第315回
BlenderやV-Ray、Premiere Pro、DaVinci Resolve Studioなどをテスト
CGや動画編集におけるGeForce RTX 3080/RTX 3090の性能を徹底検証
「V-Ray」と「OctaneRender」では別の傾向も
さらに、CGレンダラーの検証を続けよう。まずは「V-Ray」のスタンドアローン版を利用し、2つのシーン(「Magic Mushrooms」と「Scott Eaton」)をレンダリングする時間を計測した。レンダリング時に指定する引数(-rtEngine)で「7」を指定すればOptiX、「5」を指定すればCUDAベースのレイトレーシングが実行される。
OptiXレンダリング時はこれまでの結果と似た傾向にあるが、CUDAレンダリング時は様子が異なる。Scott Eatonでは、Ampere世代GPUのほうがTuring世代GPUよりも遅いという結果となった。なぜこうなるかは時間制限内で解明できなかったが、必ずしもAmpereが強いというわけではなさそうだ。だが、OptiXレンダリング時の速さを考えるとCUDAを使うメリットはまったくない。今後ドライバーなどやV-Ray側の対応で状況が変化すると推測する。
CG系最後のテストは「OctaneRender 2020」だ。OctaneRenderは専用のベンチマークソフトがあるが、今回の検証はOctaneRender 2020のデモ版を使用している。検証に使うシーンごとにOptiXを使う時(RTX On)と使わない時(RTX Off)の結果を比較する。処理時間を比較していたこれまでのテストと異なり、単位が1秒あたりのサンプル数(ksamples/sec)になるので数値が大きいほど高速になる。
テストに使用したシーンは「Habana」、「Godrays」、「Plans」、「MutiHead」の4つ。最後のMultiHeadは極めてVRAM使用量の多いシーンだ。
ここで注目したいのはMultiHeadの結果だ。今回用意したGPUの中でMultiHeadのレンダリングを完了できたのはRTX 3090 FEとTITAN RTXの2つのみ。これはMultiHeadをレンダリングしようとするとVRAMを最大20GB前後消費するため。VRAM消費量の少ないシーンであれば、RTX 3080 FEでもTITAN RTX以上のパフォーマンスをラクに出せる。しかし、VRAM消費量の多いシーンではRTX 3090 FEでないとTITAN RTXを上回るパフォーマンスを引き出すことはできない。
もちろん、VRAM消費量が24GBを超えるようなシーンではRTX 3090 FEですら役に立たないため、さらにVRAM搭載量の多い「NVIDIA RTX A6000」が必要になるだろう。
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