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11年振りの「Demon’s Souls」、PS5でかぼたんがやたらカワイイ

2020年12月08日 11時00分更新

 2009年にPlayStation 3(PS3)で登場した「Demon's Souls」。やたらと高い難易度と完成度の高い世界観でアクションPRGの金字塔的存在になっており、以降に続く「死にゲー」のきっかけともなったタイトルだ。PlayStation 5(PS5)のローンチタイトルにリメイク版「Demon's Souls」があり、プレイしたことがある人には懐かしくも新鮮さが感じられ、「DARK SOULS」シリーズで心が折れた人には優しいかもしれない仕上がり。本稿ではそんなDemon's Soulsのプレイフィールをチェックしていく。

こんなに「かんたん」だったかしら……

 初プレイの記憶を辿ると、序盤から死にまくっていたのだが、DARK SOULSでの慣れもあってか、今回のプレイにおいては楔の神殿の上層あたりでうっかりバックステップ→転落死をしたくらいだった。もちろん、敵がいる場所をなんとなく覚えていたのもあるが、初見であっても慎重に進めばわりと進めそうだ。それでも、不意打ちで死ぬことはあるだろうが……。

冒頭のキャラクリ時点からグラフィックの向上を体感できる

 PS3版を含み、攻略情報は多く存在しているが、本作はプレイヤーが残したメッセージと血痕が大きなヒントであり、はじめてであれば事前に情報を調べずに楽しむことを推奨したい。ヒントメッセージは、用意された語句の組み合わせで、たとえば「右に気をつけろ」といったメッセージがあちこちにある。中にはウソの情報もあるのだが、そのあたりも楽しめるだろう。血痕は、ほかのプレイヤーがその付近で死亡した際の様子が再生される。つまり、その先で待ち受ける脅威を知ることができるのだ。

チュートリアルでもヒントメッセージは活用されている。ところで、チュートリアルってこんなに明るかったかしら……

チュートリアルはちゃんとチュートリアルな難易度なので、たぶん死ぬ人は少ないだろう

ブラーの使い方が良い感じ。ちなみに「拡散の先兵」は撃破可能は可能だが、だいたい死ぬ

大変よく見慣れた文字列

ヒントメッセージの入力画面

 ゲームとしては、デーモンを倒していくことが目的になり、武器や道具、呪文、奇跡などを駆使して進んでいく。これといって決まったプレイスタイルはなく、わりとプレイヤーの素がでやすい。がっちりガードして進むのもいいし、身軽に回避しまくりで進んでもいいし、遠くから飛び道具などでチクチク攻撃しつつ進んでもいい。筆者の場合は、伝統的に鈍器を愛する派なので、右手に鈍器、左手に鈍器。「右の鈍器がダメなら左の鈍器」でDemon's SoulsとDARK SOULSシリーズをやってきているので、リメイク版も鈍器主体で遊んでいた。

 いちおう主な流れは、楔の神殿からフィールド攻略に向かい、武具の修理やレベルアップなどのために楔の神殿に戻るを繰り返す。フィールド途中で力尽きた場合も、やはり楔の神殿に戻ってくる。楔の神殿にはNPCとして商人や心折れちゃった人などがいるのだが、うっかり攻撃すると戦闘になってしまうので、操作は慎重に。倒したNPCは復活しないので、意図的に難易度を上げる手段にもなるのだが、最初は平穏に進めて行こう。

楔の神殿。左にいる透明度の高いキャラクターは、どこかでプレイしているプレイヤーの幻影。このとき相手からは自キャラも幻影として見えており、ジェスチャーなどでコミュニケーションもできる

最初のフィールドは「ボーレタリア城門」から。ところで、ここはタコ殴りにされた記憶が鮮明なのだが、ちょっとマイルドになっているような

坂の上から鉄球を転がしてくる敵が待ち受ける。本作はこんなノリのゲームで、カジュアルに命を奪いに行くからよろしくね!という洗礼を味わえるのが、城門だ

記憶があやふやなところは血痕に頼っていた

アンバサさん、お久しぶりです!

