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BlenderやV-Ray、Premiere Pro、DaVinci Resolve Studioなどをテスト

CGや動画編集におけるGeForce RTX 3080/RTX 3090の性能を徹底検証

2020年10月14日 16時00分更新

RTコアの性能差が出るCGレンダリング

 RTX 30シリーズではRTコアが1世代新しくなり、レイトレーシングのモーションブラーも高速に処理できるようになった。RTX 20シリーズでもレイトレーシングのモーションブラーを表現できるが、RTX 30シリーズのRTコアはより効率良く処理できるというわけだ。

 従来的な手法として、普通にレンダリングした後に適切なポストプロセス処理を加えることで“それっぽい”表現にするやり方もできるが、ボケの中に不自然な縞模様が発生してしまうなどのデメリットもある。

 引き続きBlender v2.9.0を利用し、モーションブラーを使用したシーンをOptiXでレンダリングする時間を計測する。

RTX 30シリーズのRTコアはポリゴンとの衝突を判定する処理を微細な時間に分割して、モーションブラー処理を高速で実行できるようになった

モーションブラーを使わずにレンダリングしたシーン(内の1フレーム)。ドローンの羽根や地面にブレがないため、スピード感がない

Blenderのモーションブラーを有効にし、RTコアを使ってモーションブラーを適用した状態

Blenderのモーションブラーは使わずに、ポストプロセス処理(ベクターブラー)を利用して擬似的にモーションブラーを表現した状態

レイトレーシングのモーションブラーを正しく適用すれば(左)、床に反射している羽根を囲むリングの光はボケず、床のディテールだけにボケがかかる。だが、ベクターブラーを使う(右)とすべて一緒くたにボケがかかり、さらに余計な縞模様も出てしまう

今回試したBlenderの設定。ベクターブラー時はこの図中の「Motion Blur」をオフにする

ポストプロセス処理で疑似的にモーションブラーを表現するためのノードネットワーク。Blender側のモーションブラーを使う場合、これらは利用しない

Blenderでモーションブラーを使った時のレンダリング時間。モーションブラーをまったく使わない時の時間も併記した

 モーションブラーを使わずに(OptiXで)レンダリングした際の時間と、ベクターブラーを使った時のレンダリング時間はBlender Open Dataの傾向に近い。だがBlenderのモーションブラーを有効にすると、TuringベースのRTX 20シリーズやTITAN RTXでは途端に処理が遅くなる。

 モーションブラーを使わない時とモーションブラーを利用した時の時間を比べると、RTX 3090 FEやRTX 3080 FEの処理時間は約1.2倍程度に収まっているが、Turing系は1.6~1.8倍ほど処理時間が増え、非常に効率が悪い。RTコアの数はTuringとAmpereでほとんど変わらない(RTX 3080とRTX 2080 TiのRTコア数はともに68基)が、Ampere世代のRTX 30シリーズはRTコアがモーションブラーに対応しているため、ここまでの差がついているのだ。

このシーンをレンダリングした時のVRAM使用量は、RTX 3090 FEやTITAN RTXでは最大14GBにまで到達した。しかし、VRAM 8GBのRTX 2080 FEでもまったく問題なくレンダリングできていた

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