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G-Master Hydro Z690 Extreme/D5をレビュー

最大6.2万円引き!?GeForce RTX 3090 Ti&Core i9-12900KSの最強デュアル水冷PCをチェック

2022年06月22日 11時15分更新

2つの水冷クーラーでハイエンドパーツを強力に冷やす

 「Extreme」を名乗る理由は、水冷CPUクーラーに120mmファンを3基搭載する360mmの巨大なラジエーターを採用している点にある。

CPUクーラーはFractal Designの「Celsius S36」を採用。360mmラジエーターは内部前方に配置し、PC前方側面のスリットから吸気している

 高負荷な処理が長時間続く場合、多くのPCでは最初の短時間だけCPUを最高スピードで動かし、その後は少し動作クロックを落とすという設定になっている。これは作業効率を重視した制御で、熱による大幅なクロックダウンを意図的に避けることで、結果的に作業時間を短くしようというもの。

 しかしながら、作業中の動作クロックを高く維持できれば、そのぶん早く処理が終わる。しかし、高クロック動作の時間を長くなるよう設定した場合、当然発熱は大きくなる。この高熱にも対応できる冷却性能の高さが、360mmラジエーターの強みとなる。

 特に、第12世代Coreの型番に「K」が付くモデルや、物理コア数が多いCore i7以上の製品は発熱が大きくなりやすい。それだけに、360mmラジエーターが真価を発揮する機会は多いだろう。これから本格的な夏場を迎えるにあたり、冷却性能は高いに越したことはない。

 もう1つの水冷クーラーはビデオカード用。こちらは240mmのラジエーターを採用しており、ビデオカードの冷却用としては十分なサイズだ。

水冷ビデオカードはAsetek製の水冷クーラーと、サイコムのビデオカード加工で実現している

 ちなみに、G-Master Hydro Z690 Extreme/D5のBTOメニューにあるGPUは、GeForce RTX 3070、同3070 Ti、同3080、同3080 Ti、同3090、同3090 Tiと、ものすごく選択肢の幅が広い。今回の試用機のように、現状最強のCPUとGPUという震えるような構成をデュアル水冷で実現できる点は、本機にしかない魅力と言えるだろう。

GeForce RTX 3070から同3090 Tiまで選択できる。もちろん、すべてのビデオカードが水冷仕様となる

 では、水冷ビデオカード自体が珍しいものかと言えば、実はグラボメーカーの既製品がいくつか存在する。しかし、その多くはエンスージアスト向けの超高価なモデルで、その供給量は決して多くない。そうなると、BTOメニューに採用するにはやや不安が残る。その点、サイコムは独自に水冷ビデオカードを用意しているので、GPUがあればいつでも安定して供給できるというわけだ。

 しかも、同社の水冷ビデオカードはヒートシンクの一部を加工したり、メモリーの冷却効率を上げるために専用プレートを開発したりと、かなり手が加えられている。もちろん、最新GPUが登場すれば、そのたびに検証してBTOメニューに加えるかどうか判断しているという。この実直な対応で、PC自作でも難易度が高い、ハイエンドなデュアル水冷PC構成を実現している。

 多くのメーカーが特色あるBTOパソコンを販売しているが、ここまで「水冷」にこだわったモデルはかなり珍しい。CPU/GPUメーカーの最新製品は年々高性能になっており、市場競争も激化の一途をたどっている。ゆえに、ハイエンドCPU/GPUはライバルに勝利するべく、どんどん高発熱になってきている。サイコムの設計思想はそんな市場背景に合致していると言えるだろう。

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