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動画生成AIがすごすぎる 映画登場も遠くない

2023年08月07日 07時00分更新

動画生成AIはクラウドベースで収益化へ

 そんななか、生成AI企業はクラウド型のサービスに力を入れはじめています。個人向けのパソコンでは難しい動画生成などの実行環境を提供することで、サブスクリプションモデルなどに移行してもらい、安定的な収益を生み出したいと考えているように見受けられます。

 たとえば、「スマホで写真を撮ってクラウドに放り込めば動画にして戻してくれる。そして、それをそのままSNSに投稿する」といったサービスとして広がっていくことも間違いないでしょう。費用がペイするなら普通に搭載するサービスはどんどん出てくるはずです。

 Gen-2やAnimeDiff以外にも、動画関連のAIサービスが次々に登場しつつあります。たとえば、実写映像を3DモデルにしてCGに置き換えるサービス「Wonder Studio」は、プロ向けに数十秒から数分程度の利用を想定していて、性能の拡充に力を入れてきています。

 価格はサービスによって、月15ドル程度から100ドル以上と幅があります。アマチュアからプロまで、様々な人がそれぞれの立場で新しい表現を試しはじめている状態でしょうか。

 AI生成による動画は良くも悪くも話題になってくるでしょう。また、大手がこの流れを放っておくわけもなく、たとえばAdobeが「Premier Pro」などにこうした機能を搭載することもおそらく間違いありません。問題は、どのくらいの速度でそうした変化が起きてくるかですね。生成AIに触れた人なら恐らく、「予想よりも半年から1年早い」という感覚を持っているのではないでしょうか。すべてAI生成動画で作られた映画の登場も、そう遠くないと思います。

 

訂正とお詫び:初出時、境 祐司さんの肩書きをインダストリアルデザイナーとしていましたがインストラクショナル・デザイナーの誤りでした。お詫びするとともに訂正します。(2023年8月7日)

 

筆者紹介:新清士(しんきよし)

1970年生まれ。株式会社AI Frog Interactive代表。デジタルハリウッド大学大学院教授。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲームジャーナリストとして活躍後、VRマルチプレイ剣戟アクションゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」の開発を主導。現在は、新作のインディゲームの開発をしている。著書に『メタバースビジネス覇権戦争』(NHK出版新書)がある。

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