ボーレタリア城門のボス、「ファランクス」戦は、実質最初のデーモン退治。気味悪さがマシマシで大変よろしい

ファイヤー鈍器の敵ではないのだが


フォトモードが部分的に濃い

 リメイク版では、フォトモードが追加された。ボーレタリアのイイ感じの風景スクショが捗るのだが、戦っている真っ最中はちょっとコツがいる。タッチパッドからフォトモードにアクセスするので、攻撃している最中は難しく、迫ってくる敵を撮るのならばやりやすい。またフォトモードに入れるタイミングはイベントシーン以外のほとんどになっており、滑落真っ最中でも可能だ。

 機能は「Horizon Zero Dawn」や「Ghost of Tsushima」の発展系という感じ。ズームやフィルターといった定番機能のほか、フォーカスはキャラクターだけでなく、ターゲットした的も選べてやりやすい。そして本作ならではの濃い機能として、カラーバランスも調整できる。カラーバランスは、写真・動画系アプリケーションにあるカラーグレーディングをパラメーターだけでやる的なもので、シャドウと中間調、ハイライトの3-Wayに加えてマスターもある。脳内にカラーホイールがあると遊びやすい機能だが、よく知らない人からすると混乱の元でしかなく、こだわり派向けといえる。

パラメーターを調整して絵作りをしていく。視野角は25〜55度とわりと狭いのだが、広すぎて迷うことは少なく、雰囲気も出しやすい

慣れは必要だが、色合いの調整で雰囲気を自分好みに調整できる

被写界深度は極端に浅くはできない。処理が難しい前ボケもイイ感じ

廃墟なスポット目白押しなので探索が楽しい

途中からスクショしながら進めていた

ドラゴンさんのディティール

PS3版に比べてオブジェクトが増えている

細かい装飾の作り込みも良好でスクショが捗る

戦闘中にフォトモードに入りやすくなるといいのだが

血痕の解像度が妙に高い

このあと焼かれた(が、ギリギリ焼死せず)

随所でソウルを入手できる

 フォトモードの面白い部分は、フィルターのプリセットを4つまで保存可能なことに加えて、ゲームプレイにもそのフィルターを常時適用できることだ。自分が好きな雰囲気で遊べるように調整してもいいし、特定の色を見やすくしてもいい。

フィルターを適用したままゲームプレイを続行できる

デフォルト

変更した状態

かぼたんはやはりかわいい……
ロードの速さがここで光る

 Demon's Soulsにおけるアイドル的存在「黒衣の火防女(ひもりめ)」、通称“かぼたん”。かぼたんの足パタパタは、サツバツとした世界では強烈な癒やしであった。PS3版ではロードが長く、心が折れそうなときの清涼剤として彼女に会いに来るのも大変だったが、PS5版はロード時間5〜7秒ほどでフィールドから楔の神殿に戻ってくれるため、とても快適だ。死んでもすぐに再開できるのが本作における良さの1つだが、個人的にはこの点を力強く評価したい。

黒衣の火防女

これだ! このパタパタだ!!

 というわけでここからは、フォトモードの機能を駆使した筆者渾身のかぼたんグラビアをお楽しみいただきたい。様々な重みのある足がすばらしい。

 リメイク版となるが、PS3版をやりこんだ人には懐かしさを感じつつ新たな要素も楽しめ、初見の人は最初のほうはわりと優しく、ゆっくりと泥沼に浸かっていけるだろう。上記のように、なるべく情報を入れないで進めて行くと、より本作を楽しめる。死んだら反省、手段を変更してリトライと試行錯誤を楽しむ部分はそのままであり、とてもよく出来たリメイクだ。PS5を入手したらぜひ遊んでみてほしい。なお、今回は編集部の借用機でプレイしているが、筆者はPS5の抽選で19戦19連敗中だ。アンバサ。

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