eスポーツゲームの世界が変わる「NVIDIA Reflex」
今のPCゲームはフレームレートの高さはもちろんだが、ラグのないことも極めて重要になる。ラグと言えば、真っ先に思いつくのがネット回線の遅延(ping)によるものだが、ゲームのネットコードである程度軽減できても根本的な解決は難しい。
NVIDIAが目指しているのは「インプットラグ」あるいは「End to Endラグ」、「Photon to Photonラグ」と呼ばれているものの短縮だ。どれも意味するところはマウスをクリックした瞬間から、それが実際にディスプレーに反映されるまでのラグである。当然、このラグが短ければ短いほどプレイしやすくなる。
NVIDIAは改めてこのラグを「システムレイテンシー」と名付け、これを極限まで下げる「NVIDIA Reflex」を9月17日のGeForce RTX 3080発売日に向けて(ズレる可能性もある)準備中だ。
なぜシステムレイテンシーを減らすのが重要であるかはNVIDIAのブログを見ると良いだろう。ざっくり言えば、物陰にいる敵を攻撃する場合、システムレイテンシーが短いと、アタッカー側なら一方的有利な時間が⻑くなるし、防衛側になった場合は逆に一方的不利な時間を軽減できる。さらに、エイムの精度向上にも貢献できるなど、eスポーツゲーマーにはいいことずくめだ。
NVIDIA Reflexに先駆けてすでにNVIDIAは“低遅延モード”(NVIDIA Ultra Low Latency、通称:NULL)なるシステムレイテンシーを軽減するための工夫をGeForceドライバーに実装している。筆者も2回(格ゲー編とFPS編)にわたり、統計学的なアプローチで検証を行ない、FPS系タイトルでは劇的な効果を確認した。
しかし、この低遅延モードはDirectX 11または9ベースのゲームにしか効果がなく、DirectX 12(やVulkan)のゲームでは機能しない。これはドライバーレベルで調整できる低遅延モードの限界ゆえの話だ。
NVIDIA Reflexはゲームの遅延を制御するためのAPIであり、このAPIを組み込んで作られたゲームは、DirectX 12でも効果が出る。さらに言えば、NVIDIA ReflexはGPUに対するレンダリング待ち行列の類も完全にゼロにすることが可能になる。結果として、GPUが処理を開始する直前に入力を読み取り、それを画面に最短時間で反映させる。つまり、システムレイテンシーが極限まで短くなるのだ。
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