COMPUTEXの裏側で起きていたこと
サーバー向けCPUの需要激増で売上と株価を大きく伸ばすIntelとAMD その理由はエージェントAIの急速な普及
2026年06月25日 09時00分更新
では、なぜサーバー向けCPUの重要が猛烈に増えたのか
これはエージェントAIが急速に普及したことが原因
さて、では「何で急にこんなことになったのか?」という話だが、これはエージェントAIが急速に普及してきたことに起因する。これはたとえばChatGPTを考えて頂ければわかりやすい。昔のChatGPTはユーザーからのプロンプト入力に応じて、その都度答えを返すだけのものだった。
ところが現在はプロンプト入力をいきなりAIが処理するのではなく、まずエージェントと呼ばれるものが裏で動き、このエージェントがプロンプトを受け取ってAIに処理をさせる格好になっている。
この結果として、たとえばこれまでならGPU2~8つに対してCPUが1つ(たとえばRubin-Blackwellなら2GPUだが、Blackwellは各々2つのダイから構成されるから、ダイの数で比較するとRubin:Blackwellは1:4になる)という構成だったのが、今後はCPU:GPUの数が1:1になる方向に進む、というのがCPUベンダー各社の予想である。
月9日のInteropの基調講演でAMDのDerek Dicker氏(Corporate VP, Enterprise Business Group)が示したスライド。今までは1:4程度が一般的だったが、今後は1:1になるとしている。この1:4から1:1に推移するというロードマップは各社大体同じである
これは要するに、単純に言っても従来のAIデータセンター向けのCPUの需要が4倍に膨れ上がるという話であり、今年に入ってのIntelやAMDのデータセンター向けの売上の好調さはこのCPUの需要に支えられている訳だ。
コア数が多くて、高価&儲かるサーバー向けCPUが売れている
ArmやNVIDIA、クアルコム、富士通、MediaTekもその市場を狙う
しかも単にCPUが入っていれば良いという話ではなく、多数のエージェントからの要求を効率的にこなせるCPUが必要という話であり、Intelで言うならEコアベースとなるXeon 6のEシリーズとかXeon 6+などの製品。AMDならZen 4/5よりもZen 4c/5cを搭載したEPYCが求められる方向にある。
当然こうした製品はそれなり価格も高い(=儲けが大きい)ため、売上だけでなく営業利益を猛烈に押し上げる動きに繋がっている訳である。この儲かるマーケットをIntelやAMDだけに独占しておくのはもったない。そこでArmやNVIDIAもこのマーケットを狙ってそれぞれAGI CPUやVera CPUを投入してきているとなる。
このマーケットを同様に狙っているのが、現在はSBIの傘下にあるAmpere Computing(Armコアの汎用サーバー向けプロセッサの開発をしている)とクアルコムである。
クアルコムは現時点では具体的な製品計画を発表していないが、同社は自社でCPUコアを開発できる能力があり、また2025年末にはサーバー向けCPUを構築するのに必要な要素技術や設計能力を持ったAlphawave Semiという企業を買収している。ほかにも富士通やMediaTekなどがそれぞれArmベースのサーバー向けCPUの開発を表明するなど、このマーケットのプレイヤーは今後さらに増えてゆくものと見られる。
こうした話はCOMPUTEXの中では断片的にしか報じられない(やはりコンシューマ向けが主体である以上仕方がない)が、動く金額はコンシューマ向けよりもずっと大きいわけで、今後業界はこのサーバー向けCPUを中心に動くという状況がしばらく続きそうである。
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