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「気球で宇宙遊覧旅行」の岩谷技研 北海道期待のスタートアップ5社

2022年06月20日 07時00分更新

株式会社FLINTZ:クラウドツール「スマビル」でビル管理の見える化を実現

 ビル管理業務はいまだに紙をベースにした書類処理の業務が多く、デジタル化が進んでいない分、非効率や低い生産性からの脱却が進んでいなかった。北海道のビル管理会社の二代目後継ぎとしてビル管理業務の裏も表も熟知しているFLINTZのCEO 高森 拓也氏は、この問題を解決するためにクラウドツール「スマビル」の開発を進めている。

株式会社FLINTZ CEO 高森 拓也氏

 ビル管理の業務は建物そのものの維持・補修に関わるものの他、上下水道や駐車場など付随する設備に関するものなど多岐にわたっており、非常に多くの書類を作成しなくてはならない。一方で国内のビルの平均築年数は31.6年に達するなど老朽化が進んでおり、修理や点検がますます煩雑になってきている。また従業員が不足している業種でもあり、業務のデジタル化を避けて通ることができない。

 スマビルでは様々な形式の報告書フォーマットをGoogleフォームのように簡単に作成することができる。そしてあらかじめ格納しておいたビルの図面に修繕内容をタイトルや作業詳細とともに記載する。記載した内容はスマホからも確認ができ、見積もりや写真などとも紐づけが可能で、検索機能もあるので過去データを探し出すのが非常に効率化される。ベータ版の利用者へのヒアリングでは、書類の検索時間が従来の300分の1、書類の作成時間は従来の半分以下、業者間のやり取りでは電話がゼロ件になったとの結果が出ている。

 現在はビル管理データの一元化とビル管理業務の効率化がプロダクトの中心となっているが、将来的にさらにデータを活用し、賃料の最適化、保険や融資の査定、協力業者の選定まで行えるようにし、ビル管理のプラットフォーム化を目指している。

 FLINTZはまず点検項目や修繕が多く、デジタル化が遅れている雑居ビルの管理会社をメインターゲットとして事業を展開していくとしている。日本全国に10万棟あると言われる雑居ビルの管理会社のDX化が進めば、修繕の遅れなどに悩まされている利用者にとってもメリットの大きなプラットフォームとなるだろう。

「ビル管理会社は平均何棟くらいのビルを保有しているのか。また将来的に顧客単価はどうやって上げていくのか」(山崎氏)

「私の顧客だと5棟以上持っているところが多い。アップセルについては、月額基本料金に加えてデータを活用した計画書の作成機能や、賃料や修繕の自動提案などの新機能を実装していく。また、ビル管理業者は以前から付き合いのある業者を使いたがるが、問題発生時にたまたま手が空いていないということもある。そういったときに新たな業者を見つけることができるプラットフォーム事業としてマージンを取っていくことを狙っている」(高森氏)

株式会社 FORH BODY PERFORMANCE:部活と地域のスポーツ指導者つなぐクラウドプラットフォームBUKARUを運営

 授業だけでなく、生徒の日常生活や部活動の指導に追われる教師の労働時間は週平均60時間を超えており、いわゆる過労死レベルに達してきている。その一番の負担は土日祝日にも行われることのある学校での部活動にあるとされており、スポーツ庁では2025年までに地域の民間スポーツ指導者への移行を目指すとした。

 一方でどのようにして指導者を探すのか、特に地方では経験ある指導者を探すのが難しい場合もあり、手続きの整備や探す手間の軽減を実現するプラットフォームとしてFORH BODY PERFORMANCEの代表取締役 森田 敦氏はBUKARUを開発した。主な機能として、指導者のマッチングや学校・学生・保護者との連絡、スケジュール管理などはすべてWebで完結させている。さらに報酬の振込、金融面もカバーしている。

株式会社 FORH BODY PERFORMANCE 代表取締役 森田 敦氏

 さらに、地方では地元に指導者がおらず、また移動に時間がかかることも想定されるので、遠隔でのサポートも可能となっている。BUKARUを活用することで、学校側は先生の労働環境の改善、指導者は収入を得られ、学生たちは好きな部活でさらに専門家のアドバイスを受けられるようになる。

 ビジネスモデルは自治体とのB2Bでマッチング1件当たり20万円の報酬と補助金の収入に加えて、指導者のプレミア会員や学生の保険サポート、地域採用からのスポンサーやスポーツショップからの広告などを想定している。

「このシステムは強豪校ではなく緩くやりたい人をターゲットにしているのか」(石倉氏)

「そもそもトップを狙う層はそういう学校に行くと思うので、楽しくスポーツをとか、全国大会に行きたいよねとかいった層を狙う」(森田氏)

「少子化で1つの学校でチームを作れなくなっているという話も聞く。地域にA、B、Cという学校があって、それらを集めてチームを作るということもできるのか」(石倉氏)

「おっしゃる通りチームを作れなくなってきているので、合同でチームを作って一緒に大会に出るということも想定している。その場合は、学校や教育委員会ではなくて自治体からBUKARUにオファーを頂くことになる」(森田氏)

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