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BlenderやV-Ray、Premiere Pro、DaVinci Resolve Studioなどをテスト

CGや動画編集におけるGeForce RTX 3080/RTX 3090の性能を徹底検証

2020年10月14日 16時00分更新

「Premiere Pro 2020」と「Media Encoder 2020」でもAmpereは強い

 CG系はこのぐらいにして、動画編集ソフトでのパフォーマンスを比較してみよう。まずは「Premiere Pro 2020」で4Kのプロジェクトを開き、プロジェクト先頭から最後までレンダリングした時の時間を比較する。

 テストに使ったプロジェクトはフルHDのシーケンス3つを4Kのタイムラインに配置し、それぞれに不透明度や「VRフラクタルノイズ」を適用した“BigMix”と、ゲーム「Borderlands 3」の4Kプレイ動画に文字のオーバーレイや色調整などを施した“BL3”の2つ。フレーム数はBigMixが4537フレーム、BL3が18000フレームとなる。

Premiere Pro 2020でプロジェクト:BigMixのレンダリング時間を測定した時の様子がこちら。VRAM使用量は7~11GB弱。時間計測はPremiere Pro 2020のコンソールを利用した

プロジェクト:BL3ではシンプルなカット編集が主体なせいか、VRAM消費量は5GB程度にとどまる

Premiere Pro 2020を利用した4Kプロジェクトに対するレンダリング時間

 4K動画1本に簡単な色調整やカット編集を施したBL3では、どのGPUを使ってもレンダリング時間にほとんど変化はない。しかし、3本の動画にそれぞれGPUを使うエフェクトを適用したBigMixでは、GPUの力の差がハッキリと出た。

 傾向としてはCGレンダリング系の検証と同様、Ampere系のRTX 30シリーズが圧倒的に高速で、TITAN RTXをはじめとする旧世代GeForceは54秒以上遅い。この差はCUDAコア数の差であることは簡単に想像がつくが、GDDR6Xメモリーの帯域の太さである可能性も考えられる。このあたりは今月末に発売予定のGeForce RTX 3070(GDDR6メモリーを採用)でも試してみたい。

 このPremiere Pro 2020で使った2本のプロジェクトを「Media Encoder 2020」で4KのH.265動画にエンコードする時間も計測してみた。アドビは2020年5月、Premiere ProやMedia EncoderのエンコードでNVEncが利用できるアップデートを配布した。RTX 30シリーズのNVEncはRTX 20シリーズと同じだが、動画内にGPUを使ったエフェクトが入っていれば、世代間の性能差がエンコード時間に反映されるはずである。

 エンコード設定はBigMix/BL3ともに4K H.265、1パスVBR、ビットレート50Mbpsとした。同じプロジェクトをCPUでエンコードした時の時間も併記する。

Media Encoder 2020を利用したエンコード時間

 GPU負荷の高いエフェクトを使ったBigMixのエンコード時間はCG系レンダリング時間の傾向に近い。RTX 3090 FEがダントツに速く、Turing世代のGPUはいずれもRTX 3080 FEに及ばない。また、RTX 2080 FEのGPUエンコードを使うぐらいならCPU(Ryzen 9 3950X)を使うほうが速いという結果も興味深い。

 一方で、GPU負荷の低いBL3はGPUの格差があまり出なかったが、フレーム数が多い(60fpsで5分、合計18000フレーム)ため、CPUエンコードではとんでもない時間がかかっている。動画の編集スタイルにもよるが、GPU負荷が高ければ高いほどGPU性能の格差が大きく影響し、フレーム数が多くなるほどGPUのハードウェアエンコーダーを使わないと処理時間が厳しくなることがわかるだろう。

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