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APUはAMD「Ryzen 5 5500U」、メモリーは32GBを搭載

原神はフルHDでも60fpsを維持! 「mouse CT6」は仕事だけでなく軽めのゲームプレイも快適なコンパクトPCだ

2022年12月19日 11時00分更新

文● 勝田有一朗 編集●市川/ASCII
提供: マウスコンピューター

日常作業を軽快にこなせる基本性能

 ここからは、各種ベンチマークの結果を交えながらmouse CT6の性能面を見ていこう。mouse CT6が搭載するRyzen 5 5500Uは、AMDの「Zen2アーキテクチャー」をベースとした薄型軽量ノートパソコン向けAPUだ(AMDではGPU内蔵CPUを「APU」と呼ぶ)。6コア/12スレッドでベースクロックは2.1GHz、最大ブーストクロックは4.0GHzに達する。ノートパソコン向けのAPUを用いることで、ここまでの省スペース性を実現しているわけだ。

 先代のmouse CT6は、APUも一世代前のAMD「Ryzen 5 4500U」だったが、Ryzen 5 4500UとRyzen 5 5500Uとの大きな違いはSMT対応にある。Ryzen 5 4500Uは6コア/6スレッドだったのに対し、Ryzen 5 5500UはSMT対応で6コア/12スレッドになっている。マルチコア向けベンチマークでの性能向上が予想される。

 そしてシステムメモリーは32GB(DDR4-3200 SO-DIMM 16GB×2)の大容量を標準搭載。クリエイティブ系のアプリにも十分対応できる容量だ。さらに注文時のカスタマイズオプションで最大64GBに増量することもできる。

 画面を描画するGPUには、Ryzen 5 5500Uに内蔵される7コアの「AMD Radeon グラフィックス」を採用。Ryzen APUに内蔵のGPUは軽い3Dゲームであればプレイ可能と言われている。またYouTubeなどで広く用いられているVP9コーデックに対応した動画デコード/エンコード支援機能も備わっているので、4K・60pといった重い動画も軽く再生可能だ。

CPU-Z(左)とGPU-Z(右)の実行結果

YouTubeで4K・60pの動画を再生中のタスクマネージャー。CPU使用率は一桁~10%台に収まっている

 では、いくつかの定番ベンチマークから、mouse CT6のパフォーマンスを探っていこう。

 まずはCPUのマルチスレッド性能とシングルスレッド性能を3DCGのレンダリング速度で測る定番の「CINEBENCH R23」から。

 結果はマルチスコアーが6027pts、シングルスコアーが1184ptsとなった。参考までに一世代前のRyzen 5 4500Uを搭載するノートパソコンでCINEBENCH R23を走らせた結果はマルチスコアーが約5500、シングルスコアーが約1160というものだった。

 シングルスレッド性能に関しての違いはほとんど見られないが、マルチスレッド性能は1割ほどの向上が見られた。SMT対応で6コア/6スレッドから6コア/12スレッドへパワーアップした賜物と考えられる。

 また、コンパクトパソコンの場合はAPUの冷却能力が気になるところだろう。CINEBENCH R23実行中のAPU温度を監視していると、最大81.5度(室温約15度)までの上昇を確認した。ちょっと高めに感じるが、Ryzen 5 5500Uの最大温度は105度と設計されているのでまだまだ仕様の範囲内。サーマルスロットリングの心配などはなさそうだ。

 なお、縦置きにしている場合は筐体上面、横置き時は筐体右側面に位置するスリットから排熱が行なわれる。APUの負荷が上がると冷却ファンの回転数が上昇し、暖かい排気が結構勢いよく吹き出してくるので、設置後はスリット部分を塞いでしまわないように注意したい。

CINEBENCH R23の実行結果

 次に、実アプリケーションに近い負荷でPC全体の性能を測る「PCMark 10」(Ver.2.1.2574)の実行結果がこちら。

 総合スコアーは5257で、その内訳は、アプリ起動速度、ビデオ会議、ウェブブラウジングの性能を測る「Essentials」が9371。表計算や文書作成のオフィスアプリ性能を測る「Productivity」が8382。写真編集や動画編集、3DCG製作などのクリエイティブ性能を測る「Digital Content Creation(DCC)」が5019という結果になった。

 飛び抜けて高いスコアーというわけではないが、いずれの項目も合格点と言える。特にEssentialsのスコアーは9000を超えており、日常的な作業は軽快にこなせる性能を持っていることが確認できた。

PCMark 10の実行結果

 続いて、3Dグラフィックス性能を測るベンチマーク「3DMark」(Ver.2.25.8043)を実施。今回は内蔵GPUのテストなので、フルHD解像度(1920×1080ドット)のDirectX 11テスト「Fire Strike」、WQHD解像度(2560×1440ドット)のDirectX 12テスト「Time Spy」、内蔵GPU向けテスト「NIGHT RAID」の3つのテストに絞ってベンチマークを行なった。

 結果はFire Strikeが3504、Time Spyが1398、NIGHT RAIDが13541という結果に。特にFire StrikeとTime Spyはスコアーがあまり伸びず、ベンチマーク中のフレームレートもFire Strikeで18fps前後、Time Spyに至っては一桁の8fps前後しか出ていなかった。内蔵GPUも進化してきたとはいえ、やはり外付けGPUとの差は大きい。

 ただ一方でNIGHT RAIDのスコアーはそこそこ高く、ベンチマーク中に60~80fpsほど出ていた。グラフィックス設定をかなり軽くできるゲームならば問題なく遊べそうだ。

 基本性能ベンチマークの締めは、内蔵ストレージの転送速度を計測する「CrystalDiskMark 8.0.4」から。事前に「CrystalDiskInfo 8.12.7」にて内蔵ストレージのモデルを確認したところ、試用機にはSamsungの「PM991a PCIe Gen3 NVMe 512GB」が搭載されていた。PCI Express Gen3接続で、容量512GBのM.2 NVMe SSDだ(モデルにより搭載ストレージは異なる)。

 テスト結果はシーケンシャルリードが3069MB/秒、シーケンシャルライトが1888MB/秒となった。PCIe Gen3接続のSSDの中ではミドルハイクラスに位置する性能で、パソコンの起動やゲームのローディングも素早く、快適にパソコンを使うことができた。

CrystalDiskMarkの実行結果

 標準構成のストレージ容量512GBは、ゲームなどをあまり遊ばず、ウェブ閲覧や動画視聴、オフィスアプリ用途などであれば十分な容量と言える。ただ、ゲームをそこそこ楽しみたいと考えていたり、写真や動画編集などのクリエイティブ用途でも使ってみたいと考えていたりするならば、512GBは少々物足りない容量だ。

 ちなみに、mouse CT6は注文時のカスタマイズオプションでストレージ容量を1TBもしくは2TBに変更することができるほか、内蔵HDDを1台増設しておくこともできるので、適宜必要な容量を注文しよう。

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