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ローミング0円時代、海外SIMの選び方

【スマホを海外で使う】お得な回線はズバリこの2つ

2023年08月09日 07時30分更新

文● 中山智 編集●こーのス

eSIMを使った海外モバイル通信サービスは
専用アプリを使うか、QRコードで登録するかの2パターン

 eSIMを使った海外でのモバイル通信サービスを使う場合、スマートフォンに専用アプリをインストールして、プランの購入やeSIMの設定などをアプリ上ですべて行うケースと、プランの購入はウェブサイトから行い、スマートフォンの設定アプリから発行されたQRコードなどeSIMの登録を行うケースの2パターンあります。

 「Holafly SIM」と「Trip SIM」は、どちらも後者のパターンです。まず、公式サイトから渡航先と旅程にあったプランを検索して購入しましょう。

発行されたQRコードからeSIMを追加

 たとえばHISモバイルのTrip SIMで、韓国で使用できるプランの最安を見ると、1日あたり1GBで480円。使用できるデータ通信量に上限はあるものの、MNOの料金よりもずっとお得になっています。

Trip SIMの韓国で使えるeSIMプラン

 ヨーロッパに行くなら、Holaflyのヨーロッパ30ヵ国以上がエリアとなる「ヨーロッパ向けeSIMデータ」がオススメ。テザリングは利用できないものの、5日間2400円で容量無制限の通信が可能です。つまり480円/日と、かなりお得ですね。

Holaflyの「ヨーロッパ向けeSIMデータ」は最長90日のプランが用意されている

 海外でも無制限でモバイル通信ができるのは、かなりありがたいことです。たとえば、Googleフォトのバックアップ機能をオンにしておけば、旅先で撮った写真や動画をデータ通信量を気にせず、すぐにクラウドへ保存することができます。そもそも海外はスリが多く、高価なスマートフォンが狙われがちです。スマホは同じ端末を買い直すことができますが、写真は二度と撮り直すことができません。スペインでの取材中にスマートフォンを盗まれて、撮影した動画がすべてなくなった仕事仲間の絶望を目にしたことがある身としては、結構、重要なポイントだと思っています。

 もちろんそれぞれのサービスには、利用できるデータ通信量や利用期間にあわせて複数のプランを用意しているので、自分の利用状況や渡航スケジュールにあわせて、最適なデータ通信を選んでみてください。日本に居るあいだに用意しておけるので、飛行機が到着したら、現地ですぐに使えるのも便利です。

日本であらかじめ準備しておいて、現地に着いたらSIMをオンにすればすぐに使える

英語に自信があれば、渡航先の空港などで
激安プリペイドSIMを購入する方法も

 もちろん渡航先の現地通信キャリアでプリペイドSIMを購入する方法もあり、今でもそれがいちばん通信費は安いケースが多くあります。2週間くらいの長期旅行なら、現地通信キャリアのプリペイドSIMのほうがコストはかなり抑えられます。一方、2泊3日程度の短期旅行なら、MNOのローミングサービスや、eSIMサービスを使ったほうが断然コスパはいいわけです。もちろん筆者のように「現地のSIMを買うのが楽しい」という、それ自体が旅行の目的のひとつになっていれば別ですが、貴重な旅行中の時間を慣れないSIM購入手続きに割いてまで入手するメリットがあるかどうかはちょっと疑問です。

現地でSIMを買うのも楽しいは楽しいです

eSIMと物理SIMのデュアル運用が便利

 eSIMの利用のコツとして、日本で使っている回線を物理SIMにしておいて、eSIMとデュアル運用ができるのもポイントです。日本のSIMを抜く必要がないので、日本からの通話の着信やSMSも受け取れます。緊急連絡があっても安心です。また最近はUberなど国内外サービスが共通で、日本の電話番号で登録している場合は、その番号に着信やSMSが届くといったケースもあります。なので極力日本の回線はそのままセットしておきたいところです。

 この夏の休みで久しぶりの海外渡航を計画しているなら、ぜひeSIMでの海外モバイル通信も試してみてください!

【補足】eSIM対応モデルのスマートフォンは同時に2つのSIMを有効にしてデュアルSIMで活用できる端末が多いですが、異なる2つの通信事業者を利用するにはSIMロックの解除が必要です。2022年より前にキャリアショップなどで購入したスマートフォンは「SIMロック」がかけられている場合があります(iPhoneの場合、設定アプリの「一般」→「情報」→「SIMロック」で確認)。SIMロックはウェブやショップで簡単に解除できます。

 

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この記事を書いた人──中山智(satoru nakayama)

世界60ヶ国・100都市以上の滞在経験があり、海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。

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