第313回
8コア/16スレッドの“ゲームキング”はインテルか?AMDか?
GeForce RTX 3080の相棒にふさわしいのはどっち?Core i7-10700K対Ryzen 7 3800XTゲーム7本比較
まとめ:いずれのゲームでもCore i7-10700Kが優勢、コストパフォーマンスでもRyzen 7 3800XTを降す
では、ここまで得られた結果をレーダーチャートにまとめてみよう。各ゲームとも平均フレームレートに注目し、全体的に優勢だったCore i7-10700Kの結果を100%とした場合に、Ryzen 7 3800XTがどの程度の位置に付けているかをプロットしている。特殊な描画モードを使用した結果、つまりCoD:MWのDXR有効時やMHW:IBのDLSS有効時は集計外とした。
今回試したゲームではどのゲームでも、Core i7-10700KがRyzen 7 3800XTを上回る結果を見せた。Horizon Zero Dawnの4K時やApex Legendsの高解像度環境における最低フレームレートなど、Ryzen 7 3800XTが有利になるポイントはわずかに見られたものの、Core i7-10700Kの優位性を否定するだけの材料にはならなかった。また、実売価格においてもCore i7-10700Kのほうが4800円前後安く、コストパフォーマンスにおいても優秀であることは明らかだ。ゆえに、8コア/16スレッドCPUにおけるRTX 3080のベストパートナーはCore i7-10700Kで決まりだ。
ただし、この結果をもって「インテル製CPUはゲーム向き」と大きな主語で主張するつもりはない。あくまでCore i7-10700KとRyzen 7 3800XTの対決の中、さらに限られた7本のゲームの中では、という限定的な局面において、Core i7-10700Kが有利だったという結果だ。また、RTX 3080といった最新ハイエンドGPUを使うと、360fps以上の超高フレームレートになる場合もあり、両者の差は肉眼では観測できないこともある、ということを忘れてはならない。
RTX 3080のファーストレビュー時に、PCI Express Gen4とGen3をマザーボード側で切り替えて描画性能に違いが出るかを検証したが、その時はGen3でリンクするとごくわずかながら性能の低下が確認できた。しかし、今回の検証ではCore i7-10700KはGen3環境だったにも関わらずGen4でリンクしたRyzen 7 3800XT環境を大部分の局面で上回った。PCI Expressの帯域の差による微小なペナルティーが存在しても、インテル製CPUはクロックの高さで帳消しにできることが確認できたのである。
第3世代Ryzenのほうが消費電力面やコア数の選択肢において第10世代Coreプロセッサーより優位に立っていることはこれまでの検証から明らかだが、、インテルも“ゲームキング”の座は簡単に明け渡すつもりはないようだ。今後チャンスがあれば、8コア/16スレッド以外のCPU対決にも挑戦したい。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります