2012年09月14日07時00分

iPhone 5予約開始に沸く地球へ!HTV“こうのとり”3号機が再突入【追記あり】

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 7月21日に種子島宇宙センターから打ち上げられた宇宙ステーション補給機 HTV“こうのとり”3号機(HTV3)は、役目を終え、いよいよ国際宇宙ステーション(ISS)を離脱。みんながiPhone 5の予約でそわそわしている9月14日(金)14時24分ごろ、高度120kmで再突入を開始する。

HTV3
↑ISSに接近したHTV3のキャプチャー間近となる筑波宇宙センター HTV運用管制室。

※写真は打ち上げ後、キャプチャー時の管制室の様子。

 55日間に渡ってISSに物資を届けてきたHTV3。宇宙飛行士の生活物資のほか、8月6日からは船外実験用のポート共有実験装置(MCE)や、NASAのソフトウェア無線試験装置(SCAN Tesbed)を曝露パレットに載せて運搬し、ISS日本実験棟“きぼう”の外に取り付けるなど、着々とミッションをこなしてきた。運搬した物資の中には、“きぼう”のロボットアームを使って小型衛星を軌道に乗せる小型衛星放出機構のように、これからミッションが行なわれるものも(当初9月10日の放出を予定していたが延期中)。

 そんな大事な役割を終えたHTV3。すでにISSのロボットアームからは放出されており、14日の7時58分に第1回、9時29分に第2回、13時58分に第3回目の軌道離脱(マヌーバ)が完了する。地球再突入時にはJAXA 筑波宇宙センター運用管制室の様子と実況解説が、生中継される予定だ。iPhone 5の予約に走る人もそうでない人も、時間があればぜひ、HTV3の地球への帰還を見守ってあげよう。

 ちなみに今回、船内に搭載した再突入データ収集装置『i-Ball』が、高度や温度の情報、燃え尽きる様子の画像を取得する計画だ。56日に渡るミッションの締めくくりをi-Ballが撮影できれば、こちらの画像も同日深夜に公開される。

HTVこうのとり3号機
↑IHIエアロスペースとJAXAが共同研究した再突入データ取得器”i-BALL”。ライバルともいえる海外製の"REBR”と共に、HTV再突入時の機体のデータを集める。


 生放送は以下のサイトでチェック!

【パソコン向け中継サイト】
■JAXA 
宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)特設サイト

(9月14日午後1時45分~午後2時45分)

HTV3再突入

■SunsetStudio 
「こうのとり」3号機・大気圏再突入

(9月14日午後1時45分~午後2時45分)

■cavetube 
「こうのとり」3号機の大気圏再突入

(9月14日午後1時45分~午後2時45分)

■知多メディアスネットワーク 
「こうのとり」3号機の大気圏再突入

(9月14日午後1時45分~午後2時45分)


【スマホ向け中継サイト】
■上野原ブロードバンドコミュニケーションズ 
大気圏への再突入

(9月14日午後1時45分~午後2時45分)

■SmartLive(日本サイバーテック)
JAXA インターネットライブ がんばれ、こうのとり3号機!

(9月14日午後1時45分~午後2時45分)

 そのほか、JAXA 筑波宇宙センター、相模原キャンパスなどのJAXA施設、黒部市吉田科学館、なよろ市立天文台でパブリックビューイングが行なわれる(場所はすべてJAXA特設サイトで確認できる)。

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【追記】

 宇宙ステーション補給機こうのとり3号機(HTV3)は、14日午後、無事大気圏に再突入した。高度120kmの再突入は推定で午後2時27分ごろ。軌道離脱を行ったのはニュージーランド東側付近の上空。

 筑波宇宙センターの運用管制室では、14時10分ごろからHTV3の状態を確認する最後のコマンド送信が次々と行われ、「テレメトリ確認」、「コマンド送信……3、2、1」といったオペレーションが。再突入予定時刻の24分をやや過ぎ、27分にHTV3からの通信途絶をもって再突入と判断。31分ごろには内山崇リードフライトディレクタの確認があって、拍手とお祝いの声が沸いた。

HTV3再突入 HTV3再突入
↑再突入をむかえる、筑波宇宙センター運用管制室。 ↑突入直前、運用管制室の内山FD。ピンクのワイシャツは7月28日のHTV3キャプチャ時にも着ていた“勝負服”。

 管制室では、HTV2号機のリードフライトディレクタから、3号機の内山FDへお祝いの品が渡され、記念のケーキが差し入れられた。ケーキは、HTV3号機の姿を模したロールケーキに“お疲れ様でした”、“ゆっくり疲れを癒してください”の文字が添えられたもの。先ごろ出版されたHTV絵本『ぼくがHTVです ~宇宙船「こうのとり」のお話~』 のデザイン。いくつかオフノミナルの事態があったものの、再突入は予定の3分遅れで無事に完了し、すぐに再突入計画を作り直したチームの検討を内山FDがたたえる場面も。

HTV3再突入
↑お祝いで差し入れられたHTVケーキ。絵本の“こうのとり”君を模した手作りのもの。お腹にはちゃんと曝露部の穴が開いていたらしい。

 記者会見では、小鑓幸雄プロジェクトマネージャーから、「今回は、国産機器も積んでいることなどから重圧があった。リエントリーの計画外軌道など不具合もあったが、運用手順について勉強になった。3号機のミッションをもって『HTVの開発は終わり、定常運用に入る』と胸を張って言える」とのコメント。それにしても「ほっとした」というのが率直な感想だろう。

HTV3再突入 HTV3再突入
↑ISSからの分離時におきた計画外軌道について解説する小鑓PM。手にしているのは、HTV3を把持していたロボットアームの先端部(エンドエフェクタ)の模型。 ↑エンドエフェクタが回転=3本のワイヤーが締まる/緩める動作となるISSからの分離時に不具合があったのでは、とのことだが詳しくは解析中とのこと。

 さて、今回、燃え尽きるHTV3の画像や、GPS軌跡、温度などのデータを着々と送信する再突入データ収集機『i-Ball』(IHIエアロスペース製)が搭載されていたが、記者会見中に無事、チリ西方沖の南太平洋へと着水。イリジウム衛星を介してデータを送信しつつあることが確認された。

 HTVの着水予定区域は現在ニュージーランド東側からチリ西側の非常に広い範囲となっているが、今後、i-Ballのデータが解析できれば、着水範囲を特定することが可能になり、「日本の近海にでも可能になるかもしれない(小鑓PM)」とのことだ。

 以下は再突入データ収集機i-Ballが送信したHTV3の様子(JAXAで数多く公開中)。分離後のHTV3は照明設備を持たないが、再突入時の熱で発光しているのだという。

HTV3再突入 HTV3再突入
↑与圧部内カメラで撮影した船内ハッチ付近の様子(高度約80km付近)その1。 ↑カプセル後方カメラで撮影した「こうのとり」の一部(高度約70km地点)その1。
(C)AXA/IHIエアロスペース (C)AXA/IHIエアロスペース
HTV3再突入
↑カプセル後方カメラで撮影した「こうのとり」の一部(高度約70km地点)その2。
(C)AXA/IHIエアロスペース

 ISSでは、今後、HTV3が運んだ小型衛星放出機構の放出実施などが行なわれる予定だ。

(C)JAXA

■関連サイト
JAXA宇宙航空研究開発機構
宇宙ステーション・きぼう広報・情報センター「宇宙ステーション補給機(HTV)」

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