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サイコム「Silent-Master NEO Z690/D4」をレビュー

本当に動いてる?Core i5-12400&RTX 3060搭載ゲーミングPCが生活音よりも静かだった件

2022年04月06日 13時00分更新

静音性にこだわった結果の「空冷CPUクーラー」

 静音PCと聞くと水冷クーラーを連想する人が大半だと思うが、実は「水冷」はあらゆるシーンで「空冷」よりも静かというわけではない。その理由は簡単で、液体を循するためのポンプが常に動作しており、ラジエーターを冷却するファンは必ず必要になるからだ。これに対して、空冷クーラーの騒音源はファンの動作音のみ。つまり、同じファンが同じ回転数で動作している場合、ポンプのぶんだけ水冷クーラーのほうがうるさくなるケースがあるのだ。

 ただし、水冷クーラーの場合、空冷クーラーよりも熱伝導性が高く、高負荷時もファンの回転数は低く抑えられることが多い。対して、空冷クーラーは大型ヒートシンク搭載モデルでもない限り、高負荷時はファンが高回転になりがちだ。ゆえに、静音性という意味では、低負荷時は空冷クーラー、高負荷時は水冷クーラーが有利と考えることもできる。

 Silent-Master NEO Z690/D4は高負荷時よりもアイドル時やCPU負荷がMAXにならない一般用途時の静音性を重視し、あえて空冷クーラーのNoctua製「NH-U12S」を採用している。このクーラーは静音性と冷却性に優れ、自作PCファンから絶大な人気を得ているモデルとなる。さらに、PCケースファンにも静音性に定評があるNoctua製のファンを採用し、静音性に振り切った構成になっている。

ファンのサイズはCPUクーラーと背面排気は120mm、フロントの吸気は140mmを採用。ファンをすべて静音性に定評のあるNoctua製にすることで、動作音を極力抑えながら冷却性もしっかり確保している

フロントの吸気ファンは140mmと大型。動作音は静かだが、冷たい外気を強力に取り込んでくれる

 ビデオカードは低負荷時にファンの回転が停止するセミファンレスモデル、MSI製「GeForce RTX 3060 VENTUS 2X 12G OC」を装備。さすがにゲーム中はファンが回転するものの、特殊形状のファンブレードのおかげで、静かな低回転でもしっかりと冷える。

 PCケースにはCooler Masterの静音モデル「Silencio S600」を採用。重厚感があって振動に強いスチール製で、遮音材付きのフロントパネルとサイドパネルを備える。また、余計な吸排気口は極力減らしたデザインで、PC内部の騒音を外部へ漏らさない工夫を数多く施してある。

遮音材を貼ったサイドパネル。音の反射や振動を防ぎ、騒音が外部へ漏らさないようにしている

 PCの内部はサイコムらしく、ケーブルを極力見せない組み立て技術が光る。もちろん、これは手間のかかる裏配線を多用することで実現している。また、ケーブルレイアウトによるエアフローの乱れを防ぎ、CPUやGPUの熱がなるべく上がらないようにするという副次効果をもたらしている。

表面と比べると、裏面はケーブルが多い。しかし、結束バンドなどでキレイにまとめられ、どのケーブルがどのPCパーツにつながっているのか、わかりやすく配線している

 裏配線のケーブルレイアウトは無駄がなく、あいかわらず非常にわかりやすい。これはサイコムのこだわりで、ユーザーが自分でストレージを増設しようとした時でも、迷わず作業できるようにという心配りだ。これだけスッキリしていれば、増設も簡単にできるだろう。

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