ネットいじめに関する調査でわかったこと
マカフィーが2022年8月末に公開した「見え隠れするネットいじめに関するグローバル調査(Cyberbullying in Plain Sigh)」。これは日本を含む世界10ヵ国、計1万1687人の親とその子どもによるアンケート結果で、未成年の子どもを持つ親御さんなら興味津々のデータが満載です。
※調査は2022年6月15日~7月5日に世界10ヵ国(オーストラリア、ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、インド、日本、メキシコ、イギリス、アメリカ)の10歳から18歳の子どもを持つ1万1687人の親とその子どもを対象にオンラインアンケートで実施。
意外にも日本はいじめが少ない?
そんな馬鹿なと思う方も多いでしょうが、今回の調査結果ではネットでのいじめ発生率が10ヵ国中最も低い29%でした。世界平均が63%ですから半分以下です。いじめを苦にした自殺のニュースが珍しくもない国ですが、それでも諸外国と比べれば穏やかに学生生活を送れる国、なのかもしれません。
次に、ネットいじめの発生場所として考えられる著名プラットフォーム(Webサービス)でのいじめ発生報告件数を調査した結果、ここでも日本は世界平均をはるかに下回っています。ただしTwitterは例外で、世界平均18%のところ日本だけ38%と倍以上の数値を叩き出してしまいました。
なお、今回の調査対象はTwitterのほかFacebook、Instagram、WhatsApp、Facebook Messengerというラインナップです。日本の場合、子どもの間ではInstagram以外さほど流行っていないサービスですから、実情とかけ離れている可能性も考えるべきでしょう。
何よりこのアンケートには、日本のライフラインと言っても過言ではない「LINE」が入っていません。次の機会があるならば、各国特有のプラットフォーム事情を考慮した調査も見てみたいものです。
- Twitter:日本38%、全世界18%
- Facebook:日本16%、全世界49%
- WhatsApp:日本5%、全世界38%
- Instagram:日本21%、全世界36%
- Facebook Messenger:日本4%、全世界28%
※今回の調査対象には、LINEは含まれていません。
日本の子どもは案外正直者だ!?
もう1つ意外なデータがあります。親に心配かけまいとネットいじめを隠している子どもの割合を調べたところ、日本が最も少なかったのです。これも日頃からいじめの報道などに接している我々からすると意外に思えます。
調査結果によれば、親に隠していると答えた日本の子どもはわずか9%でした。ちなみに、文部科学省の調査によれば「小・中・高等学校及び特別支援学校におけるいじめの認知件数は51万7163件(前年度61万2496件)。児童生徒1000人あたりの認知件数は39.7件」とのこと。そして自殺者数は415人(前年度317人)で調査開始以降最多を更新しています。
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