週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

2012年に宇宙で起きるできごとのまとめ

2012年01月10日 07時00分更新

 『はやぶさ2』(2014~2015年打ち上げ目標)の予算も無事に計上されたところで、2012年に宇宙で展開される主な予定のまとめです。今年もわくわくするような出来事が空のはるか上で起きますよ。

3月
●宇宙望遠鏡『NuSTAR』打ち上げ予定(NASA)

2012年宇宙の旅
↑長く伸展するマストをもつ独特の形状で、従来のX線望遠鏡の100倍の感度を実現するNASAの宇宙望遠鏡。人の目に匹敵する解像度をもち、超新星爆発やブラックホールの観測を行なう。
©NASA

4月~2013年3月予定
●HTV3号機“こうのとり”打ち上げ。ISSへ宇宙ロボットを運ぶ(JAXA)

2012年宇宙の旅
↑現在、ISSへ唯一、船内・船外物資を運べる“HTV こうのとり”の3号機。宇宙ロボット『REX-J』をはじめ、ISSの日本実験棟船外で実験を行なう機器(船外実験装置、船内物資、船内実験装置)などを運ぶ。
©JAXA  ※写真は2号機です。

--------------
○ところで“宇宙ロボット”ってなあに?○

 宇宙飛行士なみの器用な宇宙ロボットの実現へ

 これまでの宇宙ロボットというと、宇宙ステーションなどに取り付けられたクレーン型のロボットが中心だった。今後は、米国NASAや日本のJAXAでも宇宙飛行士に代わって、危険作業や長時間の作業を行う宇宙ロボットの実現に向け開発が進められている。JAXAの『REX-J』はテザー(ひも)で移動するロボットの実証実験を行なう。

日本の移動実験ロボ『REX-J』
2012年宇宙の旅
↑『REX-J』は伸展式アームとテザー(ひも)を使って移動する。将来的には、太陽発電衛星の建設などにも活躍しそう。
©JAXA
米国の人型ロボ『ロボノート2』
2012年宇宙の旅
↑ジェネラルモータ×NASA開発のヒューマノイドロボット(左)。2011年2月にすでにISSへ輸送され、宇宙で実証実験が行なわれた。工具を持って作業できるなど、繊細な手の動作が可能。現在は上半身のみ。
©NASA

--------------

5月
●米国の新中型ロケット“アンタレス”初登場予定(NASA)

2012年宇宙の旅
↑オービタルサイエンシズ社が開発した新型ロケット、『トーラスII』が、さそり座の一等星の名をとって“アンタレス”と命名された。ISSに物資を運ぶ役割を担うことになる。
©2012 Orbital Sciences Corporation.

5月21日(月/朝
●金環日食

2012年宇宙の旅
↑関東地方から九州の南部にかけて広範囲で、日食の周囲がリング状に光る現象が見られる。部分日食は全国で見られる予定だ。

6月~11月ごろまで
●宇宙飛行士 星出彰彦さん第32次/第33次ISS長期滞在予定
※終わりの時期は明確に決まっていない。

6月6日(水/朝7時半ごろ~13時半ごろ)
●金星の日面通過
※太陽面を金星が通過する現象で、次は105年後となる。

8月14日(火/3時前後)
●金星食

8月
●火星探査機“キュリオシティ”火星着陸予定(NASA)

2012年宇宙の旅
↑スピリットとオポチュニティに続く3代目の火星探査機“キュリオシティ”(2011年11月打ち上げ)が火星に到着。自力で火星表面のサンプルを採取して分析する機能を備え、火星で生命が存在した可能性を探査する。
©NASA

9月
●北極海航路情報用観測衛星“WNI衛星”始動予定(JAXA)

2012年宇宙の旅
↑温暖化により減少する北極海の氷を観測し、船の新航路開拓に活用したり、二酸化炭素の監視をするため、ウェザーニューズが打ち上げる超小型衛星。一辺27センチの立方体で、重量10キロ。可視・近赤外線カメラを搭載する。開発は日本発のベンチャー、アクセルスペースだ。
©ウェザーニューズ

10月
●民間宇宙旅行開始! “スペースポート・アメリカ”初フライト予定

“スペースポート・アメリカ”
2012年宇宙の旅
↑米国ニューメキシコ州に完成した民間宇宙基地“スペースポート アメリカ”からヴァージンギャラクティック社の宇宙旅行者向け弾道飛行スペースプレーンが運航を開始する。
©Virgin Galactic
2012年宇宙の旅
↑宇宙船『スペースシップツー』を、輸送用のジェット航空機『ホワイトナイトツー』中央に接続。上空約1万8000メートル上空で宇宙船を切り離してロケットエンジンに点火、高度約110kmの宇宙へ突入し、6分間無重力を体験できる。
©Virgin Galactic

12月
ふたご座流星群極大

2012年度内
●レーダー4号機の打ち上げ予定(JAXA)

●水循環観測衛星H-IIA21号機 GCOM-1“しずく”打ち上げ予定(JAXA)

●ロシアが35年ぶりの月探査再開
 2015年に無人で基地を建設するための月探査計画が再開。“ルナ・グローブ2”が月の南極に着陸する予定。

●世界共同プロジェクトの望遠鏡ALMAが本格始動
 

2012年宇宙の旅
↑チリの標高5000メートルに建設した世界最大の電波望遠鏡が本格始動。視力はハッブル宇宙望遠鏡の10倍。
©NASA

※この記事は週刊アスキー1月25日号(1月10日発売)の特集から一部抜粋して掲載しております。

■関連サイト
JAXA|宇宙航空研究開発機構
NASA
NuSTAR
JAXA REXJプロジェクト
Antares Home Page
Robonaut2
WNI衛星プロジェクト
スペースポート・アメリカ(Spaceport America)
ALMA(国立天文台)
ALMA Opens Its Eyes(動画)

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります