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くら寿司で15日まで販売中

【寿司】超希少な魚「スマ」が今なら全国チェーンで食べられる! そもそもスマって知っている?

2022年12月06日 17時30分更新

文● ナベコ 編集●ASCII

これが「スマ」の握りです!

 ごきげんよう。アスキーの食いしん坊ナベコです。自慢ではないですが、注意力散漫なわたしはしょっちゅう勘違いをしています。例えば、幼いころ“ハングリー精神”を、ブルース・リーならぬ、ハング・リーさんという闘志に燃えた格闘家の精神だと思っていたなど、挙げたらキリがありません。

 そんな中で、最近の勘違いがコレ。くら寿司から配信されてきたこんなリリース。

「スマート養殖で持続可能な漁業へ 大手回転寿司初! 幻の高級魚『AIスマガツオ』 12月2日(金)から全国のくら寿司で数量限定販売」

 一読して「AIスマガツオ」とはなんのこっちゃと。えっと、AIやIoT技術を駆使した“スマート養殖”という言葉があるから、スマート養殖で育てたカツオを“スマートガツオ”って名付けてそれを略したんだね、ふーん。……と、勝手に思い込んでいました。

 ところが、これが違うのでした!

 「スマ」という名称の魚がいるのでした。

めったに出回らない希少なお魚「スマ」

 みなさんスマをご存じですか?

■スマについて

スマはインド洋や太平洋の熱帯・亜熱帯域に広く分布する南方系の魚類です。西日本ではヤイトやオボソ、スマガツオなどと呼ばれており、天然の水揚げ量は極めて少なく、大都市の市場にはほとんど出荷されないため、主に水揚げされた産地で消費される「幻の高級魚」と言われる希少な魚です。「カツオ」と「まぐろ」の中間のような味わいで、全身トロとも言われる身質は、きめ細やかな脂がのり、臭みがなくさっぱりとした滑らかな口当たりが特徴です(くら寿司のリリースから)。

体の背部に横縞があってこの「シマ(縞)」が「スマ」に転訛したとか。※画像はくら寿司リリースから

 なんでもスマは、天然ものでいうと非常に獲れる数が少なく、なおかつ足も早いので、都市部にはほとんど出回らないそうです。また、主な産地は静岡県より南のため関東には入ってきづらいそう。確かにわたしは、都内の品揃え自慢のお魚屋さんに好んでいくことがありますが、スマは名前も見たことがないと思います。

カツオとまぐろの中間のようなお味

 で、肝心の味はどうでしょう?

くら寿司で数量限定販売中(~12月15日)の「AIスマガツオ」

 食べてみると、口に入れた瞬間の力強い赤身はカツオそのもの。カツオって血合いのような男前の味がしますよね。食感もねっとりとしてカツオ……なのですが、後味はまぐろの中トロ、大トロのように口の中で脂の甘みが広がります。え!! 最初はカツオなのに途中からマグロみたい!!

 スマは「カツオとまぐろの中間のような味わい」と評されることが多いよう。実際、まさにその通りだと感じました!

1貫165円

 コクのある赤身のおいしさ、からの脂のうまさ。私は、カツオもまぐろも好きなので、両方の良いとこどりのようで「うふふ」と声が漏れちゃいそうに。この意外性を確かめるために何貫でもパクパク食べちゃいそうです。これがスマなのか~!

 まぐろのトロを食べるより心持ちさっぱりといただけます。赤身が好きという人にいいのかも。

カツオとまぐろのいいとこどり

 くら寿司ではこのスマを「AIスマガツオ」という名前で12月2日~12月15日の期間、数量限定で販売。価格は1貫一皿で165円。スマを提供するのは大手回転寿司チェーンでは初めてだそうです。

くら寿司が取り組んでいるスマート養殖

 一度食べて、惚れ込んでしまうくらいおいしかったスマ。天然ものだと非常に希少ですが、愛媛県ではおよそ10年くらい前から養殖に取り組んでおり、現在、養殖のブランド魚として広めようという動きがあります。

 今回はくら寿司との取り組みで、スマート養殖で初めてスマの養殖に成功。通常であればなかなか出回らないスマが全国のくら寿司の店舗で展開されるに至るまで、愛媛県の想いとくら寿司の想いが重なっています。

スマート養殖した真鯛「AI桜鯛」※2022年3月から期間限定にて発売して現在終売 ※画像はくら寿司リリースから

 テレビなどで報道されることもあるように、寿司チェーンを展開するくら寿司(正式名称くら寿司株式会社)の子会社であるKURAおさかなファームは、AI、IoT技術を駆使したスマート養殖を生産者と共に取り組んでいます。今年3月には、スマート養殖で生産したマダイを初めて全国販売。また、同年6月にはまちのスマート養殖に日本で初めて成功。くら寿司では、2024年には店舗で提供するマダイ、はまちの1/3をスマート養殖で生産したものにしたいと目標を掲げています。

スマート養殖したはまち「特大切りAIはまち」※2022年6月から期間限定にて発売して現在終売 ※画像はくら寿司リリースから

 KURAおさかなファームのスマート養殖のポイントとなるのは、ウミトロン社が開発したスマート給餌機「UMITRON CELL」。これを用いることで、養殖において最も手間がかかるエサやりを自動化。さらに、AIが必要なエサを的確なタイミングで与えるため、成育スピードを早める、餌のロスを減らす、などのメリットも。給餌効率が最適化されることで、エサ代や漁船の燃料費の削減、環境負荷の低減にもつながるとか。

スマート給餌機「UMITRON CELL(ウミトロン セル)」を活用 ※画像はくら寿司リリースから

スマートフォンなどで、リアルタイムに生簀の状況を確認できる ※画像はくら寿司リリースから

洋上に行かなくても遠隔で餌を与えることも可能 ※画像はくら寿司リリースから

 また、KURAおさかなファームでは、寿司ネタにできる大きさまで育った魚は全量買い取る「委託養殖」により、スマート養殖での生産を生産者に依頼。これにより、クオリティの維持のみならず、生産者のリスク低減、収入の安定化にも結び付くということ。スマート養殖は、労働環境や後継者問題など、様々な課題がある日本の漁業の未来へ貢献する一手となるやもしれません。

「大とろと九州」フェアも開催中

 スマート養殖第3弾が今回のスマ。愛媛県や愛媛大学南予水産研究センター、地元の生産者が連携して今回のスマート養殖に携わっています。スマはふ化してから半年で出荷サイズになり、成長効率が良いことからも、生け簀の効率的利用に適うのではないか、といった観点からも注目されているそうですよ!

 食べてみるとびっくり。今まで名前を知らなかったことがもったいないと感じるくらいでしたので、「どんな味だろう」と気になった人はぜひお皿を手にとってみてほしいです。

「大とろと九州」12月2日~15日
※フェア商品は、予定数量に達し次第販売終了

 なお、くら寿司ではただ今「大とろと九州」フェアを開催中。九州産の海の幸も気軽に楽しめるフェア。個人的には「大切りとろさば盛り合わせ」(250円 ※12月11日まで)、「揚げいかしゅうまい」(250円 ※12月11日まで)など、お酒のおつまみにもぴったりなネタが推しです。お近くにくら寿司がある人は急げ!

「大切りとろさば盛り合わせ」(250円)
頬張るのが大変なくらい肉厚のさばが2種類

「揚げいかしゅうまい」(250円)
意外にもいかしゅうまいと酢飯があいました!

※記事中の価格は税込み

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訂正とお詫び:初出時、一部地名に誤りがあり訂正いたしました(12月7日)


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