フラグシップでもメディアテックが存在感
なぜクアルコムが中国市場を重視するのか。
おわかりのように、中国にはOPPOやシャオミ、vivoといった世界でもシェアの多いスマートフォンメーカーが数多い。ほかは、世界トップシェアは自社で半導体を手がけるサムスン電子だし、アップル・iPhoneも自社でAシリーズの半導体を手がけている。
日本においては、シャープやソニーなどのAndroidメーカーがあるものの、世界的なシェアはかなり小さい。結果として、クアルコムが中国市場を重視するのは当然というわけだ。
これまでエントリーやミドルクラスに強かったメディアテックに対して、クアルコムはフラグシップ向けをがっちりと押さえている印象があった。
しかし、2021年第一四半期の中国におけるフラグシップスマートフォン向けのシェアではメディアテックが12.1%だったのに対し、2022年第2四半期では33.9%もシェアが向上しているという。いまだに大部分はクアルコムがシェアを抑えているものの、着実にメディアテックの存在感が増しているのだ。
スマートテレビで知られるメディアテック
メディアテックといえば、日本ではSIMフリースマホの一部に搭載されていたり、キャリアが採用するエントリーモデルにごく一部、採用されているなど、まだまだマイナーなブランドでしかない。
しかし、世界的に見れば、スマートフォンやフィーチャーフォン、ARMベースのChromebook、Androidタブレット、ボイスアシスタントデバイスなどでトップシェアを誇っている半導体メーカーだ。
特に注目なのがスマートテレビであり、Androidが搭載されているような日本メーカーのスマートテレビにおいては、相当なシェアを誇っているのがメディアテックなのだ。
これまではエントリーやミドルクラスが中心だったスマートフォン向けの半導体であったが、フラグシップ向けも開発を強化することでクアルコムの牙城を切り崩すつもりのようだ。
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