ニコニコ超会議 超まとめ

0からQへ、電子書籍、超会議2　盛りだくさんniconicoの発表会まとめ

　niconicoが10月18日、東京の六本木にある関連施設“ニコファーレ”にプレスとユーザーを集めて新サービス発表会を開催。インターネットでも生中継して、多くのコメントを集めていた。既報のとおり、映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版：Q』とのコラボや、電子書籍ストアの開始といったなど、盛りだくさんだったその内容をおさらいしよう。

■新バージョンは“Q”　理由は「あくまでゼロに毛が生えた程度」
　目玉となったのは、niconicoがアップデートして新バージョン“Q”になったということ。2006年末に始まった最初の“（仮）”から数えて、12番目のバージョンアップだ。

　直前のバージョン“Zero”から約5ヵ月という早足での更新となったが、その理由はユーザーの反発にある。Zeroでは、原点回帰をテーマに以前のバージョンである“（原宿）”から画面構成を“Zero Watch”へ大幅に変えた。しかし、動作がもっさりしていたり、コメントの入力欄が動画の上に表示されて、今観ている動画とそのコメントが隠れてしまうという点などが、一部のユーザーから不評を買っていた。

　ドワンゴ側もそれを知ってか、当初から“（原宿）”バージョンに戻せるようにしたり、細かい改良を加えてきたが、最終的にユーザーの声を尊重して新バージョンの“QWatch”を作成。「あくまでゼロに毛が生えた程度」の改修なので“Q”と名付けたそうだ。

↑ニコ動の発表会といえば、大げさに演出された紹介ムービーがつきもの。今回もバージョンアップの理由がドラマチックに語られていた。その中で、ドワンゴ会長の川上量生氏は「ZERO Watchに批判の声があるとしたら僕の責任です」と発言。

↑しかし、返す刀で「でもそういうものをつくったのは、まぁ（ZeroWatchのディレクターである）志賀君ですよね。いいこともあったし悪いこともあった。どういう風に受け止めて成長できるかが志賀君の課題じゃないですかね」とバッサリ。これには画像の志賀氏も「ええっと、そうですね……。そうなりますか（笑）」と苦笑していた。

↑ドワンゴの夏野剛取締役（左）と川上会長。川上会長が「コメント入力欄も下に戻しました」と話すと、夏野氏は「評判、めちゃめちゃ悪かったからね」とつっこむ。

↑動画の“ニコニコ動画：Q”では、視聴画面の体感速度が向上。動画の表示サイズも大画面/中画面と選べる。コメント入力欄は、標準で動画下に表示されるようになった。動画の視聴履歴が、パソコンやスマートフォンなど、複数端末で引き継がれる新機能も。

↑生放送も“ニコニコ生放送：Q”としてアップデート。配信する番組が増えたため縦長になっていたトップページを見直し、現在/過去/未来の番組が直感的にわかるように整理した。タイムシフトで視聴予約した番組をリアルタイムで通知する機能も加わる。

↑ユーザー生放送の配信ツールもアップデートし、16：9での配信が可能なβ版を提供する。

↑そしてヱヴァとのコラボだ。エヴァをイメージした外観デザイン“ヱヴァンゲリヲン MODE”が選べるほか、映画の予告映像を公開したり、10月25日からと1月1日、2日にエヴァンゲリオンのテレビシリーズ全26話を生放送する。ポスター、シール、マグカップでコラボグッズも展開する。

↑主に企業が公式チャンネルとして使う“ニコニコチャンネル”に、“東映特撮ニコニコおふぃしゃる”が登場。『宇宙刑事ギャバン』や『仮面ライダーBLACK』、『忍者戦隊カクレンジャー』などのタイトルを有料/無料で配信している。

 

■電子書籍の有料配信スタート「ニコニコは本屋になろうと思う」
　イラストなどの静止画を扱う“ニコニコ静画”でも、新要素を発表した。電子書籍のプラットフォーム“ニコニコ静画（電子書籍）”では、基本的に無料コンテンツのみを配信してきたが、10月24日より課金システムを用意して有料コンテンツも始める。ニコニコ静画の担当、伴龍一郎氏は「ニコニコは本屋になろうと思う。僕は紙で買うのをやめようと思います。ここになければ営業に行って取ってくる」と意気込みを語っていた。

↑昨年から角川グループの電子書籍プラットフォーム“BOOK☆WALKER”と連動して電子書籍を販売していたが、集英社、講談社、小学館など124社の出版社とも提携して、パソコンとiOS向けに電子書籍の配信を始める。

↑蔵書点数は約3万冊で、マンガ、ライトノベル、写真集を用意。特にマンガに力を入れており、2011年におけるオリコンのコミックシリーズランキングで、上位25タイトル中、23タイトルは配信できるという。ちなみに「青空文庫や楽譜、Wikipediaは入っていません」とのこと。

↑パソコンで買う場合はニコニコポイントを使えば、iPhoneやiPadではアプリ内課金で“ニコ書券”を購入すれば、それぞれ電子書籍を入手できる。いったん買った書籍はクラウドを介して、複数端末で読むことが可能だ。

↑そのほか、電撃コミックジャパンとのコラボで展開していた“デジタルMANGA新人賞”の経過報告や、角川文庫とカバーイラストでコラボした書籍『少女地獄』が11月末に発売されることに触れていた。

 

■イベント関連も充実　ニコニコ超会議2のロゴが決まった
　niconicoはネット企業にはめずらしく、イベント関連にも力を入れている。今年だけでも、4月に幕張メッセを貸し切った“ニコニコ超会議”、その超会議の全国ツアー版である“ニコニコ町会議”、踊ってみたの祭典“ニコニコダンスマスター4”、ボーカロイド作曲者によるDJライブ“VocaNicoNight”などを実施してきた。今回は、学園祭とのコラボイベント“ニコニコ文化祭”や、来年4月27、28日に幕張メッセで開催する“ニコニコ超会議2”の詳細が明らかになった。

↑“ニコニコ文化祭ツアー2012”は、大学や高校、専門学校の文化祭とコラボするイベント。文化祭めぐりのほか、生徒や先生による学校自慢、先生（視聴者）に相談できる“ニコニコ先生相談室”といった企画を用意。ニコ動の有名ユーザーによる歌ってみた、踊ってみた、演奏してみた、描いてみたなどのコーナーも用意する。

↑現時点では10月27日、兵庫県神戸市にある専門学校アートカレッジ神戸と神戸動植物環境専門学校が共催する『海の手祭』、11月3日、福岡県北九州市にある北九州工業高等専門学校の『高専祭』にお邪魔する予定。メインMCは、ぽこたさん、ふでぱさん、Hamar＠キラーさん、ドグマ風見さんの4人だ。

↑マスコットキャラ“ニコニコ超会金２”のデザインが発表された。前売り1日券が1500円、当日1日券が2000円、前売りの2日間券が2500円というチケット価格も明らかになった。ちなみに前回は有料/無料ゾーンがあったが、2ではすべて有料ゾーンになる。

↑ニコニコ超会議2のロゴも決定。応募総数268件の中から4つを抽出して、生放送のアンケート機能でユーザーに投票してもらった結果、しろいゆきさんが描いた4番に決まった。

↑超会議と一緒に企画し、2日間で249名が出演した大規模なライブ“ニコニコ超パーティー”ももう一度開催予定。ただし、現時点ではやるということしか決まっていない。

■関連サイト
ニコニコ超会議2
ニコニコ文化祭ツアー2012
ニコニコ静画
ニコニコ静画　配信タイトルリスト（PDF版あり）
ニコニコ新バージョン発表会（ニコニコ生放送）