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AMD Ryzenシリーズで「長く使える」「ステップアップできる」オススメのマザーボード

3〜5年の使用を見越したPCを組むなら次世代インターフェースをフル装備の MSI「MAG B550M MORTAR WIFI」

2020年09月19日 12時00分更新

文● 石川ひさよし
提供: エムエスアイコンピュータージャパン

信頼できる冷却機構と電源回路を個性的デザインで実現

 最後の特徴にMAG B550M MORTAR WIFIのデザインを挙げよう。現在のマザーボードはPCB基板を黒く塗った「ブラックデザイン」が主流である。MAG B550M MORTAR WIFIもベースとしてはブラックデザインと言えるのかもしれないが、各部ヒートシンクや基板のパターンにシルバーを採用したことでよいアクセントが生まれている。室内照明によってはより白く見えるかもしれない。モノトーン的なカラーリングだ。

 VRMヒートシンクの大きさにも注目したい。最近のミドルレンジ以上のマザーボードでは従来後付けだったバックパネルを装着済みとし、そのバックパネルとVRMヒートシンクとをカバーによって一体化したデザインがトレンドとなっている。MAG B550M MORTAR WIFIも一見すればこのトレンドに沿ったデザインだが、ひとつ違うところがある。シールド一体型デザインのマザーボードは、VRMヒートシンクの上からプラスチック製シールドを装着したものがほとんどだ。それに対してMAG B550M MORTAR WIFIはVRMヒートシンク自体を大型化することでシールドとしている。デザイン性と実用性の両立と言えるだろう。

写真右側がマザーボード上電源回路の発熱部分に接する。MAG B550M MORTAR WIFIのヒートシンクはそこから左側にかけて大きくオーバーハングした形状だ

 VRMヒートシンクの冷却性能はマザーボード選びのポイントになる。半導体の寿命は温度によって変わり、高温下にさらされ続けると寿命が早まってしまう。マザーボード上でもっとも発熱量の大きいVRMを過不足なく冷却を行なうことは、マザーボードを長期に利用するための鍵になる。もちろん、ローコスト向けマザーボードも動作に問題のない熱設計で販売されているが、MAG B550M MORTAR WIFIのようにより徹底した冷却デザインの製品は安心感がより高い。それに、半導体自体の品質・耐久性も長期使用のポイントとなる。

 それでは電源回路の部品構成を見てみよう。電源回路は「フェーズ」と呼ばれる単位で考える。MAG B550M MORTAR WIFIでは8+2+1フェーズ構成だ。もっとも消費電力の大きいCPU向けが8フェーズ、SOCが2フェーズ、APUが1フェーズと使い分けられている。ミドルレンジマザーボードではおよそ8〜10フェーズ。そう考えるとMAG B550M MORTAR WIFIはミドルレンジ製品として少し余裕のある構成だ。フェーズ数が多いことにより負荷を分散でき安定性が向上する。負荷が小さければ発熱も抑えられ、部品の寿命を縮める要因を減らすことができるといったメリットがある。

CPUソケットの左に8フェーズ、上に2フェーズ、EPS12V端子横に1フェーズといったレイアウト

 こうした電力供給を制御しているのがPWMコントローラチップのRenesas Electronics「RAA229004」。デジタル制御で負荷の変動に対して素早く対応できる。そこにつながるMOSFETはRenesas Electronics(Intersil)「ISL99360 Smart Power Stage」。次段のチョークコイルと1対1になる形で並んでいる。MSIではこれらデジタルベースの電源設計と基板設計とをあわせて「CORE BOOST」と呼び、マルチコア時代のCPUに対し高負荷の操作を行った場合でも、速やかで歪みのない電力を供給することができるとアピールしている。

PWMコントローラチップはRenesas「RAA229004」

MOSFETはRenesas「ISL99360 Smart Power Stage」

 PWMコントローラチップのRenesas「RAA229004」、MOSFETにRenesas「ISL99360 Smart Power Stage」という組み合わせは、ミドルレンジ、とくにアッパーミドルレンジのマザーボードでよく採用されている。

 最後に再びデザイン面に戻りひとつ指摘しておこう。最近のマザーボードは、大半が「ゲーミング」向けマザーボードだ。ただし、この「ゲーミング」はゲーム専用というよりはマーケティング用語であって、幅広いニーズに対応できるものだ。PCゲームは負荷が高く変動も激しい。そうした用途でも問題なく安定性が得られる設計であることのアピールと捉えればよい。

 ただし、ゲーミングマザーボード=LEDで光るというイメージもあるだろう。LEDイルミネーションは誰もが求めるというものではない。その点、MAG B550M MORTAR WIFIはゲーミングマザーボードだがイルミネーション用LEDは非搭載。PCが光る必要はないとお考えの方に最適なモデルだ。ブラック/シルバーの配色なのでLEDなしでも十分な見映えである。一方、シルバー部分にLEDの光を反射させれば幻想的な雰囲気も出せる。そのため、LEDヘッダーはしっかりと搭載している。CPUクーラーやLEDストリップなどを追加し、LEDヘッダーに接続すればそれらをユーティリティ「Mystic Light」でコントロール可能だ。

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