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公立高校で導入が進むのはSurface、Chromebook求める小中校とは異なる結果に

2021年04月16日 22時00分更新

Surfaceの強みはノートとしてもタブレットとしても使え、Office 365が動く点

 4月15日に日本マイクロソフトが行った教育分野に関する会見では、高校向けGIGAスクール構想の取り組みについても言及。日本マイクロソフト業務執行役員 パブリックセクター事業本部文教営業統括本部の中井陽子統括本部長は、「高校生の学びは高度であるべき、社会に備えたスキルをつけたいということを考えて、4割以上の自治体でWindowsを選択している。マイクロソフトは、Windowsを選択した学校をしっかりとサポートしていく」とした。

日本マイクロソフト業務執行役員 パブリックセクター事業本部文教営業統括本部の中井陽子統括本部長

 同社によると、日本マイクロソフトのSurfaceのほか、基本モデルから応用モデル、あるいは価格帯によって選択できるWindows搭載PCが、10メーカーから30機種以上、GIGAスクール構想向けに用意されているという。

 また、日本マイクロソフトでは、「きみの学びが、世界を変える」プロジェクトを開始。4月15日からGIGAスクール専用サイトを公開し、高校におけるICT活用に関する各種情報を提供するほか、「楽しもうOffice」のサイトでは、生徒が利用できる各種テンプレートなどの提供も行っていることを示した。

 今回の調査では、端末メーカー別シェアについても発表している。これは、主要な端末として採用しているメーカーという形で調査している。

 この結果、首位となったのが、日本マイクロソフトで8自治体、22%を占めた。

 小中学校では、あまり導入されていなかったSurfaceシリーズが、公立高校では数多く導入されていることが明らかになったといえる。ノートPCとタブレットの双方の利用に適した仕様になっていること、Office 365の利用に適していることなどが背景にありそうだ。日本マイクロソフトによると、兵庫県、和歌山県、岐阜県、山口県、愛知県では、数万台規模で、Surfaceシリーズを一括導入しているという。

レノボ・ジャパンの影はまだ見えていない

 2位となったのがNECで5自治体、構成比は14%。長年の教育分野での実績を生かして、着実に導入が進んでいるといえる。教育分野向けクラウドサービスである「Open Platform for Education(OPE)」による差別化や、WindowsとChrome OSのそれぞれに対応した製品ラインアップなども功を奏している。

 3位がアップルで3自治体、構成比は8%となった。iPadを授業に利用する公立高校も一定の規模に達しているといえよう。小中学校では、「教育アプリケーションとの連携」、「授業中の利用における利便性」、「ユーザービリティとアクセシビリティ」が、iPadを導入する理由にあがっていたが、公立高校でも同様の理由で導入が進んだといえそうだ。

 なお、アップルは小中学校におけるGIGAスクール構想の整備では、28.1%と、メーカー別シェアでは首位となっている。

 4位は、国内パソコン市場全体で高い存在感を発揮しはじめているデル・テクノロジーズと日本HP。また、Dynabookも同じく4位となった。各社とも、2自治体、構成比は5%となった。

 また、Windowsだけで展開している富士通は7位となり、中国CHUWI、台湾ASUSと同じ実績となった。教育分野で実績を持つ富士通の今後の巻き返しに注目される。

 一方で、小中学校のGIGAスクール構想では、WindowsとChrome OSをあわせた導入実績でトップとなっていたレノボ・ジャパンが、今回の公立高校を対象としたランキングではまったく入っていないという結果になった。小中学校向けのGIGAスクール構想では、他社を圧倒するほどの積極的な提案活動を行ってきたレノボだが、公立高校のGIGAスクール構想では、存在感がない。今後、レノボ・ジヤパンが公立高校向けの市場に対して、どんなアブローチをするのかが注目される。

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