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コロナ禍の変化はブラザーにプラスの変化をもたらしたのか?

2022年06月20日 09時30分更新

製造、物流、小売、医療を特定市場とし、ビジネスソリューション事業強化

 2022年度からスタートしたブラザーグループの新中期戦略「CS B2024」において、ブラザー販売では、コンシューマ事業、ビジネスソリューション事業、オーダーグッズ事業、ホームファッション事業の4つの事業を推進する考えを示す。

 コンシューマ事業では、顧客とのつながりを大切にし、次もブラザーを購入してもらえる環境を築くためのサービスを提供。オーダーグッズ事業では、ガーメントプリンターをはじめとする事業を展開。印刷データのやりとりや、大量印刷に向けたソリューション提案力を徹底的に強化する。また、家庭ミシンを中心としたホームファッション事業では、高品質のコンテンツ提供を通じて、より高度な作品を顧客自らが製作できるカスタマ体験を創出するために、プラットフォーム化や顧客接点の強化などにも取り組むという。

 三島社長が成長戦略に強い意思をみせたのが、ビジネスソリューション事業である。

 「今後3年間で、BtoB特定市場での成長率ナンバーワン企業を目指し、スピード感を持って取り組む。さらなる業種の理解、提案の質の向上に努める」とする。

 特定市場にあげたのが、製造、物流、小売、医療の4つの市場である。

 製造分野では、工場現場にパソコンが持ち込めない環境下でも、設備とプリンターを連携し、製品に貼付する銘板ラベルを印刷。貼り付けるところまでを自動化できる提案などを推進。物流分野では、倉庫における入庫から棚での保管、ピッキング、出荷に至るまでの工程管理にバーコードラベルを使用する際の印刷にプリンターを採用。ブラザーが持つ豊富なラインアップにより、倉庫の入口から出口までトータル提案を行うという。自動搬送ロボットと連携した提案も行う考えだ。

 小売分野は、もともとブラザーが強い分野であり、レジ周りやバックヤードなどでも多くのラベルプリンターが導入されているが、「変化のスビードが速い業種であり、トレンドにあわせて提案の幅を広げることが大切である」と語る。コロナ禍においては、テイクアウトやデリバリーが増加していることにあわせて、食品に貼付する食品表示ラベルや、食材管理ラベルの用途が増大。調理用食材の賞味期限を正しく表示し、アレルギーなどへの対応が図れるように対応。「食品のトレーサビリティ管理をすることで、安心、安全な店舗運営が可能になる」としている。

 医療分野では、2022年に入って、医療情報システムの安全管理に関するガイドラインが改定され、これまで以上に情報セキュリティへの対策が求められていることを指摘。「これに伴い、電子カルテの導入が進むことになる。紹介状や問診表などの紙書類を電子化し、電子カルテと関連づけることで、患者のIDを一元管理することができる」とする。書類の電子化を行う際には、e-文書法や電子帳簿保存法に遵守する必要があるが、ブラザーのスキャナーは保存要件を満たしており、安心して現場の電子化を推進できるという。2022年3月には、信頼性を高めた高速スキャナーの新製品を発表している。

 「これらの特定業種において、お客様が現場で抱える様々な課題やトレンドに沿って、最適な提案を行っていく」と、ビジネスソリューション事業の基本姿勢を示す。

演台に設置されたDF-2を紹介する三島社長

 さらに、ブラザー販売では、この3年間で新規事業の創出も目指しており、ここでは、ブラザーの独自技術を活用したスポットクーラー「Pure Drive」や、先に触れたパーソナル空間向け小型空気清浄機「DF-2」などの販売拡大を進めることになる。

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