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オリジナルチームを作って商品獲得を目指す スポーツ予想プラットフォーム「ドリームチームズ」

 2021年10月、名古屋テレビ放送株式会社の子会社であるドリームチームズ株式会社が、「ドリームチームズ」という スポーツ予想プラットフォームを新規事業としてスタートさせた。同サービスはWリーグ(バスケットボール女子日本リーグ)と提携しており、実在のWリーグ所属選手の活躍を予想して賞品を獲得できるというものだ。Wリーグの知名度向上やファン獲得に貢献できるのではと注目されている。

実際の試合と紐づけてポイントを競う

「ドリームチームズ」は無料で参加できる予想ゲームだ。ユーザーはWリーグに所属する実在の選手の中から、ポジションごとに5人のプレーヤーを選出。プレーヤーは選手の過去の活躍データを基に「架空の年俸」が設定されており、1億円という定められた総年俸内で5人を選ぶ必要がある。つまり、全員を高年俸の日本代表プレーヤーで固めるといったことはできないというわけだ。

 実際の試合での選手の活躍がポイントとなる。例えば、フリースローは1P、アシストは2Pといった形だ。3ポイントシュートなど難しいプレーは3.5ポイントと高くなる。「自分がチームの監督となり、好きな選手を集めたチームを作る」というのは野球ゲームやサッカーゲームでよくあるが、実際の試合と紐付けてポイントを競うのが本サービス最大の特徴だ。

 自分が選出した5人の獲得ポイントの総数を、「節ごと」と「シーズン全体」の2つで競う。上位に輝いたユーザーはAmazonの商品券などの賞品を獲得できる、という仕組みだ。参加はGoogleアカウントを用いてのログインなど簡単な形となっており、チーム名を決めた後は選手を選ぶだけ。ドリームチームズ株式会社の荒木敬明代表は「できるだけ多くの人に参加してもらえるよう、できるだけシンプルな仕組みを目指した」と話す。

充実の選手データが予想を面白くする

 本サービスの「見どころ」といえるのが、充実した選手情報だ。身長や経歴などの基本情報に加え、「得点」、「アシスト」など5項目のパラメータのほか、「日本代表候補。シャンソンVマジック加入3年目の昨シーズンはスティール部門で東地区1位にも輝く」(小池遥選手のプロフィールより)など選手のより詳細な情報も掲載されている。Wリーグに詳しくない人でも、このデータを参考に選ぶこともでき、またどのような選手なのかを知るきっかけにもなる。

 また、総年俸内で選手を選ぶ仕組みも、知名度向上に貢献するポイント。ただ無制限に選べるシステムでは、代表候補など有名な選手ばかりに注目してしまうが、総年俸の中で選ぶ場合は幅広く選手を見る必要が出てくる。年俸は高くないが活躍しそうな選手は誰か、この選手はこんな特徴があるからいいかもしれないと、幅広くWリーグに所属する選手を見ることになる。オリジナルチームを作る中で、Wリーグに所属する選手を幅広く知ってもらうきっかけになるだろう。

 賞品が出るという仕組みも、知名度向上に貢献するファクターだ。「無料で参加できてうまくいけば賞品がもらえる」というのであれば、Wリーグを知らなくても参加するという人はいるだろう。荒木氏は「スタートは賞品目的であっても、そこをきっかけにWリーグを知り、見る人が増えればそれでいいと思う」と話すが、ゲームを楽しんでいるうちに選手のファンになるという人も増えそうだ。

日本での認知度は低いファンタジースポーツ

 ドリームチームズは、冒頭でも紹介したように名古屋テレビ放送が設立した子会社だ。代表の荒木氏は同社のコンテンツプロデュース部に所属していたが、社内の起業家支援制度に応募し、ファンタジースポーツ事業を中核とするドリームチームズを立ち上げた。

 ドリームチームズ立ち上げの背景には、アメリカの予想ゲーム「ファンタジースポーツ」の存在がある。ファンタジースポーツは、実際に行われる試合を対象に、プレーする選手の活躍を予想し、その結果に応じて景品を獲得できるというゲーム。アメリカではESPNやNBCなど大手テレビ局が行っており、6000万人以上のユーザーがいる。

 これまで国内でもサービスはいくつか立ち上がってきたが、今後、日本でも市場の急成長が予想されていることもあり、荒木氏は「日本でも同じような予想ゲームを活用し、スポーツの認知度向上に貢献できないか」ということで、同サービスを立ち上げたという。改めて「ドリームチームズ」にはファンタジースポーツ市場の形成、拡大が期待されている。

 「ドリームチームズ」に参加しているというユーザーからは、「これまで以上に応援に力が入るようになった」、「あまり注目していなかった選手を知るきっかけになった」などの声が寄せられているとのこと。Wリーグ以外のスポーツへの活用など、今後の展開に注目だ。

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