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第42回NEDOピッチ「次世代バッテリーTech ver.」レポート

脱炭素社会をリードする革新技術のバッテリーが期待のスタートアップ5社

2022年01月27日 06時00分更新

新規材料の開発で高エネルギー二次電池を実現
ORLIB株式会社

 ORLIBは新規の材料を用いた高エネルギー二次電池の開発を行っている。これまでの二次電池開発の歴史は、電池の持つエネルギー密度を高める歴史だった。その結果、現在広く普及している二次電池であるリチウムイオン電池にはニッケルやコバルトなどのレアメタルが使用されており、資源問題の原因ともなりかねない。

 そこでORLIBはシリコンを材料とする負極、有機チオアミン化合物による負極を開発した。その結果、従来の2倍のエネルギー密度を持つ二次電池の開発に成功した。同時に、従来のリチウムイオン電池の正極とシリコン負極を組み合わせた電池および有機チオアミン化合物正極とリチウムイオン電池の負極を組み合わせた電池の開発にも成功した。これらはそれぞれ従来の1.6倍~1.7倍、および約3倍のエネルギー密度を持つ。

 ORLIBはこれらのうち、まず既存のリチウムイオン電池の正極とシリコン負極を用いたセルから事業化を進めようとしている。このセルは従来の二次電池に比べて約1.5倍のエネルギー密度を持つ。従来型二次電池では20分の飛行時間しか取れなかったインフラ検査ドローン用電池を置き換えるものとして、今年中の試作を行う予定だ。9月に予定されている実証実験では、従来電池に比べて1.6倍以上の飛行時間を達成できるとしている。

 事業展開としてはまず小型ドローン向け電池から初めて大型ドローン向けやHAPS(High Altitude Platform Station:無人飛行機による携帯電話基地局)向けの電池へと拡大していくことを想定している。市場的にはEVや電力貯蔵向けの電池市場が大きいが、その開発には長い時間がかかるので、まずは短時間で開発が可能な分野向けの電池から始めようという戦略だ。

 現時点ではまだすべてが手作りとのことで、ORLIBの佐藤正春社長は資金調達を行ってパイロットプラントを作りたいと語る。また、化学メーカー、材料メーカー、製造装置メーカーとの連携を希望しているし、用途開発も協業で進めていきたいとしている。興味ある企業の方は是非コンタクトを取ってみてもらいたい。

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