まずは総合性能をチェック
手始めに「PCMark 10」で総合的な性能をチェックしよう。前回の記事の予告で「実際のアプリやゲーム」でのベンチマークと宣言したはずなのに、「なぜ初手がPCMark 10……」と思うかも知れないが、PCMark 10内ではFireFoxやLibreOfffice、POV-Rayといった実際のアプリ(またはリアルに近い実装のもの)が使われているため、非常に都合が良いのだ。
しかし、総合スコアーだけではそのあたりがまったく読み取れないので、各テストグループ別の結果も比較することにした。なお、今回はStandardテストを実施している。
総合スコアーではCore i9-10850Kが微妙にCore i9-10900Kを上回っている。しかし、テストグループ別のスコアーではCore i9-10900Kのほうが上回っている部分もあるし、まったく同じこともある。100MHzの差で勝敗をはっきりさせることはかなり難しいと言わざるを得ない。
Essentialsテストグループではアプリの起動速度(App Start-up)でCore i9-10900が僅差で首位に立ったが、それ以外のテストではCore i9-10900KやCore i9-10850Kにわずかに負けている。非常に負荷の軽いテストグループであるため、TDP65WのCore i9-10900でも十分高いスコアーが出るのは不思議ではない。
LibreOfficeを利用した実務作業で比較するProductivityテストグループ。Core i9-10900Kのスコアーがそのほかに対して全般的に低いことが、総合スコアーの足を引っ張っているようだ。
コア数やTDPの差が出やすいのがDCC(Digital Content Creation)テストグループ。Core i7-10700Kのスコアーが低いのは単純にコア数の問題だろう。そして、Core i9-10900のRendering and Visualization(POV-Ray)が低いのはTDPが65Wと低いためだ。今回グラフに採用した結果では、Core i9-10850KはRendering and VisualizationとVideo Editingで大きくスコアーを稼ぎ、トップに立っているのがわかる。
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