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エンジンもデザインも唯一無二の強烈な個性が光る「FIAT 500」

2021年01月30日 12時00分更新

オープンではないが
開放感が得られるガラスルーフ

Lounge仕様はガラスルーフが付く

サンシェードを閉めた状態。やや透け感がある

 今回お借りしたモデルは「Lounge」というガラスルーフが付いている仕様。ガラスルーフなしモデルと異なり、外から見るとスモークが施された黒いガラス面でLounge仕様であることがわかります。ガラスルーフは固定式でオープンエアを楽しみたい方は、500Cというカブリオレモデルが用意されています。このガラスルーフですが解放感はあるものの、サンシェードの生地が薄くて夏の炎天下では頭頂部が大変暑くなります。サードパーティー製になりますが、断熱素材のサンシェードが販売されていますので、Loungeモデルを検討される方は、こちらも併せて購入することを強くオススメします。

運転席側のドリンクホルダー。USBソケットは1系統用意されている

エアコン操作パネル

 エアコン操作などは必要最低限といった印象。ドリンクホルダーの近くには、USBソケットが1系統用意されています。スマホと車両とはこの端子で接続するのですが、用意されているスマホホルダーは最近主流の大型端末には向きません。

※事実と異なる表現がありましたので、訂正してお詫びいたします。

運転席側ドアは45度程度しか開かず、後席へ乗り込む時にはちょっと不便

運転席を倒した様子

足元のスペースはほとんどない

後席用のドリンクホルダー

 後席はかなり狭い印象。小柄な方ならともかく、私のような大柄の男性(185cm)には厳しいものがありました。また前席シートを倒して乗り込むのですが、その入り口も狭いため、お年寄りにはちょっと辛いかもしれません。とはいえ、両親と子供2人の家族なら十分に対応できそうです。

ラゲッジスペースを開けた様子。後席シート裏は鉄板むき出しだ

機内持ち込みサイズの荷物を入れたところ

後席を畳めば収納量は上がる

 荷室スペースはイマドキの軽自動車に慣れた目からすると、積載量は少な目。機内持ち込みサイズのバッグが2つ入る程度と思った方がよいかもしれません。と、このように実用性という面で見ると、後席と荷室に関しては、国産Bセグメントの方が使い勝手はよいといえます。

FIAT 500 TwinAir Lounge

市街地での燃費

 まずは市街地を走行。乗り心地のよいファミリーカーだろうと思っていたのですが、それが予想と異なる硬質な乗り味に驚き。想像以上に細かい段差を拾います。さらにエンジンから独特のビートが車内に響きます。その動きが「クルマが頑張って走っている」という感覚は、イマドキのクルマにはないもの。信号待ちなどの停止時におけるアイドリングは静かなのですが、走り始めるとエンジンからは結構な音。その対比が面白いのです。さらにAT車なのですが、どこか変速がぎこちなくマニュアル操作した方がスムーズなのもイマドキのクルマにはないもの。それにより「クルマを運転している」という感覚がほかのBセグメントと比べると、とても強く覚えます。適度なマニュアル操作と相まってとても面白く新鮮。さらに小回りもよいことから、キビキビという言葉がピッタリの走りが楽しめます。燃費はイマドキの軽自動車には及ばないものの、それでも普通に運転すればリッター10km前後はいきます。

 街乗りの時はエンジンが結構振動していたので「高速道路は大丈夫か?」と心配になるのですが、いざ乗ってみると適度なビートに変わってイイ感じ。そして速度が上がるほどクルマの安定性が増しているではありませんか。新東名の120km/h区間もまったく怖くありません。最近では当たり前の装備である自動運転レベル2のような便利機能はありません。ですが、ポップなシートも意外と腰痛にはなりづらく、直進性も高いので長時間の運転でも疲れづらいのです。街乗りコンパクトに見えるFIAT 500は、ロングツーリングもバッチリ対応できる凄い1台なのです!

ワインディングを走るFIAT 500 TwinAir

 気がよくなり、高速を降りてワインディングへ。軽自動車よりはパワフルですが、とはいえ上り坂では速度は出せず、また下り坂ではブレーキに不安を覚えたのは事実。ですが、FIAT 500で走るワインディングは想像以上の楽しさに溢れていました。気づけば「頑張れ! エンジン頑張れ!」と思いながら、小さいクルマを一生懸命に走らせてしましました。意外と足がシッカリしており、高速コーナリングもそれほど怖くはありません。見た目の印象と異なり、FIAT 500は「走るクルマ」であると断言します!

FIAT 500 TwinAir Lounge

 FIAT 500 TwinAirを試乗したら、誰もがエンジン音などから「このクルマ、大丈夫?」と思うことでしょう。ですが、乗れば乗るほど魅力的に見えるから不思議。イマドキのクルマにない強い個性をもつ1台ですが、それゆえにほかがないというもの。FIAT 500は誕生して13年が経ちますが、まったく古さを感じることないばかりか、エバーグリーンな存在でありつづけることでしょう。

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