第477回
Ryzen 9 9950X3D2最速レビュー デュアル3D V-Cacheで開発者・クリエイター向け最強CPUになった驚きの実力を解説
2026年04月21日 22時00分更新
電力制限を大幅に緩和したCPU
Ryzen 9 9950X3D2のスペックを確認してみよう。アーキテクチャーはZen 5ゆえ、CCD1基あたりのCPUコア数は8、それが2基あるのだから16コア32スレッド。L3キャッシュ容量がRyzen 9 9950X3Dよりも64MB多くなったが、反面最大ブーストクロックは5.6GHzと100MHz低く設定されている。
Ryzen 9 9950X3D2は3D V-Cacheの増量だけでなく、電力制限が9950X3Dよりも緩く、より高負荷のワークロードをより高クロックで動作し続けられるように調整されている。具体的にはTDPは170Wから200Wへ、PPTは200Wから270Wへ増量といった具合だ(下表参照)。ただしTjmax、つまりダイの許容温度上限は95度と変わっていないため、性能を十全に引き出すには高性能のCPUクーラーが必須である。
| Ryzen 9 9950X3D2と、その近傍の製品とのスペック比較 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| Ryzen 9 9950X3D2 | Ryzen 9 9950X3D | Ryzen 7 9850X3D | ||||
| アーキテクチャー | Zen 5 | Zen 5 | Zen 5 | |||
| コア/スレッド | 16 / 32 | 16 / 32 | 8 / 16 | |||
| ベースクロック | 4.3GHz | 4.3GHz | 4.7GHz | |||
| ブーストクロック | 5.6GHz | 5.7GHz | 5.6GHz | |||
| L2キャッシュ | 16MB | 16MB | 8MB | |||
| L3キャッシュ | 192MB (32MB×2+64MB×2) |
128MB (32MB×2+64MB) |
96MB (32MB+64MB) |
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| 対応メモリー | DDR5-5600 | DDR5-5600 | DDR5-5600 | |||
| TDP | 200W | 170W | 120W | |||
| PPT | 270W | 200W | 162W | |||
| TDC | 250A | 225A | 120A | |||
| EDC | 180A | 160A | 180A | |||
| 内蔵GPU | Radeon Graphics | Radeon Graphics | Radeon Graphics | |||
| 対応ソケット | AM5 | AM5 | AM5 | |||
| CPUクーラー | なし | なし | なし | |||
| 初出時税込価格 | 約18万円 | 13万2800円 | 8万6800円 | |||
CPUのコアおよびキャッシュのマッピングを「coreinfo」で取得した。Ryzen 9 9950X3D2の場合、2基の巨大なL3キャッシュ(Unified Cache, Level 3。赤線部)は両方とも96MBであり、おのおのに対し8基の物理コアがぶら下がっている
ちなみにcoreinfoにはGUI版「coreinfoEx」も同梱されている。コア16をクリックすると96MBのL3キャッシュがコア16-31間で共有されているのが分かる。ちなみにこのツールではRyzen 9 9950X3D2のベースクロックが4.2GHzとなっていた(公式には4.3GHz)
Ryzen 9 9950X3D2運用に関して、特別なBIOSやチップセットドライバーは必要なく、既存のもので普通に動作する。とはいえ最新版ではセキュリティーや細かな不具合が解消されているため、新しいものに更新しておくことをオススメする。ちなみに3D V-Cache Performance OptimizerはRyzen 7 9850X3Dと同様に「あっても特に意味のないドライバー」である。ただRyzenの場合なるべく1つのCCD側に処理を偏らせようとする(CCDをまたいだ処理はレイテンシーが不利になる)ため、ゲームの処理が2基のCCDに散らかるようなことはない。
今回の検証中に配信開始となった「PRAGMATA」での動作例。Ryzen 9 9950X3D2においても、ゲームの処理は片方のCCDに集中する(クロック表示の右2つが、各物理・論理コアにおけるコア占有率)
最強CPUはどれだ?
今回の検証環境を紹介しよう。比較対象にはRyzen 7 9850X3DおよびRyzen 9 9950X3Dを準備。そして先日ようやく流通が(ごく少数だが)始まったCore Ultra 7 270K Plusを加えた。特にCore Ultra 7 270K Plusはインテル自ら「インテル市場のゲーミングCPU」と謳っている。物理コア数も多くRyzen 9 9950X3D2より安いという強力なライバルだが、Ryzen 9 9950X3D2に対しどこまで食らいつけるのだろうか?
また、レビュアーにはBIOSとチップセットドライバーも提供されたが、どちらも現在配布されているバージョンよりやや古いものであったため、それぞれ最新版を使用した(単にAMDのラボが動作確認をしたのがそのバージョンだった、という話だと思われる)。
GPUはRadeon RX 9070 XTを準備し、Adrenalin 26.3.1を導入。メモリーはすべての環境で同一モジュールを使用しているが、クロックはそれぞれのCPUの定格最大としている。Resizable BARやSecure Boot、メモリー整合性やカーネルモードハードウェア強制スタック保護、HDRなどは一通り有効化、ディスプレーのリフレッシュレートは144Hzに設定した。
| 検証環境(AMD) | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| CPU | AMD「Ryzen 9 9950X3D2」 (16コア/32スレッド、最大5.6GHz) AMD「Ryzen 9 9950X3D」 (16コア/32スレッド、最大5.7GHz) AMD「Ryzen 7 9850X3D」 (8コア/16スレッド、最大5.6GHz) |
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| CPUクーラー | EKWB「EK-Nucleus AIO CR360 Lux D-RGB」 (簡易水冷、360mmラジエーター) |
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| マザーボード | ASRock「X870E Taichi」(AMD X870E、BIOS 4.10) | |||||
| メモリー | G.Skill「F5-7200J3445G16GX2-TZ5RK」 (16GB×2、DDR5-5600) | |||||
| ビデオカード | ASRock「Radeon RX 9070 XT 16GB OC」(RX 9070 XT、16GB GDDR6) | |||||
| ストレージ | Micron「CT2000T700SSD3」(2TB M.2 SSD、PCIe Gen 5) Silicon Power「SP04KGBP44US7505」(4TB M.2 SSD、PCIe Gen 4) |
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| 電源ユニット | ASRock「TC-1300T」(1300W、80 PLUS TITANIUM) | |||||
| OS | Microsoft「Windows 11 Pro」(25H2) | |||||
| 検証環境(インテル) | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| CPU | インテル「Core Ultra 7 270K Plus」 (P8+E16/ 24スレッド、最大5.6GHz) | |||||
| CPUクーラー | EKWB「EK-Nucleus AIO CR360 Lux D-RGB」 (簡易水冷、360mmラジエーター) |
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| マザーボード | ASRock「X870E Taichi」(AMD X870E、BIOS 4.10) | |||||
| メモリー | G.Skill「F5-7200J3445G16GX2-TZ5RK」 (16GB×2、DDR5-7200) | |||||
| ビデオカード | ASRock「Radeon RX 9070 XT 16GB OC」(RX 9070 XT、16GB GDDR6) | |||||
| ストレージ | Micron「CT2000T700SSD3」(2TB M.2 SSD、PCIe Gen 5) Silicon Power「SP04KGBP44US7505」(4TB M.2 SSD、PCIe Gen 4) |
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| 電源ユニット | ASRock「TC-1300T」(1300W、80 PLUS TITANIUM) | |||||
| OS | Microsoft「Windows 11 Pro」(25H2) | |||||
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