動くカセットテープが超見える
【実機レビュー】透け透け具合が最高!1万以下で買えるカセットテープポータブルプレーヤー
7700円のプレーヤーとは思えないほど
バランスのいい音を楽しめます
さて肝心の音質についてですが、7700円のポータブルカセットプレーヤーとは思えないほどバランスのいい音を再生してくれます。もちろんイヤフォン、ヘッドフォンによってまったく音は変わってきますよ。
個人的には開放型(オープンエアー)のほうが「AX-W10C」と相性がいいと感じました。手持ちのイヤフォンのなかでは、ninewaveの「NW-STUDIO PRO」との組み合わせが一番気に入りました。
なお、クイーンの「Bohemian Rhapsody」をデジタルオーディオプレーヤーと「AX-W10C」で再生してスピードを比較しましたが、曲が終わる5分55秒時点でも秒単位の違いはなかったです。個体差はあるかもしれませんが、今回借用した製品のテープスピードはほぼ正確でした。
音質面の売りのひとつである「バーチャルサラウンド」については、それぞれの音を強調することで臨場感は増します。しかし、曲によっては高域が耳障りに感じることがありました。「バーチャルサラウンド」は臨場感に物足りなさを感じるときに、限定的にオンにするという使い方がよいと思います。
エモ度、レトロ度は?
恒例の主観的評価ですが、エモ度は100点満点中95点、レトロ度は100点満点中90点です。エモ度については、とにかくカセットを鑑賞できるというデザインがたまりません。ド派手なテープを入れて見せびらかしたいですね。メタリカの「72 Seasons」のカセットテープは黄色のスケルトン。「AX-W10C」に似合いそうです。
レトロ度については、リールハブがくるくる回っている姿を見ているだけで、昭和世代としてはグッと来ます。耳を近づけると聞こえるキュルキュルという回転音も懐かしさがこみあげてきます。ただ本製品は、外観はあまりレトロを追求しておらず、オッサンよりも若い世代にカセットテープを聴くという行為を体験してもらうために作られているのかな、と感じました。というわけでレトロ度は90点とした次第です。
ポータブルカセットプレーヤー全盛期の中古品のコンディションを保つのは困難です。その点、「AX-W10C」は新品で購入可能。過去のプレーヤーと直接比較したわけではないですが、今回試聴したかぎりでは音を楽しめるだけのクオリティーを備えています。
もしポータブルカセットプレーヤーに興味を持っているのなら、最初から過去の名機を狙うのではなく、まずは安価に購入でき、手軽に扱える「AX-W10C」を強くオススメいたします。
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