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「IoT H/W BIZ DAY Product Pitch 2021」

災害備蓄を社会でシェア 防災テック6社がピッチ

災害備蓄シェアリングエコノミー
「あんしんストック」で備蓄の課題を解決

 次に株式会社Laspy 代表取締役社長 藪原拓人氏がリモートで登壇。

大災害の発生時に、3日間の備蓄が備えてあるインフラを作っていくことを目標としている。「身近に備蓄の備えがあれば、大災害発生時におけるさまざまな心配事がなくなる。どこのコミュニティーへ行っても安心だという社会を作りたい」と藪原氏は話す。

 法人・自治体向けには、備蓄管理業務を行うBPOを行なっている。備蓄は「あったら良いもの」ではなく、「東京都帰宅困難者対策条例」にも定められている「必要なもの」であり、企業の社会的責任の観点から見ても重要である。ただし災害備蓄品の保管は、スペースや重量により企業の負担が大きくかかり、都心部での管理は困難を極める。そういった悩みを解決するのが、「あんしんストック」災害備蓄シェアリングエコノミーである。同社がプラットフォーマーとしての役割を果たし、保管・管理・提供まで一元化してシステム管理を行なっていく。

 また、藪原氏は「各企業や個人で備蓄品の管理をおこなうのは、社会全体で見たら非効率」とも話し、街の中に備蓄プラットフォームを構築し、ディベロッパーやゼネコンと行う「街づくり」への意欲を見せた。「新しい街には大きめの備蓄庫が備わり、共益費から勝手に運用されている世界を創りたい。最終的には建物→エリアへと進化させ、備蓄のシステムを構築していく」と、備蓄をインフラとして整備していくことを目指す。「災害備蓄を持つことが出来なかった原因にフォーカスして、ソリューションを提供していく」と語った。

「身近に備蓄があることで、災害時のさまざまな問題が解決する」と藪原氏

 「備蓄のシェアリングは多くのスタートアップが挑戦し失敗してきた事業だった」と田中氏は同社の取り組みを絶賛。次いで「備蓄するアイテムの整備が今後重要になる。どのようなケアを行なっているか」と質問をした。藪原氏は「多様性に対応していくのは重要。ハラール・アレルギー対応食品にも対応しており、安く仕入れができるノウハウを構築している」と自信を覗かせた。

 牧野氏は田中氏の発言に触れ、「(多くのスタートアップが挑戦し失敗した事業だが)どういった所に着目したのか」と問うと、「備蓄は自分ではできないのだということに気が付いた。(さまざまな災害も)ひと時過ぎてしまうと忘れてしまうのならば、仕組みで解決しないといけないと考えた。また、大企業になればなるほど、管理をアウトソースしたいニーズが強い」と藪原氏は自らの着目点を話した。

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