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Googleフォト有料化、カードスロット廃止で行き場を失ったデータをどうするか、Galaxy S21 Ultra 5Gで検証

スマホで肥大化する大容量データを外付けSSDに逃がすのが思いのほか便利だった件

2021年06月18日 13時00分更新

スマートフォンでもSSDの速度は圧倒的に速く
大容量の動画データも短時間で転送可能

 今回は、外付けSSDとしてサムスンの「T7 Touch」1TBモデルを用意した。T7 Touchは、接続インターフェースがUSB 3.2 Gen2に対応し、転送速度が最大1050MB/sと非常に高速な速度を発揮する。

サムスン製ポータブルSSD「T7 Touch」の1TBモデル

Portable SSD T7 Touch(1TB)
インターフェース USB 3.2 Gen 2(10Gbps)
最大転送速度 読み出し 1050MB/s
書き込み 1000MB/s
保証 3年限定保証
付属ケーブル USB Type-C to Aケーブル
USB Type-C to Cケーブル

 また、パスワード設定によるAES 256bitのハードウェア暗号化や指紋認証によるアンロックにも対応するなど、安全性と利便性に優れる点も大きな特徴だ。Android端末でのセキュリティー設定方法に関しては、動画も公開されているので、必要に応じて参考にしてみてほしい。

 Galaxy S21 Ultra 5Gの接続インターフェースはUSB 3.0(USB 3.2 Gen1)なので、オーバースペックと感じるかもしれないが、転送した動画データをPCで活用する場合などに高速アクセスが可能となるため、決してオーバースペックということはない。大容量データを扱う外付けSSDとして定番の存在と言える。

 比較用のストレージとしては、サムスンのmicroSDカード「EVO Plus 512GB (MB-MC512H)」と「EVO 128GB (MB-MP128D)」を用意し、USB接続のSDカードリーダーで接続して利用することにした。これは、多くのスマートフォン利用者がmicroSDカードを持っていることを考慮し、あまりコストをかけることなく利用できる外付けストレージと考えて、microSDカードを比較用として用いることにした。

サムスンのmicroSDカード「EVO Plus 512GB (MB-MC512H)」と「EVO 128GB (MB-MP128D)」

 なお、用意した2種類のmicroSDカードのうち、EVO 128GBは数年前に販売されていた旧モデル品だが、低価格であまり速度の速くないmicroSDカードを利用する場面を想定して用意した。対するEVO Plus 512GBは、書き込み速度が最大90MB/sと高速で、非常にコストパフォーマンスの優れるmicroSDカードとして定評のモデルということから選択している。

 転送速度の検証は、Galaxy S21 Ultra 5Gのカメラアプリを利用して撮影した約20分、容量約11.3GBの8K動画ファイルを、ファイル操作アプリ「マイファイル」を利用して内蔵ストレージから外付けストレージへ転送するのにかかる時間を計測した。計測はストップウォッチを利用し、3回計測している。

 まず初めに、USB2.0接続のUSBカードリーダーを利用し、microSDカードへの転送時間だ。結果は以下のとおりで、EVO 128GBでは約10分31秒、EVO Plus 512GBでは約7分22秒だった。特にEVO Plusは書き込み速度が最大90MB/sのはずだが、テストでは約27MB/sほどと、本来の速度の1/3以下しか発揮できていない。

容量約11.3GBの8K動画ファイル転送時間を3回計測 (←fast)

 この原因は、USBカードリーダーにある。USB 2.0のデータ転送速度は理論値で最大480Mbps(60MB/s)で、実効速度はさらに遅い。そのため、microSDカード本来の速度が引き出せないのだ。

 そこで、別途USB 3.0対応のカードリーダーを用意して試した。その結果は次のとおりで、EVO 128GBは約9分46秒、EVO Plus 512GBは約2分33秒となった。

容量約11.3GBの8K動画ファイル転送時間を3回計測 (←fast)

 EVO 128GBはもともと書き込み速度があまり高速ではないこともあって、USB 2.0対応のカードリーダーを利用した場合と比べても転送時間はさほど短くなっていない。しかしEVO Plus 512GBは転送時間がおよそ1/3ほどにまで速くなった。これは、速度としてはおよそ74MB/s程度に相当する。

 EVO Plus 512GBの書き込み速度の最大値までは届いていないが、実測で74MB/sほどの速度が発揮されているということは、転送速度をほぼ最大限引き出せていると言っていいだろう。

 ただ、速くなったとはいっても、1つの動画ファイルを転送するのに2分半以上もかかっている。今回は容量の大きな動画ファイルを転送しているということもあるが、動画ファイルをまとめて転送する場合など、より大容量のデータを転送する場面ではかなりの時間待たされることになり、体感ではまだまだ速いとは感じない。

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