仮想敵はGeForce RTX 4070 SUPER
今回RX 7900 GREの性能を検証するにあたり、1つ上と下のモデル、つまりRX 7900 XTとRX 7800 XTを準備した。さらにライバルとして価格的に競合するRTX 4070 SUPERと、メモリーバス幅やVRAM搭載量で並ぶRTX 4080を準備した。
通常のレンダリングであればRX 7900 GREのパフォーマンスはRTX 4070 SUPERに負けることもある（レイトレーシングが入ると特に劣勢）が、AFMFを利用したフレーム生成を使用すればフレームレートにおいてRTX 4080をも上回る性能を発揮すること（もある）が期待される。
RX 7900 GREはリリースされてかなりの日数が経過しているためドライバーは既存のRadeon Softwareが利用できるが、今回検証に加えた「HELLDIVERS 2」に対する不具合修正の入ったβ版ドライバーが提供されたため、Radeon勢はすべてそのドライバーを利用した。一方GeForce勢はすべてGameReady 551.61を使用している。
また、検証にあたってはResizable BARやSecure Boot、さらにコア分離やWindows HD Color（HDR）も有効としている。
| テスト環境 | |
|---|---|
| CPU | AMD「Ryzen 7 7800X3D」 （8コア/16スレッド、最大5GHz） |
| CPUクーラー | ASUS「ROG RYUJIN II 360」 （簡易水冷、360mmラジエーター） |
| マザーボード | ASUS「ROG STRIX X670E-F GAMING WIFI」 （AMD X670E、BIOS 1905） |
| メモリー | Micron「CP2K16G56C46U5」 （16GB×2、DDR5-5200） |
| ビデオカード | AMD「Radeon RX 7900 XTリファレンスカード」 ASRock「AMD Radeon RX 7900 GRE Steel Legend 16GB OC」 AMD「Radeon RX 7800 XTリファレンスカード」 NVIDIA「GeForce RTX 4080 Founders Edition」 NVIDIA「GeForce RTX 4070 SUPER Founders Edition」 |
| ストレージ | Micron「CT2000T700SSD3」 （2TB M.2 SSD、PCIe 5.0、システム用） ＋ Silicon Power「SP002TBP34A80M28」 （2TB M.2 SSD、PCIe 3.0、ゲーム用）×3 |
| 電源ユニット | Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」 （1000W、80PLUS Platinum） |
| OS | Microsoft「Windows 11 Pro」（23H2） |
描画性能とざっくりとした消費電力を検証する
では「3DMark」を使用したグラフィックパフォーマンス検証から始めよう。果たしてRX 7900 XTとRX 7800 XTの中間に着地できるだろうか？
3DMark：ラスタライズ系テストのスコアー
3DMark：レイトレーシング系テストのスコアー
テストにより若干のずれはあるが、3DMarkのスコアーではおおむねRX 7900 GREの性能はRX 7800 XT側から見てもRX 7900 XT側から見ても、RX 7900 GREのスコアーは9〜16％上ないし下に位置している。負荷が強烈なテスト（特にSpeed Way）ではややRX 7800 XT寄りになっているが、総じてRX 7900 XTとRX 7800 XTの間にランディングできたようだ。ライバルとの比較だと同価格帯で争うことになるRTX 4070 SUPERとはラスタライズ系テストでは好勝負、レイトレーシング系テストではやや劣勢といった感じだ。
続いて3DMarkの“Time Spy”におけるGraphics Test 2実行時における実消費電力をHWBusters「Powenetics v2」を利用して計測した。ここではシステム全体の消費電力とTotal Board Power（TBP：ビデオカード単体の消費電力）を比較する。アイドル時は3分間放置した際の平均値を、高負荷時は平均値や最大値のほかに99パーセンタイル（99％tile）点の値も比較する。
システム全体の消費電力
ビデオカード単体の消費電力（TBP）
RX 7000シリーズよりRTX 40シリーズの方が消費電力が少ないというのはこれまでの観測通りであり、RX 7900 GREはRX 7800 XTよりもカード単体で平均36W増えているが、これは今回の検証用カードがファクトリーオーバークロックモデルであることも手伝っている。公式スペックはどうあれ、パフォーマンスが上がった分順当に消費電力も上がったという解釈でいいだろう。
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