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15.6型で大画面。Intel第11世代Coreに加えてGPUにはNVIDIA GeForce GTX 16シリーズを搭載

4Kディスプレイや64GBメモリーも選べる、クリエイターの生産性を上げる軽量スリムなノートPC「Prestige 15 A11」

2020年12月11日 11時00分更新

スリムなPCでも豪華なスペック。クリエイティブユーザーはメモリ搭載量にも注目!

 クリエイティブ用途ではパフォーマンスが重要なことは言うまでもない。ベンチマークは後として、まずPrestige 15 A11のスペックを紹介していこう。

 CPUはIntelの最新第11世代Core i7-1185G7を採用している。4コア8スレッドのCPUで、この部分の数は現在のノートPCでは平均的といったところだが、Tiger Lake世代のアーキテクチャに加え、ブースト4.8GHzと高めの動作クロック設定といったパフォーマンス関連のファクターがある。また、第11世代CoreのIntel ディープラーニング ブーストもクリエイティブ用途で活躍するだろう。

スリムなPC用にTDPを28W(cTDP-up時)に抑えたCore i7-1185G7を採用

 クリエイティブ用途では一般的な用途と比べて大容量メモリを必要とすることも多い。Prestige 15 A11では64/32/16GBといった容量モデルを展開している。純粋なノートPC用プラットフォームを採用した製品としては、64GBが最大でありそれをラインナップしているというのはめずらしいだろう。メモリの規格はDDR4-3200。第11世代CoreではLPDDR4x-4267もサポートされているが、そちらは高性能だが高価で大容量を実現するのが難しい。16GB前後のハイエンドモバイルノートPCではそうした選択もできるが、メモリ容量が重要なPrestige 15 A11ではDDR4-3200という選択のほうが適していたということだろう。

評価機はメモリ32GBモデル。さらに大容量の64GB搭載モデルもある

 続いてGPU。第11世代Coreには従来の統合GPUよりも性能を大幅に高めたIntel Iris Xe Graphicsが搭載されている。そしてPrestige 15 A11ではより高性能なNVIDIA GeForce GTX 1650 Ti Max-Qデザインも搭載している。大半の業務はXeでも大丈夫だろう。ただしクリエイティブ向けのアプリケーションでは、GPU上の機能によって処理をアクセラレーションさせるものもある。Adobe Creative Cloudなどが有名だ。そのためのGeForce GTX 1650 Ti Max-Qデザインだ。

Intel Iris Xe GraphicsとNVIDIA GeForce GTX 1650 Ti Max-Qを搭載

 ストレージもこれまでの製品と比べて強化されたところだ。M.2 NVMe対応のSSDであることは当然だが、最新プラットフォームのPrestige 15 A11ではそのPCI Express接続がGen3からGen4へ引き上げられている。搭載されていたSSDはPCI Express 4.0 x4接続。これはつまり、PCI Express 3.0 x4接続のSSDよりも転送速度がさらに高速のものであることを意味している。また、スペック上ではGen3のM.2の空きスロットがもう1基ある。SSD×1基で足りないという場合でも、本体内に増設して対応することが可能だ。

評価機に搭載されていたのはPhison(SSDコントローラチップメーカー)製の1TBモデル。PCI Express 4.0 x4接続でNVMe 1.3対応

 それではベンチマークスコアを見ていきたい。今回は比較対象がないため、この記事のスコアはほかの記事のスコアや手元の機材のスコアと比較していただきたい。

 まずはCINEBENCH。R20ではCPUスコアが2415、CPU(SingleCore)が583。R23ではCPU(MultiCore)が5976、CPU(SingleCore)が1490。マルチスレッド側のスコアはCPUのコア/スレッド数なりだが、旧世代のものと比べるとスコアは上がっている。また、シングルスレッド側のスコアが高いのも高めのブーストクロックが効いているのだろう。

CINEBENCH R20

CINEBENCH R23

 ただし、第10世代Coreの6コア12スレッド、8コア14スレッドといったCPUと比べると4コア8スレッドという点で抑えられたところがある。スレッド数がものを言う作業に関しては苦手とまでは言わないが、でも得意と言うほどではない。映像編集の出力に関してはCPUのQuick Sync VideoやGPUのNVENCを活用したり、CPU演算で高画質に出力したければ本製品で編集、プロジェクトを保存した上でよりコア数の多いPCで最終出力するといった方法がよいと思われる。

 PCMark 10 ExtendedではOverallが5316。もちろんモバイルノートPCと比べて高く、15.6型クリエイティブ用ノートPCといったスコアだ。GPUを搭載しているためにホーム用途のEssentialsや業務用途のProductivityといったシナリオではスコアが高くなる傾向。GamingはGeForce GTX 1650 Ti Max-Qのグレードからすると6147というスコアは妥当だ。Digital Content Creationは数値だけ見ると5838でそこまで高くないように見えるが、そもそもほかのシナリオよりも低めのスコアになる傾向なのでノートPCとして見れば高いスコアと言える。

PCMark 10 Extended

 GPU性能を3DMarkで見てみよう。Fire Strikeは7558、Time Spyは3269といったスコアだ。GeForce GTX 1650 Ti Max-QはRTXグレードの下なのでこのスコアは妥当だ。そしておおむねフルHDで軽めのゲームタイトルを楽しむ上では問題のないスコアと言える。たとえば「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」をフルHD、最高品質で実行すると、8826ポイント(非常に快適)といった評価が得られる。

3DMark Fire Strikeのスコア

3DMark Time Spyのスコア

ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク。フルHD、最高品質時

 GPU機能を活用したテストとしてHandBrakeを用い4K/60p/h264映像(38071フレーム)をフルHD/30p/x265にトランスコードした際のフレームレートを比較してみた。結果は、CPUを用いたソフトウェアレンダリングでは24.36fpsだったのに対し、CPUのQuick Sync Videoを用いた場合で38.42fps、GPUのNVENCを用いた場合で38.53fpsとなった。GPUはCPUに対しておよそ1.5倍速く処理できることを意味している。

HandBrakeで4K/60p→FHD/30pトランスコード処理時のフレームレート

 写真編集処理に関してはPhoronix Test Suiteに含まれるGIMPのベンチマーク(外部リンク)を試した。GIMPはオープンソースの画像編集ソフトで、マルチスレッドはもちろんGPUによるアクセラレーションにも対応している。インストールも実行もコマンドライン操作だが、対話形式なのでお手元のPCで試してみていただきたい。

Phoronix Test SuiteのGIMPベンチマーク

 最後にCrystalDiskMarkでストレージの転送速度を計測した。シーケンシャルリードは4.9GB/sで同ライトは2.4GB/s。シーケンシャルリードはPCI Express 3.0 x4接続のSSDでは3GB/s台で頭打ちとなるがPrestige 15 A11のSSDはそれを上回る高速伝送を実現している。そしてランダムアクセスのQ1T1に関してもリードが55MB/s、ライトが233MB/sと、なかなかよい速度を出している。

PCI Express 4.0 x4接続で4.9GB/sのシーケンシャルリードを実現

 このように、モバイルもできる(低消費電力構成の)ノートPCというジャンルにおいては、十分にクリエイティブ用途に通用するパフォーマンスだ。そしてここではテストしきれていないが、評価機のメモリは32GBなので、複数の写真を補正したりレイヤー枚数を重ねたりといった処理ではさらに快適なレスポンスが得られる。

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