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現在のゲーミングノートPCの中でもトップクラスのパフォーマンス

快適なPCゲームプレー環境を求めるなら、最高スペックが全部入っている17.3型ゲーミングノートPCがオススメ!MSI「Vector GP76」レビュー

2022年04月25日 11時00分更新

文● 石川ひさよし 編集●ASCII
提供: エムエスアイコンピュータージャパン

 レイアウトを見ると、17.3型とは言え、左右に十分なスペースを置きつつ10キーも搭載しているのでやや中央寄りに集約されている。そのため上下左右キーなど一部はやや詰まった印象を受けるが、キーピッチは一般的なノートPCと同等の間隔を確保しており、キーストローク量や打鍵感はSteelSeries製とあって、ゲーミング仕様と言える感触だ。

10キー付きのレイアウトで普段使いの数値入力も素早く行なえる

ノートPCでは一般的に左寄りにあるFnキーだが、本製品は上下左右キーの左に配置。ただしFnキーとのコンビネーションを必要とするのは主に設定変更など最小限なので大きな影響はないだろう

積極的に高画質設定を狙える高性能

 それではVector GP76のパフォーマンスをベンチマークで計測していこう。まずはPC比較のための指標となるベンチマークの結果から紹介したい。電力設定はMSI CenterからFeatures、User Scenarioを開き、「究極のパフォーマンス」を選んでいる。

 CPU性能を見るCINEBENCH R23では、Multi Coreが17588、Single Coreが1811だった。第12世代CoreでCPUコア数が格段に増えたこともありマルチスレッド性能、つまりMulti Coreスコアが大きく向上している。これは第11世代のCore i9を上回る。また、シングルスレッド性能、Single Coreスコアも向上している。マルチ/シングルスレッドとも高性能ということは、普段のPC作業からゲームまで、幅広く性能向上が期待できる。

CINEBENCH R23のスコアは、Multi Coreが17588pts、Single Coreは1811pts

 続いてアプリケーション性能を見るPCMark 10(Extended Test)。

PCMark 10(Extended Test)のスコア

 最後はゲーミングノートPCの本命、3D性能を3DMarkで計測した。

3DMarkの各スコア
Time Spy 12763
Night Raid 58575
Fire Strike 27053
Port Royal 7696

 それぞれノートPCとしてはかなり高めのスコアだ。全体的にCPU(またはPhysics)スコアが高く、これに合わせてGPUテストのGraphicsスコア、CPU&GPU双方に高負荷をかけるCombinedスコアも伸びている。3D性能を大きく左右するのはGPUだが、それをさばくCPUの存在も重要だ。この結果を見るかぎり、強力なCPUがGPUの性能をいかんなく発揮している印象である。

 続いてはゲームベンチマークでどのくらいのフレームレートが出るのか見ていこう。まずはFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITIONベンチマーク。

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITIONベンチマークのスコア

 まず、1920×1080ドットの高品質設定で1万2000ポイントを超え「非常に快適」評価を得ている。このベンチマークにおいて「非常に快適」評価は平均90fpsあたりであることを意味している。現在でも高フレームレートを得るには高いスペックを必要とするベンチマークであり、それでこの評価ということはVector GP76のパフォーマンスの高さを示していると言えるだろう。

 続いてはHorizon Zero Dawn。最低フレームレートが極端に低く出ることがあるため、これの代替としてCPUフレームレート側の99%fpsを採用したグラフを採用している。

Horizon Zero Dawnのフレームレート

 1920×1080ドット環境においては、最高画質設定でも99%fpsが60fpsを下回ることはなかった。平均fpsは100fpsを超えており、快適なプレイが可能だ。

 次にFar Cry 6。最高画質のUltra設定でもHorizon Zero Dawnより若干負荷が低いこともあり、1920×1080ドットでは最小93fps、平均115fpsという結果だった。

Far Cry 6のフレームレート

 次はTom Clancy's Rainbow Six Extraction。1920×1080ドット、最高画質で最小117fps、平均180fpsを得ており快適だ。ひとつ下の超高画質の場合、最小148fpsを記録しているので、V-SYNCをオンにしても144HzというVector GP76のパネルスペックを引き出すことが可能になる。

Tom Clancy's Rainbow Six Extractionのフレームレート

 最後にTom Clancy's Rainbow Six Siege。今回の中ではもっとも軽量なタイトルということもあり、1920×1080ドット、最高画質設定で最小345fps、平均415fpsだった。グラフのとおり、画質設定を変更してもおおよそこのあたりの結果だ。Rainbow Six Siegeに関して言えばオーバースペックだが、言い換えればV-SYNCオンで144fps固定とした際、GPU負荷を抑えることができ、つまり発熱を抑え、動作音を抑え、快適なプレイ環境が得られるとも言える。奥行き60cmの机で使用を想定し、耳の位置に騒音計を置き計測したところ、V-SYNCオフで平均415fpsの際はおよそ44dB(この数値でもゲーミングノートPCとしては比較的静か)だったが、V-SYNCオンで144fpsに抑えた際は38dBと、数値的にも体感的にもより静かになった。

Tom Clancy's Rainbow Six Siegeのフレームレート

まとめ

 Vector GP76は現在のゲーミングノートPCの中でもトップクラスのパフォーマンスと言ってよい。さらに、17.3型の画面サイズが窮屈感を和らげてくれるので、快適さでもひとつ上のクラスだ。

フルHD以上の高解像度で使いたい場合は外部出力を活用しよう

 Vector GP76のスペックで、パネル解像度がフルHDである点を不満に思う方がいるかもしれない。確かにこれだけのスペック、これだけのパフォーマンスだったならもっと上の解像度を狙えただろう。ただ、より高解像度で楽しみたいときは外付けディスプレイに出力すればよい。HDMIでテレビへ、Mini DisplayPortでデスクトップPC用ディスプレイへ、そして最新ディスプレイで採用が進むUSB Type-Cも備えている。机の上に縛られない、家庭内を自由に、時には自動車に積んでどこへでも、といったアクティブかつ高性能なゲーミング環境がVector GP76の魅力と言えるだろう。

Vector GP76詳細ページ
MSI Storeで購入する
MSIサイト

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