週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

「INNOVATION LEAGUE アクセラレーション2021」採択企業5社発表

汗中の乳酸濃度を測定できるデバイスなどスポーツを進化させるテック企業5社

 2021年11月10日に「INNOVATION LEAGUE アクセラレーション2021」のキックオフイベントが開催され、コラボレーションパートナーと事業共創を実施する採択企業5社の発表が行なわれた。

スポーツ×テクノロジーで新しいアイデアを創造

 「INNOVATION LEAGUE」は、スポーツ庁が『SPORTS TECH TOKYO』と共同で実施している、「スポーツとテクノロジーを組み合わせて新しいアイデアの創出を目指す」取り組みだ。採択された企業は、日本フェンシング協会、ジャパンサイクルリーグと協力し、約3ヵ月という限られた期間でアイデアを磨くことになる。

 今回、数多くの応募企業の中から選ばれたのが以下の5社。

1.株式会社休日ハック
2.株式会社グレースイメージング
4.株式会社フィナンシェ
5.株式会社Fanplus

 1〜4までの4社が『一般社団法人ジャパンサイクルリーグ』と事業共創に取り組む企業。の株式会社Fanplusは、『公益社団法人日本フェンシング協会』とパートナーとなり、事業共創に取り組む採択企業となっている。

 株式会社休日ハックは、ライオン株式会社の新規事業開発プロジェクトから生まれたスタートアップ企業。「お客さまの休日のスケジュールを企画する」という変わった切り口の試みを行なっている。日時や予算を設定すると、要望に合わせて休日の楽しみ方を企画してくれるというものだ。

 登壇した田中和貴代表取締役社長は、「私たちはお客様の休日を勝手に決め、未知の体験や新たな出会いにつながるサービスを提供しています。この『休日を勝手にハックする』という切り口で、スポーツの可能性を広げるチャレンジをしていきたい」とコメント。新型コロナ感染者の減少により、少しずつ休日のスポーツ文化が戻ってきた今、同社がどのような取り組みを行なうのか注目だ。

 2社目の採択企業は株式会社グレースイメージング。生体情報を可視化する最先端解析技術を用いて、世界初のスポーツ・ヘルスケアサービスの実現を目指す企業だ。特に、同社が世界で初めて開発した「汗中の乳酸濃度を測定できるデバイス」は、スポーツやヘルスケアの分野での幅広い応用が期待されている。

 今回のキックオフイベントでは、同社の代表であり、現役の医師である中島大輔氏が登壇。「弊社のデバイスは主に陸上競技の領域で活用しているが、そこからさらに一歩進んで、自転車やフェンシングといった競技でも適用できることをうれしく思う」と話し、世界初のデータ、エビデンスを取得することで、「INNOVATION LEAGUE」から新しいサービスを発信したいと意気込みを語った。

 3社目はパナソニック株式会社が選ばれた。同社はIoTソリューションをデジタルマーケティングに注力するサッカーチームに導入するなど、スポーツシーンでのIT活用を積極的に進めている。今後、スポーツとの共創により、どのような新ビジネスを生み出してくれるのか大きな期待が寄せられている。

 新規事業アイデアの創出や事業戦略コンサルなどを担当する持田登尚雄氏が登壇。「イノベーションは生み出すだけでなく定着させることも大事。パナソニックは生活の文化を作ってきた会社なので、(今回生まれたイノベーションを)スポーツの新しい文化として定着させたい」とコメントした。

 採択企業4社目は株式会社フィナンシェ。同社はブロックチェーンを活用した、売買可能なトークンを用い、さまざまなプロジェクト支援を行なう新しい形のクラウドファンディング事業を展開している。また、ブロックチェーン技術を活用した企画の提案や支援事業も手がけている企業だ。

 登壇した田中隆一取締役COOは「トークンをスポーツなどエンターテイメントの分野でも活用したい。たとえばトークンを用いてみんなで応援し、応援される側にもインセンティブをもたらすような仕組みを作っていきたい」とコメント。ブロックチェーン技術にはこれから大きな成長や他分野での応用が期待されているだけに、スポーツにおいてどんな新風を吹かせてくれるのか注目だ。

 5社目は株式会社Fanplus。2020年4月に、EMTG株式会社と株式会社エムアップのファンクラブサイト事業が統合されて誕生した企業で、ファンサイトの運営やファンクラブ事業を展開している。現在はアーティストを中心に業界トップクラスの250サイトを運営。最近では配信事業もスタートし、話題を集めている。

 同社の唐沢和幸氏が来場できなかったため、メッセージの代読が行なわれた。唐沢氏は「これまで培ったノウハウを用いて、スポーツ団体とファンとのエンゲージメントを強くできると考えている。ファンクラブサービス以外の分野でも、選手の活動をサポートしていきたい」と意気込みを語っている。同社ではすでにBリーグなどスポーツの分野でもファンクラブ事業を展開していることもあり、確かな技術とノウハウを武器にした今後の展開に期待したい。

先駆的な取り組みを行なっている企業を選出

「INNOVATION LEAGUE」主催のスポーツ庁坂本参事官補佐、「SPORTS TECH TOKYO」のプログラムオーナー・中嶋文彦氏、が登壇し、本取り組みの意図や今後の展望などを語った。

 イベントを終えた中嶋氏に今回採択された企業の選出意図を聞いたところ、「今回の協力団体(ジャパンサイクルリーグ、日本フェンシング協会)が、どちらも先駆的な取り組みを行なっている団体ということもあり、同じように先駆的な考えを持ち、さらには具体的な目標を持つ企業を選んだ」とのこと。また、今後の展望においては、「INNOVATION LEAGUE」に興味を持った大企業との共同プロダクトを拡大させることや、「Sport in Lifeプロジェクト」(スポーツ庁と共同で行なうスポーツ自体の裾野を広げる活動)への注力を挙げた。

 イベントの後半では、2020年東京オリンピックの開会式と閉会式で、エグゼクティブプロデューサーを務めた、スポーツブランディングジャパン株式会社の日置貴之代表取締が登壇。「スペシャルメンタリング」と題し、日本のスポーツの将来や解決すべき課題のほか新しいアイデアのヒントになるようなメッセージを伝え、今回のイベントは終了となった。

 審査を通過した採択企業・団体は、パートナー団体、またメンターと共に今後約3ヵ月間、アイデアを形にする作業に入ることになる。その成果は2022年2月中旬実施のデモデイで発表される予定。今回選ばれた企業が、どのような新しいビジネスや課題解決のアイデアを生み出してくれるのかに注目したい。

■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう