世界60ヵ国・100都市以上の滞在経験がある筆者が、最新のトラベル情報をお届けしているこの連載。今回は、夏休みなどで海外旅行に行く人向けに、現地で使えるモバイル回線についてお伝えします。
海外旅行者はahamoが最強
使いやすさでは楽天モバイルも
海外旅行で気になるのは、現地でのモバイル通信事情。これまで色々なテクが旅人の中で研究されてきましたが、ahamoと楽天モバイルの登場でかなり状況は変わりました。というのも、ahamoは20GB(最長15日)、楽天モバイルは2GBまで、どちらもローミング時のモバイル通信は無料。さらに楽天モバイルは1GBあたり500円で追加チャージできます。
つまり、ahamoか楽天モバイルの回線を維持しておけば、基本的には海外でのモバイル通信には困らないため、海外旅行好きなら、どちらかの回線が必携となっています。
キャリアが用意しているサービスは
1日あたり980円程度
またそれ以外でもドコモやKDDI、ソフトバンクでは、サブブランドを含め、980円/日程度のローミング時のモバイル通信サービスが用意されています。ドコモは「世界そのままギガ」、auは「世界データ定額」、ソフトバンクは「海外あんしん定額」がそれです。またこれまで海外ローミングに非対応だったKDDIのpovo 2.0も、8月よりトッピングという形で対応がスタート。そのため、キャリア(MNO)の回線を契約していれば、なにかしらのオトクな海外ローミングのモバイル通信サービスが利用できる状況です。
ちなみに、日本の通信キャリアの海外ローミングだと、日本限定のサービスが海外でも使えるというメリットがあります。たとえばNetflixなどの動画配信サービスは、国ごとに提供している作品が違います。ですが日本の通信キャリアの海外ローミングなら普段と同じ視聴ラインアップが楽しめます。
ただ、細かい話ではありますが、渡航先での「PayPay」は、日本の通信キャリアの海外ローミングでないと使えません。海外でPayPayを支払いに使うことはないのですが、グループで食事をしたときに、いつも通り割り勘ぶんをPayPayで送金しようと思ったらできずに困ったことがあったので、すべてのサービスが日本と同様に使えるわけではないということは、憶えておくといいかもしれません。
格安SIMユーザーはどうすればいい?
MVNO、いわゆる格安SIMを契約している場合は、オトクな海外ローミングのモバイル通信サービスはほとんどありません。また、キャリア回線を使っている人でも、相場の980円/日より安い料金で通信をしたいという人もいるでしょう。そんな人にオススメなのが、eSIMを使った海外でのモバイル通信サービスです。
eSIMはiPhoneの場合、2018年発売のiPhone XS/XS Max/XR以降に対応しています。Androidもオープンマーケット版は数年前から、キャリア版も昨年発売モデルあたりから対応端末が増えているので、「実は使える」端末を持っている人も多いはず。
eSIMを使ったサービスは、これまで海外のものが多く、日本語の表示や日本語のサポートが期待できないものが多かったのですが、Holaflyの「Holafly SIM」ように日本語サポートをスタートさせているサービスもあります。さらに最近では、HISモバイルの「Trip SIM」のように、日本企業が行っているサービスも登場しました。日本語でサポートが受けられるため、あまりスマートフォンの扱いに慣れていない人でも安心して使うことができます。
(次のページ:eSIM通信サービスの相場は? 激安プリペイドという手もあるが……)
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