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B Dash Camp 2022 Summer in Sapporo「PITCH ARENA FINAL ROUND」

AI作曲からイスラエル国防軍級のセキュリティ対策、衛星データ解析 B Dash Camp登壇スタートアップ詳報

2022年06月27日 11時00分更新

PITCH ARENA FIRST ROUND出場の18社から、ASCII STARTUPが注目の2社をピックアップ

 惜しくもPITCH ARENA FINAL ROUNDへの出場は逃したものの、FIRST ROUND出場スタートアップはいずれもキラリと光るビジネスを展開していた。そこで予選出場18社(うち7社は本選出場)の中からASCII STARTUPが注目する2社について、FIRST ROUNDでのピッチの様子を紹介する。

株式会社インターホールディングス:真空技術で環境問題に挑む

 現在地球上で大量の温暖化ガスが発生しているが、この多くは食品や日用品の包装やその物流に起因している。また毎日大量に生じているフードロスがゴミを生じ、その処理のためにも温暖化ガスが発生している。株式会社インターホールディングスは、真空特許技術でこの課題を解決する事業を推進している。

株式会社インターホールディングス 代表取締役社長兼COO 成井五久実氏

 手軽に真空状態をつくりだせる仕組みと容器を開発。たとえば、お米を同社の事業を説明すると、まず現在5kgや10kgなどのパッケージで小売店に卸されている精米を、再利用可能な100kgの真空パックで販売する。このパッケージは店舗の販売機に直接セットすることで、物流においても店舗においても作業コストを削減できる。

 販売機にセットされた精米を、消費者は真空マイボトルを使って必要な分だけ購入する。真空保存された精米は従来のパッケージに比べて長期保存が効くので、おいしいお米をいつまでも楽しむことができるようになるし、フードロスも削減できる。

 すでに大分県でオーガニック野菜の販売をスタートしており、今後は北海道の牛乳や青果の世界販売、飲食店でのワインの量り売りなどの事業を展開していく。さまざまなマーケットでの利活用でき、購買履歴から割引に使えるポイントを発行する環境アクセラレータビジネスも含め、国際マーケットでの活躍も期待できる。

Scene株式会社:モノづくりの現場で使えるコラボレーションツールSceneを開発する

 ソフトウェア業界ではデジタルな情報がメインであり、リモートワークやコラボレーションに取り組みやすい。一方、モノづくり業界では実体のあるものを扱うため、現在のツールではリモートワークやコラボレーションに高いハードルがあった。

Scene株式会社 代表 ビジャヤン スワティナト氏

 モノづくりの現場とのコミュニケーションに必要なのは、メンテナンス資料や修理指示書など具体的な作業指示だが、従来はその作成に非常に大きな作業が発生していた。例えば修理の仕方を説明する資料を作成するには、作業を行う工場に移動し、機械や道具を用意し、作業を行いつつ写真撮影を行い、説明文を付加したドキュメントをワードやエクセルで作る必要があった。

 そこで3D CADデータをそのまま用いて資料作成・コミュニケーションを行うプラットフォームSceneを開発した。Sceneでは直接3D CADデータへのアノテーションをつけることができ、同時にアニメーションなどによって作業手順が具体的・視覚的に理解しやすいようになっている。できた資料はURLを送れば誰とでも共有でき、作業の効率化やミス削減が実現できる。

 それまで作成に4日かかっていた作業指示書が2日でできるようになり、現場からの確認の電話やミーティングも不要となったユースケースが紹介されていた。既に国内外7社で導入が進んでおり、間もなくさらに3社で導入の予定となっている。

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