週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

性能は2000万台のスマホに相当! 写真で見る「富岳」の内部、3つの特徴に注目!

2021年03月10日 19時30分更新

A64FXを搭載、富岳が2~3台あれば、日本のITのすべてをカバーできる

 富岳は、高い計算性能を実現するだけではない。従来のスパコン向けアプリを利用に留まらず、広い応用分野への対応を両立することを目標に開発しており、Armのv8-A命令セットをスパコン向けに拡張した「SVE」を使用し、マイクロアーキテクチャを富士通と理研が共同で独自開発した「A64FX」と呼ばれるチップを採用している

 「Society 5.0で掲げているサイバーフィジカルなどの幅広い分野に対応するために、汎用的なアーキテクチャーに基づいて開発した。アプリケーションファーストのコンセプトを実現するムーンショットマシンを開発するために、日本のHPCに関わるコミュニティが集結して完成させたものである。A64FXは世界一の性能であり、これにより、富岳が支えられている。そして、ネットワークコネクションだけでなく、ネットワークスイッチまでを内蔵した新世代のCPUである。高性能汎用CPUに比べて3倍の性能と、3分の1の消費電力を実現している。それでいて、あらゆるソフトウェアを利用でき、AIの強化機能も搭載している。富岳は、ひとつの分野だけでなく、あらゆるアプリケーション分野において、2位に比べて数倍の圧倒的性能を発揮し、世界一になっている。他国は研究開発が遅れている状況にあり、日本がさらに差を広げている。日本の計算の科学と、計算による科学が組み合わさって完成したものであり、日本のITの優秀さを示した」と胸を張る。

 富岳を構成する15万8976ノードによって発揮される性能は、スマホに換算すると2000万台の規模となり、これは国内で年間に販売されるスマホの数に匹敵するという。「富岳が2~3台あれば、日本のITのすべてをカバーできる性能を持つ」という。

 そして、「富岳が完成したときには、すぐにアプリケーションが利用できるように準備ができている。社会課題の解決にすぐに生かすことができる」とした。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう