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中国向け「Radeon RX 7900 GRE」が突如一般販売開始。その性能はWQHDゲーミングに新たな境地を拓く?

2024年02月26日 23時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●北村/ASCII

FSR 3が効くとRadeon勢が強い

 「Starfield」は先日(2月22日)にようやく実装になったFSR 3が利用できる。画質“ウルトラ”をベースとし、解像度はデスクトップの解像度変更で対処。FSR 2のフレーム生成を有効にし、レンダースケールは58%設定(バランス相当)、DLSSも“バランス”+DLSS FGを有効に設定。都市マップ“ニューアトランティス”のMAST地区を移動する際のフレームレートを計測した。

Starfield:1920x1080ドット時のフレームレート

Starfield:2560x1440ドット時のフレームレート

Starfield:3840x2160ドット時のフレームレート

 AFMFでも十分Starfieldでの強みを感じることができたが、FSR 3においてもRadeon勢は強いということが示された。AFMFが出るまではDLSS FGの使えるRTX 40シリーズが(筆者が検証に使用しているシーンでは)やたらと強い印象があったが、AFMFやFSR 3の正式実装によって完全に逆転したといえるだろう。

 RX 7900 GREは4K解像度においても高いフレームレートを発揮しつつ、RTX 4080をも平均フレームレートにおいて上回るパフォーマンスを発揮しているが、最低フレームレートにおいてはRX 7800 XTとRX 7900 GREはほとんど変わらないどころか、RX 7800 XTが逆転しているケースもある。

 StarfieldはVRAMとの帯域が重要であるとすれば、メモリー帯域幅に勝るRX 7800 XTがRX 7900 GREを最低フレームレートにおいて上回るのは不思議ではない。ただRX 7900 GREの方がGPUコアの性能が高いため平均フレームレートではRX 7800 XTに勝てている。

Starfield:ベンチマーク中におけるTBPの平均値(単位W)、および10Wあたりのワットパフォーマンス(単位fps)

 ここまでAFMFを使用した時の実消費電力やワットパフォーマンスは表から除外していたが、Call of DutyやStarfieldはFSR 3であるため消費電力に関するデータも取得できる。現状使える最善のアップスケーラーとフレーム生成技術を使用した際のワットパフォーマンスが上表と考えればいいだろう。

 実消費電力はRTX 40シリーズが圧倒的に低いが、ワットパフォーマンス、特にWQHD以上の解像度ではRX 7000シリーズもRTX 40シリーズと肩を並べるようになったのだ。

 最後に直近の人気タイトル「HELLDIVERS 2」でも試してみよう。画質は各項目すべて最高設定とし、レンダースケール(RS)は“通常”、つまりアップスケールなしとした。チュートリアル用のブートキャンプステージ内で一定のコースを移動した際のフレームレートを計測した。

HELLDIVERS 2:1920x1080ドット時のフレームレート

HELLDIVERS 2:2560x1440ドット時のフレームレート

HELLDIVERS 2:3840x2160ドット時のフレームレート

 全体傾向はRadeon+AFMF>GeForce>Radeonで同じだが、RX 7900 GREのパフォーマンスがどの解像度でも今ひとつ伸びきらず、RX 7800 XT寄りのポジションにとどまった。メモリーバス幅の制約だと断言できるだけのデータはないが、ゲームによってはこういう結果も出るという点をおさえておくといいだろう。

HELLDIVERS 2:ベンチマーク中におけるTBPの平均値(単位W)、および10Wあたりのワットパフォーマンス(単位fps)

 消費電力の傾向に関してもこれまでの傾向を大きく逸脱していない。ただRX 7900 GREの実消費電力はRX 7800 XTの20〜25W程度上であり、HELLDIVERS 2におけるRX 7900 GREは少し遊び気味であることを示唆している。これがメモリーバス幅がCU数に比して狭いことに起因するものなのかまでは不明だ。

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