週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

生成AIで話題を集めたNEC、同社が取り組むコアDX事業とは?

2023年09月04日 08時00分更新

戦略コンサルタントの強化などを進める

 コアDX事業の推進に向けて、NECではいくつかの新たな取り組みを開始している。

 ひとつめは、NEC戦略コンサルタントの強化だ。

 2022年度には300人だった陣容を、2025年度には3倍以上の規模となる1000人に拡大することを発表した。

 NEC Corporate EVP兼CDOの吉崎敏文氏は、「NECグループには、SAPを中心として、強いコンサルティング力を持つアビームコンサルティングがあるため、NEC本体には、戦略コンサルタントがいなかった。だが、2019年度に外部採用した10人からスタートし、さらなる外部採用を進め、さらに、ITやネットワークの実装経験を持つNEC社員をコンバートすることで増員してきた。これをさらに増加させていく」と語る。

 NEC戦略コンサルタントは、すでに200社において、上流コンサルタントプロジェクトを推進しているという。

 「デバイス、アプリケーション、インフラのロードマップを理解した上で、コンサルティングができる。その点が、コンサルティングファームにはない、NECならではのアプローチになる」と胸を張る。

 2025年度の1000人体制の青写真は、金融、製造、流通、公共、クロスインダストリーの5業種において、それぞれ200人ずつの体制することを前提としているが、NECが得意とする製造、流通から優先的に強化し、クロスインダストリーにも力を注ぐ。顧客との関係がより緊密で、横展開がやや難しくなる金融や公共向けの陣容は、順次強化していくことになる。

 なお、現在、8000人を超えているデジタル人材を、2025年度までに1万人に拡大する計画を維持する考えも示している。

 2つめは、NDPの強化である。

 新たに、プロセスマイニングのCelonisとの戦略的協業によって、2023年度からコンサルティングサービスの提供およびNDPの強化策のひとつとして、これを採用。また、SI・デリバリー共通化・自動化ソリューションを強化。NDP上でExastroを活用し、共通テンプレート化することでSIを自動化し、個別SIを極小化する。さらに、生体認証サービスのBio IDiom Serviceの導入工数を大幅に短縮し、SaaS型による柔軟な機能追加も可能にすることも示した。

 加えて、IT領域とOT領域の連携強化を進め、AIによるデジタルツインを通じた社会課題の解決を推進していくほか、言語の壁が少ない生体認証などの技術を活用したオファリングにより、NDPの海外事業比率を高めていく考えも示した。これらは、NDPの事業拡大において、新たな領域になる。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事