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子どもでもeスポーツ大会が配信できる「mirai JAPANNEXT PARK」に迫る

鹿児島から全国へ!デジタル人材の未来を創る“Digital Edutainment”施設とは

2023年04月22日 10時00分更新

施設にはライブストリーミングスペースもあり、PCと2台のディスプレーが並んでいる。2基のシーリングライトも用意された本格的な配信環境だ

複数人数で利用できるスペースもある

――鹿児島県は、eスポーツ振興には積極的なのですか?

松田氏:例えば、群馬県ですと「eスポーツ課」を作って自治体が推進していますが、そういったところと比べると鹿児島県はまだそこまでは進んでいないですね。ですが、SEGA主催の「ぷよぷよ」の大会が鹿児島県で行なわれるなど、盛り上がりを見せる動きはあります。

――この施設は、特にどういった人に使ってもらいたいと考えているのでしょうか?

松田氏:ゲーム関連の仕事に就きたいと夢見る子どもたちが、気軽に試せるところがないという話も聞きますので、そういった子どもたちにこの施設を活用してもらいたいと考えています。

――たしかに、子どもたちのなりたい職業ランキングに、YouTuberやプロゲーマーといったゲーム関連の職業が挙がることが多くなっていますね。

松田氏:鹿児島県の自治体がゲーム企業を誘致するなど力を入れているかというとそうでもなく、そういった関連の職業に就きたいと考えると、ほとんどの人が東京などの大都市に行ってしまいます。そのため、まずはこのような施設でデジタルに明るい人材を育成し、そういった人たちが将来的に地元で活躍できる場ができるのが理想的ですね。

――それに、小学校や中学校でプログラミングが必修科目となったものの、それを実際に試せる場が各自治体にあるかというと疑問ですね。

松田氏:はい。鹿児島市の教育委員会とも連携して、いずれこの施設を教育の一環で使用してもらうような活用法も協議していきたいと考えています。個人的な理想は、各⾃治体に似たような施設ができることです。

利用者の休憩や簡単なミーティングができるスペースも用意されている

――mirai JAPANNEXT PARKには、小学生でも気軽に使える工夫が何かあるのでしょうか?

松田氏:まだ検討中ですが、小学生に限り無償化できないかとか、もしくはプログラミングの講座などを無償で提供できないかなど、さまざまな施策を検討中です。さらに、親御さんが子どもだけで利用しても心配ないような配慮もしていまして、照明などは明るい雰囲気づくりに努めています。

烏丸氏:小さいお子さんでも、親御さんと一緒に気軽に立ち寄ってPCに触れることができる、デジタルに関する入口になる施設というのが理想ですね。

――先日、内覧会を行ない、鹿児島県知事もお見えになったと伺いました。

小幡氏:はい。内覧会を通して今後、この施設についてどのように運営していくかの方針や状況などをご説明しました。この施設では、先ほどのJAPANNEXTゾーンや配信環境のほかに、クロマキーカーテンを使用した映像制作や、デジリハもできるようになっています。

――デジリハというのは何でしょうか?

松田氏:デジリハは、NPO法人が推し進めるDigital Interactive Rehabilitation Systemの略でして、デジタルアートやゲームを利用して、楽しみながらリハビリが行なえるというものです。先ほどの内覧会の折には県知事にも試していただきました。

●デジリハ(Digital Interactive Rehabilitation System):https://www.digireha.com/

松田氏:デジリハを採用することで、障害のある方にもこの施設を活かしてもらおうと考えています。例えば、病院がデジリハを1から導入しようとするとかなりハードルが高いのですが、この施設ならデジリハを試験運用していただく場として活用できます。また、デジリハは子どもを対象にしたものですが、リハビリという要素はシニア層にも受け入れられるのではないかとも思っています。

――さまざまな用途がありそうですが、となるとこの施設がどれだけの人に周知されるかが重要になってきそうですね。

小幡氏:はい。先日、地元の新聞にも「デジタルを楽しむ場所ができた」と紹介していただきました。各自治体とも連携してこの施設を広めていきたいですね。

松田氏:将来的には、鹿児島県内の各市町村に似たような施設を広めていきたいと思っています。その際に、この鹿児島市に作った施設がショールーム的な役割になればいいとも考えています。

――この場所で定期的な配信を行なう予定などはないのですか?

松田氏:もちろん考えています。それに、僕自身もガジェットが好きなので、そうしたものをレビューできるレビュワーもこの施設で育てていけたらなとも思っています。

――なるほど、施設名の“mirai”は人材育成のほか、この施設を作った人の未来に託した想いも込められているのですね。今日は、ありがとうございました。

いつかこんな施設が近所にできるかも?

 正直なところ、mirai JAPANNEXT PARKの話を聞いた際は、eスポーツを中心にしたネットカフェのようなものをイメージした。しかし、話を伺ってみると、eスポーツだけでなく、子どもたちの人材育成を中心に、鹿児島県をデジタルの分野で盛り上げていこうという想いがひしひしと伝わってきた。

 実際に利用するとなると、遠方の人にはハードルが高いが、いずれこうした施設が近所にできると喜ぶ人たちは多いのではないだろうか。そういった意味でも、mirai JAPANNEXT PARKはデジタル分野における大きな試金石であると言っていい。

(提供:株式会社JAPANNEXT)

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