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10WごとのゲームパフォーマンスをRTX 4090/3090 Ti/3080と比較

ワッパはRTX 3080 FEの最大2倍!GeForce RTX 4080 FE速報レビュー【前編】

2022年11月15日 23時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集● ジサトラユージ/ASCII

「Rainbow Six Siege」はワットパフォーマンスが劇的に改善

 ここより先は実ゲームにおけるフレームレート検証となる。ゲーム内ベンチマーク機能の有無に関係なく「CapFrameX」を用いて実フレームレートだけをチェックする。

 まず「Rainbow Six Siege」では、APIにVulkanを選択。画質“最高”にレンダースケール100%を追加した。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。

Rainbow Six Siege:Vulkan API、1920x1080ドット時のフレームレート

Rainbow Six Siege:Vulkan API、2560x1440ドット時のフレームレート

Rainbow Six Siege:Vulkan API、3840x2160ドット時のフレームレート

 描画負荷が軽いため、RTX 4090 FEとRTX 4080 FEの差は極めて小さい。フルHD時のみ平均フレームレートで30fps程度差が付いているが、全体から見ると5%程度。WQHD→4Kと解像度を上げると差がほぼゼロになるのは、GPU以外の部分がボトルネックになっていると思われる。

 RTX 30シリーズとの差はフルHDでは誤差の範囲だが、解像度が高くなると拡大する。特にRTX 3080 FEと比較した場合、WQHD以上ではRTX 4080 FEが40%程度上となる。

 続いてはフレームレート計測時にCapFrameX上で観測されたGPU Powerの比較だ。ここでは平均値と最大値に着目している。解像度を変えるとGPU負荷も変わってくるので、解像度別にまとめている。

Rainbow Six Siege:ベンチマーク中のGPU Powerの平均および最大値

 負荷の低いフルHDではフレームレートに大差はないが、逆にGPU Powerでは大きな差がついている。RTX 3080 FEがフルHDで定格TGPの97%程度のGPU Power(312W)で仕事をして平均524fpsを出しているところを、RTX 4080 FEは平均191Wで539fpsを出しているのだ。解像度が上がるとRTX 3090 Tiは450W前後で仕事をするようになるが、RTX 4080 FEでは280W前後でRTX 3090 Ti以上のフレームレートを出せる。

 前掲のシステム全体の消費電力データを見てしまうと、Ada Lovelace世代のGeForceは電力バカ食いのイメージがあるが、Rainbow Six Siegeのように負荷の軽いゲームであれば、フルで回してもワットパフォーマンスは良好ということになる。

 そこで解像度別の平均フレームレートをGPU Powerの10分の1で割り、GPU Power 10Wあたりが稼ぎだしたフレームレートを比較した表が次の図となる。

Rainbow Six Siege:各解像度におけるGPU Power 10Wあたりのフレームレート

 Ampere世代に対し、Ada Lovelace世代のワットパフォーマンスはざっと1.6倍〜1.9倍程度と見積もることができる。無論これはゲームの描画負荷に連動するので、あくまでRainbow Six Siegeの場合だ。それを踏まえても、RTX 4080 FEはRTX 3080 FEよりも完成度が上がっている。値段があれだけ高ければ当然なのだが、技術の進歩をしっかりと感じ取れる。

RTX 3080 FEの最大1.5倍の
フレームレートを出した「Overwatch 2」

 「Overwatch 2」では、画質“エピック”を選択し、レンダースケール100%、フレームレート上限600fps、FSR 1は無効とした。マップ“Eichenwalde”におけるBotマッチを観戦中のフレームレートを計測した。

Overwatch 2:1920x1080ドット時のフレームレート

Overwatch 2:2560x1440ドット時のフレームレート

Overwatch 2:3840x2160ドット時のフレームレート

 Overwatch 2は画質設定を下げると低スペックGPUでも結構回る印象があるが、エピック設定まで盛りFSR 1を無効化するとそこそこの重さになる。その証拠に、RTX 4080 FEはフルHDの段階でRTX 4090 FEの約18%下、4Kにもなると約32%下まで拡大する。

 また、RTX 4080 FEとRTX 3090 Tiとは4Kでほぼ差がなくなるが、RTX 3080 FEとではRTX 4080 FEのほうが最大で40%程度上の性能になる。Ada Lovelace世代とAmpere世代の同ランクと比較(3080なら4080)した場合、性能はAmpere世代の1ランク以上上に相当するといったところか。

Overwatch 2:ベンチマーク中のGPU Powerの平均および最大値

 フレームレート計測中のGPU Powerを比較すると、Rainbow Six Siegeと異なりRTX 4090 FEや4080 FEの消費電力が増えている。だが、RTX 4090 FEは4Kになっても平均406W止まりだし、RTX 4080 FEも301Wと定格より低めだ。

 これは、描画負荷がRainbow Six Siegeより高いためGPUはそれなりに働いているが、まだフルパワーと言える状態ではない、ということを示している。しかし、RTX 3090 Tiや3080 FEはWQHDの時点で定格TGPに近い値を出しており、フルロードに近い状態での運用になっているようだ。

Overwatch 2:各解像度におけるGPU Power 10Wあたりのフレームレート

 10Wあたりのフレームレートを求めてみると、RTX 4080 FEはわずかにRTX 4090 FEよりもワットパフォーマンスが高く、RTX 3090 Tiに対してはフルHD時でほぼ2倍、解像度が高くなるとRTX 4080 FEもそれなりに働くため1.7倍程度になる。ただ、RTX 3080 FEと比較するとRTX 4080 FEは最大1.67倍(フルHD時)に縮まる。

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