「Overwatch 2」ではフルHDなら良好
それ以上では……
ここから先は実ゲームにおけるパフォーマンス検証となる。ゲーム内ベンチマーク機能の有無に関係なく、すべて「FrameView」を用い、ディスプレーに表示されたフレームレートで比較する。また、すべてのカードはNVIDIAの電力測定デバイス「PCAT v2」を経由して接続され、ベンチマーク時のカードの実消費電力(TBP)の平均値、さらに平均フレームレートをTBPで割ったワットパフォーマンス(Perf/Watt)も同時に取得した。
「Overwatch 2」では、画質“エピック”を選択しレンダースケール100%、フレームレート上限600fps、さらにFSR 1はオフに設定。マップ“Eichenwalde”におけるBotマッチ観戦中のフレームレートを計測した。
フルHDではRTX 4060 Ti(8GB)はRTX 3070 TiとRTX 3060 Tiの中間的な位置にいるが、WQHDや4Kでは息切れが見え始め、4KではRTX 3060 Tiをやや下回った。とはいえ「フルHDゲーミング向け」のGPUであるから、フルHDにスイートスポットがキッチリ合っているという評価の方が適切だろう。ここまでスペックを絞っていても、メモリーバス幅で勝るRTX 2060やGTX 1060よりもフレームレートで大幅に上回っている点にも注目されたい。
では、このベンチマーク中に各カードがどの程度の実消費電力(TBP)を示したか、さらにそのTBPと平均フレームレートから1ワット当たりのフレームレートを求めたのが次の表となる。
巨大なL2キャッシュのおかげでメモリーアクセスが減り、その結果非常に高いワットパフォーマンスを得たのがAda Lovelace世代のGeForceだが、RTX 4060 Ti(8GB)もこれまでの例に漏れず良いワットパフォーマンスを示している。ゲーム中のTBPは解像度にほぼ関係なく146W弱を示しており、スペック上では同レベルのRTX 2060よりもわずかに低い。
WQHDでもなんとか粘った
「Tiny Tina's Wonderlands」
「Tiny Tina's Wonderlands」ではAPIにDirectX 12、画質“バッドアス”に設定。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。
フルHDではRTX 4060 Ti(8GB)はRTX 3060 Tiに平均フレームレートで10%以上の差をつけているが、やや最低フレームレートの落ち込み方が厳しいように見える。4KになるとRTX 3060 Tiと大差ないところまで落ち込んでしまうが、メモリーバス幅2倍のGPUに並んでいる点はAda Lovelaceの凄さとして評価すべきだろう。とはいえ、4Kでもそこそこ動かそうと思うなら、RTX 4070(ある程度の画質下げは必須だが)以上のGPUが必要だ。
Overwatch 2に比べると描画負荷が重くフレームレートも出にくいため、ワットパフォーマンスの数値も全体的に低め。しかし、RTX 4060 Ti(8GB)は145〜153Wで処理できており、RTX 3060 Tiの75%程度の消費電力で同等以上のフレームレートを出せている(4Kは以上とは言いがたいが)。
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