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2023年10月のフィッシングはダブルで記録を塗り替える

ついに100万件超え! 止められないフィッシング詐欺、過去最多を更新

2023年11月22日 10時00分更新

2023年10月のフィッシング報告件数(フィッシング対策協議会公式サイトより)

フィッシング報告件数、ダブルで過去最多を更新

 報告件数は過去最多、前年同月比で倍増です。

 フィッシング対策協議会が発表した2023年10月の「フィッシング報告状況」によりますと、同協議会に報告があった件数は15万6804件。前月より3万9771件増えて1ヵ月間における過去最多の報告件数を記録しました。

 そして、まだ2ヵ月残した段階で2023年の報告件数が100万の大台を突破してしまいました。ちなみに過去最多と言われた昨年の合計は96万8832件です。つまり、10ヵ月間でフィッシング報告件数の最多記録を塗り替えたことになります。昨年のこの時期は右肩下がりの傾向でしたが、どうも今年は様子が違います。

 10月はAmazonを騙ったフィッシングの報告が増えて5万件を超えたとのこと。これは日本初開催となった「Amazonプライム感謝祭」に便乗するかたちでフィッシングも増加したのだと予想が付きます(参考:Amazonプライム感謝祭の終了後に届くメールが怖い理由)。

 ただ同時に、ETC利用照会サービスを騙るフィッシングも同じく5万件を超えています。こちらは、スポーツの日を交えた3連休および、翌11月初旬の文化の日を交えた3連休による高速道路の利用者増を見込んでの増加でしょう。

 全体15万6804件のうち、AmazonとETC利用照会サービスのみで10万件を超えている(報告数全体の約69%)わけですが、前月の内訳を鑑みるに、おそらくETC利用照会サービスを騙るフィッシングが急増したものと思われます。

2023年10月のフィッシングサイトのURL件数(フィッシング対策協議会公式サイトより)

えっ、10月末に再延長!? 勘違いさせるフィッシングメールも

 また、マイナポイント事務局を騙るフィッシングも多かったようです。マイナポイントの付与は9月末で終了したはずですが、なんと10月末までと記載したフィッシングメールが確認されたとのこと。

 実報告数ではオンラインサービス系が前月比約260.1%増、公共サービス系が約282.3%増。代わりに金融系が大きく減少(約76.5%減)したようです。

 フィッシングの誘導先にあたるURL件数は前月から1427件減少して1万3507件。これはURLを共有しているフィッシングが多い(フィッシング詐欺に手を出す人・組織が増えているのではなく、いくつかの悪意ある人・組織がフィッシングメール・SMSの送信数を増やしている)と考えるべき、なのかもしれません。

 一方、悪用されたブランド件数は2件減少で78件になりました。こちらはいっそうの“効率化”が進んでいるようです。

2023年10月のフィッシングに悪用されたブランド件数(フィッシング対策協議会公式サイトより)

 今後も怪しいメールやSMSを受け取ったら、可能ならばフィッシング対策協議会に報告すると良いでしょう。

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