中国にて開催中の“MWC 上海 2015”の会場にて、Taisys Technologiesは同社の旅行者向けSIM『slimduet』を展示。来場者に体験用SIMカードを配布していたので、早速試してみました。
↑Taisys Technologiesのブース。 |
『slimduet』は、SIMを交換することなく1枚のSIMだけで複数の国での通信が可能なサービスです。こういった1枚で複数ヵ国に対応できるSIMは『GigSky』などほかにもありますが、多くはローミングを利用したサービスとなっています。そのため、データ料金などは現地キャリアのプリペイドプランに比べると高くなってしまいます。
slimduetの場合は、ローミングではなく現地キャリアの番号が付与され、電話番号を切り替えることで現地のプランに近い通話料や通信料が利用できるのが特徴です。
↑SIMは標準(ミニ)、マイクロ、ナノに1枚で対応できるマルチタイプ。 |
まずは、あらかじめ専用アプリの『slimduet』をダウンロード。これはiOS版、Android版ともにリリースされています。あとはSIMを端末に挿入するだけ。テストにはファーウェイの海外モデル『Huawei P8』を使用しましたが、SIMを挿入するだけで自動でアクティベートされ、開通通知がSMSで送られてきました。
↑受信した開通のお知らせ。 |
開通後専用アプリを起動させると、すでに“My Number”タブに香港の番号が登録されていました。これは今回は会場でのテスト用途として配布されているため。香港での通話と通信、さらにMWC 上海の会場がある中国でローミングによるデータ通信ができるように設定されていました。
↑アプリの“My Number”に香港の番号が登録されています。 |
slimduetの対応国は、中国、欧州、香港、日本、韓国、台湾、タイ、イギリス、アメリカ。といってもすべての国で通話が利用できるわけではなく、日本はデータ専用のプランしか契約できません。
各国のプランを契約するには、画面下部の“Shop”を選びます。国名をタップすると、それぞれの料金などがチェック可能。
↑Shopから各国のプランを選択。 |
↑シンガポールのプラン。アイコンで通話と通信が可能というのがわかる。 |
↑日本のプランは通信のアイコンだけ。 |
ここから利用したい国のプランをオンラインで購入します。支払いはクレジットカードで、料金はそれぞれ国によって異なります。今回は試しにシンガポールのプランを購入したところ、料金は14ドル。シンガポールのプランは、18シンガポールドルがチャージされており、この料金から通話が利用できるほか、別途1GB/5シンガポールドル(3日間有効)、または1GB/7シンガポールドル(7日間有効)のデータ通信プランが申し込めるようになっています。
↑シンガポールのプランは14ドル。 |
↑日本は3Gでの接続で20GB/38.50ドル(7日間有効)。 |
申し込みが完了すると、“My Number”に番号が追加されます。今回のケースでは、シンガポールが新たに追加されています。
↑香港だけでなくあらたにシンガポールも登録された。 |
それぞれの国をタップすると、料金の追加や残高の確認といった機能が利用可能。さらに各プランごとにAPNなどのセッティングも変わるので、その情報もチェックできます。
↑追加チャージの“Top Up”などもアプリから手続きできる。 |
↑APNの情報も確認可能。 |
購入したプランの番号に変更したい場合は、“Swich Number”をタップします。すると端末を再起動するアラートが表示され、再起動後は選択した電話番号に切り替わります。これで1枚のSIMで複数の番号が管理できるわけです。
↑別の番号に切り替える場合は、再起動が必要。 |
海外で現地のSIMを購入するのは、まだまだハードルが高いですが、これなら現地到着前に準備しておけば、飛行機を降りてすぐに通話や通信ができるので便利。
slimduetオンラインから購入できますが、現状では発送先が香港、台湾、中国、マレーシア、シンガポールのみとなっており、日本からは購入できません。現地の説明員によると、ほかの国での展開も考えているとのことなので、日本での登場も期待したいところです。
●関連サイト
・MWC Shanghai 2015
・slimduet
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