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Ryzen 9 9950X3D2最速レビュー デュアル3D V-Cacheで開発者・クリエイター向け最強CPUになった驚きの実力を解説

2026年04月21日 22時00分更新

文● KTU (加藤勝明) 編集●北村/ASCII

電力制限を大幅に緩和したCPU

 Ryzen 9 9950X3D2のスペックを確認してみよう。アーキテクチャーはZen 5ゆえ、CCD1基あたりのCPUコア数は8、それが2基あるのだから16コア32スレッド。L3キャッシュ容量がRyzen 9 9950X3Dよりも64MB多くなったが、反面最大ブーストクロックは5.6GHzと100MHz低く設定されている。

 Ryzen 9 9950X3D2は3D V-Cacheの増量だけでなく、電力制限が9950X3Dよりも緩く、より高負荷のワークロードをより高クロックで動作し続けられるように調整されている。具体的にはTDPは170Wから200Wへ、PPTは200Wから270Wへ増量といった具合だ(下表参照)。ただしTjmax、つまりダイの許容温度上限は95度と変わっていないため、性能を十全に引き出すには高性能のCPUクーラーが必須である。

Ryzen 9 9950X3D2と、その近傍の製品とのスペック比較
  Ryzen 9 9950X3D2 Ryzen 9 9950X3D Ryzen 7 9850X3D
アーキテクチャー Zen 5 Zen 5 Zen 5
コア/スレッド 16 / 32 16 / 32 8 / 16
ベースクロック 4.3GHz 4.3GHz 4.7GHz
ブーストクロック 5.6GHz 5.7GHz 5.6GHz
L2キャッシュ 16MB 16MB 8MB
L3キャッシュ 192MB
(32MB×2+64MB×2)
128MB
(32MB×2+64MB)
96MB
(32MB+64MB)
対応メモリー DDR5-5600 DDR5-5600 DDR5-5600
TDP 200W 170W 120W
PPT 270W 200W 162W
TDC 250A 225A 120A
EDC 180A 160A 180A
内蔵GPU Radeon Graphics Radeon Graphics Radeon Graphics
対応ソケット AM5 AM5 AM5
CPUクーラー なし なし なし
初出時税込価格 約18万円 13万2800円 8万6800円

CPUの情報:「CPU-Z」でRyzen 9 9950X3D2の情報を取得した。L3キャッシュの表記が2x96MBになっている点に注目

CPUの情報:こちらはRyzen 9 9950X3Dのもの。L3キャッシュの表記が96MB+32MBという表記になっている

CPUのコアおよびキャッシュのマッピングを「coreinfo」で取得した。Ryzen 9 9950X3D2の場合、2基の巨大なL3キャッシュ(Unified Cache, Level 3。赤線部)は両方とも96MBであり、おのおのに対し8基の物理コアがぶら下がっている

こちらはRyzen 9 9950X3Dの場合。L3キャッシュのうち片方(緑線部)は32MB、つまり3D V-CacheのないCCDであることがわかる

ちなみにcoreinfoにはGUI版「coreinfoEx」も同梱されている。コア16をクリックすると96MBのL3キャッシュがコア16-31間で共有されているのが分かる。ちなみにこのツールではRyzen 9 9950X3D2のベースクロックが4.2GHzとなっていた(公式には4.3GHz)

 Ryzen 9 9950X3D2運用に関して、特別なBIOSやチップセットドライバーは必要なく、既存のもので普通に動作する。とはいえ最新版ではセキュリティーや細かな不具合が解消されているため、新しいものに更新しておくことをオススメする。ちなみに3D V-Cache Performance OptimizerはRyzen 7 9850X3Dと同様に「あっても特に意味のないドライバー」である。ただRyzenの場合なるべく1つのCCD側に処理を偏らせようとする(CCDをまたいだ処理はレイテンシーが不利になる)ため、ゲームの処理が2基のCCDに散らかるようなことはない。

今回の検証中に配信開始となった「PRAGMATA」での動作例。Ryzen 9 9950X3D2においても、ゲームの処理は片方のCCDに集中する(クロック表示の右2つが、各物理・論理コアにおけるコア占有率)

最強CPUはどれだ?

 今回の検証環境を紹介しよう。比較対象にはRyzen 7 9850X3DおよびRyzen 9 9950X3Dを準備。そして先日ようやく流通が(ごく少数だが)始まったCore Ultra 7 270K Plusを加えた。特にCore Ultra 7 270K Plusはインテル自ら「インテル市場のゲーミングCPU」と謳っている。物理コア数も多くRyzen 9 9950X3D2より安いという強力なライバルだが、Ryzen 9 9950X3D2に対しどこまで食らいつけるのだろうか?

 また、レビュアーにはBIOSとチップセットドライバーも提供されたが、どちらも現在配布されているバージョンよりやや古いものであったため、それぞれ最新版を使用した(単にAMDのラボが動作確認をしたのがそのバージョンだった、という話だと思われる)。

 GPUはRadeon RX 9070 XTを準備し、Adrenalin 26.3.1を導入。メモリーはすべての環境で同一モジュールを使用しているが、クロックはそれぞれのCPUの定格最大としている。Resizable BARやSecure Boot、メモリー整合性やカーネルモードハードウェア強制スタック保護、HDRなどは一通り有効化、ディスプレーのリフレッシュレートは144Hzに設定した。

検証環境(AMD)
CPU AMD「Ryzen 9 9950X3D2」 (16コア/32スレッド、最大5.6GHz)
AMD「Ryzen 9 9950X3D」 (16コア/32スレッド、最大5.7GHz)
AMD「Ryzen 7 9850X3D」 (8コア/16スレッド、最大5.6GHz)
CPUクーラー EKWB「EK-Nucleus AIO CR360 Lux D-RGB」
(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASRock「X870E Taichi」(AMD X870E、BIOS 4.10)
メモリー G.Skill「F5-7200J3445G16GX2-TZ5RK」 (16GB×2、DDR5-5600)
ビデオカード ASRock「Radeon RX 9070 XT 16GB OC」(RX 9070 XT、16GB GDDR6)
ストレージ Micron「CT2000T700SSD3」(2TB M.2 SSD、PCIe Gen 5)
Silicon Power「SP04KGBP44US7505」(4TB M.2 SSD、PCIe Gen 4)
電源ユニット ASRock「TC-1300T」(1300W、80 PLUS TITANIUM)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」(25H2)
検証環境(インテル)
CPU インテル「Core Ultra 7 270K Plus」 (P8+E16/ 24スレッド、最大5.6GHz)
CPUクーラー EKWB「EK-Nucleus AIO CR360 Lux D-RGB」
(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASRock「X870E Taichi」(AMD X870E、BIOS 4.10)
メモリー G.Skill「F5-7200J3445G16GX2-TZ5RK」 (16GB×2、DDR5-7200)
ビデオカード ASRock「Radeon RX 9070 XT 16GB OC」(RX 9070 XT、16GB GDDR6)
ストレージ Micron「CT2000T700SSD3」(2TB M.2 SSD、PCIe Gen 5)
Silicon Power「SP04KGBP44US7505」(4TB M.2 SSD、PCIe Gen 4)
電源ユニット ASRock「TC-1300T」(1300W、80 PLUS TITANIUM)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」(25H2)
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