足できているからだ。

『Team Fortress 2』:Steam

 他人に見せびらかすだけのレア武器が欲しいの?と聞かれれば欲しいが、そこまで熱中してプレイしているわけでもないので、今の無料プレイで十分である――と言ってもボクはOrange Box時代に買ったわけだが。

 なお、今から始める新規ユーザーはフリーアカウント扱いとなり、特定の装備などが手に入らないので鍵を1個買うなどしてプレミアムアカウントにグレードアップしておくことをオススメしたい。

 「無料です(キリッ)」とは言えなくなるが、わずか2.49ドルを一度払うだけでプレミアムアカウントになるのだから安い物だろう。最近はクレジットカードがなくてもSteamにお金を払える『PRO スチーマー』というサービスもあるし、クレカがなくてもゲームが楽しめるぞ!

 「Steamでどのゲームを買おうか……」と悩んでいるぐらいならとりあえずTeam Fortress 2を遊んでみよう。一度Steamをインストールしてしまえばもうこっちのもの。サマーセール、ホリデーセールで積みゲーを買い漁っている姿が目に浮かぶわ。うわーははははは。

Project Zomboid

Team Fortress 2
●Valve
●無料(2007年10月10日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows、Mac
ジャンル アクション、無料プレイ

●著者
篠原 修司
Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: KiDD
個人ブログ:デジタルマガジン

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